「ポケコンBASIC」が果たした役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 06:34 UTC 版)
「ポケットコンピュータ」の記事における「「ポケコンBASIC」が果たした役割」の解説
プログラミング言語BASICは、簡単な英語の単語を基本としており、プログラミングの入門用に適している。機種間で細かい文法の違い(方言)は多いが、実際の数式に近いフォーマットで記述できる上、プログラムを逐次解釈して実行するインタプリタ型なので、無限ループなどで応答が無くなっても、プログラムが破壊されることはなく、確実に止めることができる。作りかけのプログラムを動かしながら、さらにプログラムを追加していくこともでき、プログラムの作成・改良が容易である。 ポケコンの用途は関数電卓の延長上にあることも多く、現場で必要に応じて即座にプログラムを組む際にもBASICは使いやすかったため、単なる入門者用としてでなく、技術者や科学者が現場で利用する専門分野でも役立った。当時の他のプログラミング言語と比べ、BASICは数式の記述方法が実際の数式に比較的近い部類であるという利点もあった。 しかし、旧来のBASICは一般に構造化命令(→構造化プログラミング環境)を備えていないので、追加に次ぐ追加でプログラムに手を入れていくと構造が煩雑になり、ついには作った本人でさえプログラムが理解できなくなることがある。画面が小さく編集機能が貧弱だったこともあり、いつの間にか訳の分からないものになりがちであった。 このため末期の機種では、教育に於けるプログラミング演習や他の環境に親しんだ利用者のニーズも取り込むべく、ソフトウェア開発で主流となっていた構造化プログラミングへの対応が図られたが、この頃になると携帯用コンピュータはWindowsノートPCが主流となり、ほどなくポケコンはその役割を終えることとなった。しかし、Windows上で動作するインタプリタ型BASICもフリーウェアとして公開されているので、今でも「携帯用コンピュータで昔ながらのBASICを使う」ことは、ポケコンに頼らずとも可能ではある。
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