「丹下左膳」の大河内傳次郎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 14:51 UTC 版)
「丹下左膳」の記事における「「丹下左膳」の大河内傳次郎」の解説
「丹下左膳」を演じた役者と聞くと、大河内傳次郎と答える著名人は多く、大河内の訛りの利いたセリフと演技が、同時代人にとっては格別の評価を得ている。山川惣治は「丹下左膳は大河内伝次郎にとどめをさす。あの個性の強烈さは他に例がない」、「私が本当に時代劇に熱中したのは(同じ大河内の)『忠次旅日記』と『丹下左膳』シリーズの大河内であった」、「やがてトーキー時代に入り、あの『およよ、しぇいは丹下、名はしゃぜん!!』という太い、朗々たる伝次郎節を聞いてびっくりしたが、なお好きになった」と語っている。 池波正太郎も大河内の左膳のファンで、「いまの俳優で大河内に匹敵するような人はいない」と語り、菊村到は「一番好きなチャンバラ映画は『百万両の壺』」としている。南博はその「独特のセリフのくせがもたらすここちよいいらだたしさ」と、「それに対して鮮やかなコントラストをなす、明快きわまるチャンバラ・シーン」を挙げ、「やはり伝次郎の左膳が、どんな立ち回りのシーンよりも、あの『姓は丹下、名は左膳』とセリフを言っているシーンが、いつまでも強烈な印象を残す」と述べている。 子供のころチャンバラ映画に熱中したという柳家小さんは、「なんたって大河内の左膳」とこれを推し、自分も大河内の左膳にあこがれて役者になりたい、大河内の弟子になろうかとまで考えたが、鏡を見てやめてしまったと当時を振り返っている。 マキノ雅弘監督による1953年からの『丹下左膳』シリーズは、左膳と大岡越前の二役を大河内傳次郎が演じており、また大友柳太朗の丹下左膳は明朗な浪人として描かれているが、蒲生泰軒役として新国劇で大友の先輩に当る大河内傳次郎が出演している。 左膳を慕う櫛巻お藤役では、大河内と共演した伏見直江が評判が高く、団徳麻呂と共演した原駒子は、1937年に『女左膳』(マキノトーキー)も演じた。
※この「「丹下左膳」の大河内傳次郎」の解説は、「丹下左膳」の解説の一部です。
「「丹下左膳」の大河内傳次郎」を含む「丹下左膳」の記事については、「丹下左膳」の概要を参照ください。
- 「丹下左膳」の大河内傳次郎のページへのリンク