「フラニー」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 09:10 UTC 版)
晩秋の駅のプラットホームで、女子大生であり自慢のガールフレンドであるフラニーの到着を待つ大学生のレーン。ふたりは大学対校のフットボールの試合を観戦した後に、この週末を一緒に過ごす計画を立てる。ふたりはさっそく気の利いたレストランで昼食を取るが、自己顕示やスノッブ的な振舞いに何の疑問を持たないエリートのレーンに対し、青年らしい潔癖さと、自らの過剰な自意識に悩み、演劇をやめようとさえしているフラニーとの会話は次第にすれ違いをみせ始める。やがて、フラニーは耐えきれずにテーブルを離れ、店のトイレに駆け込み、しばらく泣いた後、バッグから小さな本を取り出し、落ち着きを取り戻す。彼女がテーブルに戻ると、レーンは彼女の持つ本について尋ねる。それは『巡礼の道』という題で、ロシアの放浪者が「絶えず祈る」能力を習得する話だと彼女は説明する。イエスへの祈りは、禅の公案に似た作法で、「主イエス・キリスト様、私に憐れみを」という祈りを無意識でほとんど鼓動のようになるまで内在化する。レーンはその話よりパーティとフットボールの試合の予定を気にしているが、フラニーが失神した時、彼女を介抱し、週末の計画を延期する。彼女が意識を取り戻した後、彼は彼女を宿泊先に送るためタクシーを呼びに行き、フラニーをひとりにする。彼女は絶えず祈る練習をしている。
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