『瞑想曲』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 15:40 UTC 版)
本作はニ長調の作品でおよそ5分程度の演奏時間である(無数の楽曲解釈によって6分程度になるものもある)。マスネはまた宗教的意図を伴った作品として書いた。彼の、本作は宗教的雰囲気で(厳密な速度で、あるいは文字通り宗教的な感情でのどちらを意味しうる) 、歩くようなテンポで演奏されるべきであるという意図を表して速度の指示は「宗教的なアンダンテ("Andante religioso")」である。 ハープによる短い導入部をともない始まり、ヴァイオリンの独奏ですぐに、Fis-D-A-D-Fis-H-Cis-Dのメロディで有名な主題に入る。ヴァイオリンが2度メロディを演奏した後、「いきいきに(animato)」と指示された部分へと中間部へ入り次第に情熱的になっていく(マスネはpoco a poco appassionatoと書いている)。中間部は平行調ニ短調におさまらない複雑なものである。クライマックスは「すこし情熱的に(poco piu appassionato)」と指示された部分へと到達し、それからソロによる短いカデンツァのようなパッセージへと続き、主題へと戻る。これは形式に通りの再現部である主題が2度演奏された後、ハープと、弦が静かにソロラインの下支えをし、ソロヴァイオリンは和声の上に当たる部分を演奏し、ソロはオーケストラと一緒になる。コーダはヴァイオリンのフラジオレットなどを使用した優美なもので「甘美で静かに("dolce e calmato")」終わる。
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