「現代音楽」と「現代の音楽」の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 23:16 UTC 版)
「現代の音楽」の記事における「「現代音楽」と「現代の音楽」の違い」の解説
現代音楽というと、近代音楽より技法的に進んだ、西欧戦後前衛の実験的な試みを想起される。近代音楽以前の技法を使った新しい音楽をこれと区別する為に現代の音楽(げんだいのおんがく)という用語を便宜上用いなければならなくなった。20世紀以降の世界の放送音楽や教育音楽の需要から、「現代音楽」と「現代の音楽」を区別する必要が第二次世界大戦終了以降強くなった。現代音楽はContemporary Musicと訳せるが、現代の音楽はMusic of our centuryとしか訳しようがない。 21世紀現在では、ポピュラー音楽でも現代音楽でもない音楽を指す言葉として使われる率が高く、商業音楽や実用音楽を直截に指すかどうかも疑わしい。近年のゲームミュージックは機材の進化とともに、徐々にクラシック音楽やポピュラー音楽のかつての姿に近似しており、これらの領域の音楽を好んで作曲する者も「現代の音楽の作曲家」と呼ばれつつある。 ちなみにマチアス・シュパーリンガーは「現代音楽は、他の如何なる形態をとる音楽とも、全てに於いて切り離された存在である」と定義するが、これはドイツ語原文を直訳した為に紛らわしい表現になった。彼の主張は「現代音楽と、現代の音楽は、違う」という、今日の音楽家全員に突きつけられた定義そのものである。
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