「スター・ナヴィゲーション」を取り巻く諸言説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/04 16:25 UTC 版)
「ウェイファインディング」の記事における「「スター・ナヴィゲーション」を取り巻く諸言説」の解説
オセアニアの伝統的航法術は20世紀初頭から一部の研究者の注目を集めており、1960年代から80年代にかけ、デヴィッド・ルイスやリチャード・ファインバーグ、ベン・フィニー、トマス・グッドイナフ、秋道智彌、須藤健一らによる研究が進んだ。ルイスはタウマコ島やサタワル島、プルワット環礁の航法師を実際に伴っての実験航海を繰り返し行い、これらの航法技術の概要を示した。ファインバーグはソロモン諸島国の域外ポリネシアの口承研究から出発し、オーラル・ヒストリーや社会学的な研究に業績を残した。またベン・フィニーは双胴の帆走カヌー「ナレヒア」「ホクレア」などを建造し、実験考古学の手法を用いて古代ポリネシア人の航海技術を考察した。秋道智彌はサタワル島で3年間のフィールドワークを行い、ウォファヌ(いわゆる「星の歌」)やエタックの概要を明らかにした。須藤健一は同じくサタワル島をフィールドとし、航海術を社会学的に考察した。 1980年代に入ると、ナイノア・トンプソン率いる「ホクレア」が実験航海と先住民の権利回復運動の分野で華々しい実績を上げ、ナイノア・トンプソンが「スター・ナヴィゲーション」の象徴として英語メディアに登場するようになる。 1990年代になると、文化英雄として揺るぎない地位を築いたナイノア・トンプソンの語るソフトなエコロジーは、ニューエイジの思想家・活動家からも注目を集め、日本でも星川淳(翻訳家・現グリーンピース日本事務局長)や龍村仁(映画監督)、内田正洋(アウトドアライター)らがナイノア・トンプソンに接近してゆく。 この流れは2000年代に入るとさらに加速し、折からのハワイ・ブームやロハス・ブームともリンクして、「スター・ナヴィゲーション」を巡る言説は完全にナイノア・トンプソンと「ホクレア」が中心となる。
※この「「スター・ナヴィゲーション」を取り巻く諸言説」の解説は、「ウェイファインディング」の解説の一部です。
「「スター・ナヴィゲーション」を取り巻く諸言説」を含む「ウェイファインディング」の記事については、「ウェイファインディング」の概要を参照ください。
- 「スター・ナヴィゲーション」を取り巻く諸言説のページへのリンク