「夜の魚」と「笑わない魚」
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「地を這う魚」の記事における「「夜の魚」と「笑わない魚」」の解説
「夜の魚」は『SFマンガ競作大全集 Part25』(東京三世社、1984年5月)に掲載、「笑わない魚」は『SFマンガ競作大全集 Part28』(1984年11月)に掲載。まとめて「魚シリーズ」と呼ばれる。 ストーリーらしいストーリーはなく、奇怪な生物がうごめきまわる街の中を、あづまが悩みつつさまよう状況をたんたんと描いている。時系列的には『地を這う魚』の後日譚にあたる(作中であづまはすでに独立しており、アシスタントを雇っている)。 『地を這う魚』の登場人物のうち、わへーは「夜の魚」と「笑わない魚」の双方、まっちゃん・わてん・よしみは「笑わない魚」にも登場する。 題名の「魚」については、「吾妻ひでおはもともと魚の形が好きと語っており、魚をスケッチすることが好きだったようだ」という指摘がある。ただし、両作での魚の描き込みは、『地を這う魚』に比べると少ない。 『地を這う魚』は当初、この両作の続編として描かれたものだが、吾妻は第1回執筆後、「以前描いた『魚シリーズ』のような狂気や迫力、恐怖感を出せませんでした。今の自分にはあの続きを描くのは無理のようです」と大塚英志に宛てた手紙に記しており、「実際 なぜむかしは『夜の魚』のようなキ○ガイ漫画を描けたのか分からない」と述懐している。 書誌情報 吾妻ひでお『夜の魚』太田出版(太田COMICS 芸術漫画叢書)1992年9月。ISBN 978-4872330748。 吾妻ひでおの私小説的作品集。伝説的自販機本『少女アリス』や『マンガ奇想天外』掲載作品を収録。あとがき漫画『夜を歩く』(後に『失踪日記』の「夜の1」となる)は本書のための描き下ろし(大塚英志に『夜を歩く』の原稿を宅配便で送ったその足で2度目の失踪)。巻末解説は飯田耕一郎、いしかわじゅん、大塚英志の3人。本書出版当時の顛末については担当編集者の大塚が2005年に行った吾妻インタビューを参照されたい。
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