「よい音」とは
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 17:03 UTC 版)
『瀬川冬樹のステレオテクニック』によれば、「よい音」の条件として、雑音がないこと(S/N比が影響)、音にクセや不自然さがないこと(歪み、周波数特性、ダイナミックレンジが影響)、分解能(個々の音を描き分ける能力)が高いこと、ステレオ再生の場合はさらに、音像の定位、距離感、臨場感(クロストークや位相特性が影響)に優れていることが挙げられている。 基本的には生で聴く音楽の音の感じにどこまで近づけるか、言い換えれば「原音再生」が理想とされる。音楽再生の方法論としては、録音された音をできるだけ損なわずに鳴らそうとする高忠実度再生=Hi-Fi(High Fidelityの略)を指す。一方、1950年代ごろのイギリス音響界でハイ・フィデリティについて議論が繰り返されていたころに生まれたのが、グッドリプロダクションという考え方である。これは、オーディオを通じて再生する以上、その音はあくまでも「生に似た感じ」であって、生の音そのものではあり得ないとする立場で、忠実度よりもむしろ耳に快い、美しく聴き心地のよい再生音を目ざそうとする方向である。 なお、どういった音が「生の音」かについては、それぞれの主観による見解の相違がある。オーディオ評論家の長岡鉄男と江川三郎が、それぞれ自分の追求する音を生の音に近いとし、相手の追求する音を人工的に手を加えた音と評していたのは、その一例である。
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