《宇宙都市》シリーズ
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「ジェイムズ・ブリッシュ」の記事における「《宇宙都市》シリーズ」の解説
ブリッシュの最も有名な作品が《宇宙都市》シリーズで、アスタウンディング誌に連載された。4つの長編小説の1作目『宇宙零年』でシリーズの基本的枠組みが示されており、シリーズの根幹となる2つのアイデアが登場している。1つは抗老化薬アスコマイシンで、それを開発したフィッツナー社は明らかにブリッシュが働いていたファイザー社を意味している。2つめは「スピンディジー」という反重力機関の開発である。この機関は浮上させる対象が大きいほど効率がよくなるため、都市全体が地球から去って宇宙へと旅立ち、テクノロジーの比較的発達していない星で仕事を捜しつつ旅をすることになる。星間旅行は非常に時間がかかるため、寿命を延ばすアスコマイシンは必須だった。 『宇宙零年』はマッカーシズム時代によく見られたディストピア小説である。2作目の『星屑のかなたへ』は浮遊都市における少年の成長物語である。3作目の『地球人よ、故郷に還れ』は浮遊都市となったニューヨーク市の冒険を描いたもので、後にアメリカSFファンタジー作家協会によりネビュラ賞開始以前のベスト中長編の1つに選ばれた。 シリーズ最後を飾る4作目の『時の凱歌』で、ブリッシュは宇宙の終わりを紀元4004年に設定した(なお、初版では設定が異なっていた)。《宇宙都市》シリーズは1979年に映画化が進行していたが、結局実現しなかった。 なお、執筆順は上述した物語の順序とは異なり、『地球人よ、故郷に還れ』が最初である。
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