「内部顧客」という用語の使用に反対する議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 01:26 UTC 版)
「顧客」の記事における「「内部顧客」という用語の使用に反対する議論」の解説
ピーター・ドラッカー、フィリップ・コトラー、 W.エドワーズデミングなどの、経営とマーケティングの分野の有名な著作者たちは、著書の中で内部顧客という用語は使用していない。彼らは、顧客を、社会の中で需要と供給の関係における重要な役割と見なしている。顧客の特徴として、顧客はサプライヤーと従属関係あるものではなく、すべての顧客は、交渉においてサプライヤーと同等の立場にあるとされる。また、ピーター・ドラッガーは「すべての顧客は、サービスや製品の提案を受け入れることも拒否することもできる。」と書いている。 この顧客の特徴に反して、会社の同僚間の関係には常に従属関係がある。会社の従業員は、会社のプロセスに従う義務があり、業務を実行するための部門/同僚を選択する権限がない。会社の従業員は、会社の組織構造と決められたプロセスを前提として既存の部門/同僚の中で振る舞う義務があるため、「内部顧客」の関係性は顧客とは違うとされる。 ITILやシックスシグマの方法論の多くの著者は、内部顧客を、会社内の別部門の成果/アウトプットをインプットとして利用する会社内の部門と定義している。この定義は、顧客とサプライヤの関係よりも適切な説明である。 ピーター・ドラッガーは、組織内に顧客はいないと考えている。彼は「組織内にはコストセンターしかない。小切手が不渡りになっていない顧客が唯一のプロフィットセンターである。」と書いている。ウィリアム・デミングは、彼の9番目のポイントで、マネージャーに「部門間の障壁を打ち破れ!各部門はひとつのチームとして働く必要がある。」とアドバイスしている。これは、企業内では、サプライヤーと顧客の関係ではなく、チームワークが必要であることを意味している。ITILの方法論でも「組織内の2部門の関係は"同僚"という用語が正確である」と認めている。
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