「毒」の基準・種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 23:17 UTC 版)
16世紀に活動した医師パラケルススは、「すべての物質は有害である。有害でない物質はなく、用量に依って毒であるか薬であるかが決まる」と説いている。現代の毒性学でも、ほとんどの物質は『多かれ少なかれ毒性がある』とするのが、基本的な考え方である。砂糖や塩とて、大量摂取すれば危険だが、これらは毒とは言わない。毒とは、だいたい後述の毒物や劇物に相当する程度の毒性があるものと考えられている。 日常的に「毒」と称するのは、急性毒性あるいは慢性毒性を有する物質だが、そのほかに発癌性、催奇性、生殖毒性など(特殊毒性と総称する)を有する物質も多く、極端な例としては発生段階に於いて強力な催奇性を示すが、そのほかの毒性(副作用)はごく弱いサリドマイドがある。 毒は恒温動物には備わる例が少なく、変温動物や昆虫類、貝類などに多い。フグ毒は、テトロドトキシンといい、神経電流を遮断するため、心筋を含めた骨格筋を麻痺させる作用がある。フグの種類・部位(各々の組織・器官)ごとに毒性の調査がおこなわれており、いわゆる『谷の日本産フグの毒力表』では部位10グラム以下で致死的なものを猛毒、10グラム以下で致死的にならないものを強毒、100グラム以下で致死的にならないものを弱毒、1000グラム以下で致死的にならないものを無毒と定義して一覧表が用いられてきた。 このため、毒をもつフグであるが、毒を含まない(ないし食用としても問題ない)部位を食用とし、有毒な部位は廃棄する。ゆえにフグの調理には専門知識を必要とし、日本では都道府県の条例で定められたふぐ調理師の免許が無いと、顧客に料理を提供できない。
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