無響室の体験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 02:23 UTC 版)
1951年のある日、ケージはハーバード大学の無響室を訪れた。無音を聴こうとして無響室に入ったが、彼は二つの音を聴いた。一つは高く、一つは低かった。エンジニアにそのことを話すと、高いほうは神経系が働いている音で、低いほうは血液が流れている音だという答えだった。無音を体験しようとして入った場所でなお、音を聴いたことに「私が死ぬまで音があるだろう。それらの音は私の死後も続くだろう。だから音楽の将来を恐れる必要はない」と強い印象を受けた。『サイレント・プレイヤー』で、さえぎられない沈黙を構想した時期とは異なり、完全な無音は不可能であるという認識を得た。ケージは以後、沈黙とは意図しない音が起きている状態であると定義する。
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