交感神経α受容体遮断薬
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 01:31 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動交感神経α受容体遮断薬(こうかんしんけいあるふぁじゅようたいしゃだんやく、alpha-adrenergic blocking agent; alpha blocker)とは、交感神経のアドレナリン受容体のうち、α受容体に対して遮断作用を示す薬剤のことである。主に高血圧・尿路結石・前立腺肥大による排尿障害などの治療に用いられている。
α受容体
アドレナリン受容体のうち、イソプロテレノール感受性が低いグループをα受容体と分類した。内因性のリガンドとしてアドレナリンおよびノルアドレナリンが存在する。1型および2型に大きく分類され、いずれもG蛋白質共役受容体である。
- α1受容体
- Gq/11蛋白質結合型である。リガンドが結合すると、細胞内のホスホリパーゼCを活性化することによりイノシトールトリスリン酸(IP3)およびジアシルグリセロール(DG)の産生を介して細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させる。α1受容体への刺激は血管平滑筋の収縮を引き起こし、血圧の上昇に関与する。
- α2受容体
α受容体遮断薬
- α1・2受容体非選択的遮断薬
- フェントラミン (Phentolamine)
- トラゾリン (Tolazoline)
- 非競合的α受容体非選択的遮断薬
- フェノキシベンザミン (Phenoxybenzamine)
- ダイベナミン (Dibenamine)
- α1受容体選択的遮断薬
- α2受容体選択的作動薬
- α2受容体選択的遮断薬
- ヨヒンビン (Yohimbine)
- 麦角アルカロイド
- αおよびβ受容体非選択的遮断薬
- ラベタロール (Labetalol)
- アロチノロール (Arotinolol)
- アモスラロール (Amosulalol)
関連項目
- 術中虹彩緊張低下症候群 - α受容体遮断薬の副作用の1つ。
- 交感神経β受容体遮断薬
α受容体遮断薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 19:12 UTC 版)
詳細は「交感神経α受容体遮断薬」を参照 α受容体の遮断薬には非選択的にα受容体を遮断するものと選択的にα1受容体のみを遮断するものが存在する。非選択的遮断薬であるトラゾリンおよびフェントラミンはα2受容体に対しても阻害作用を示すことから、α2受容体を介した抑制的フィードバックが外れ、シナプス前膜から神経伝達物質であるノルアドレナリンの放出が促進される。このノルアドレナリンが循環血中を回り心臓などへ辿りつくとβ受容体の刺激を引き起こし、副作用の原因となる。一方、α1受容体の選択的な遮断薬はα2受容体遮断作用を持たないことからこのような副次的な効果をもたらしにくい(副作用がないというわけではない)。 αブロッカーには心血管系の抑制効果が報告されていないため、高血圧治療薬の第一選択にはならない。しかし脂質代謝やインスリン抵抗性を改善するため脂質異常症、メタボリックシンドロームを伴う高血圧では併用薬として用いられることが多い。早朝の血圧上昇が心血管系イベントに関連し、その上昇に交感神経の亢進が関与するとされており早朝高血圧に対してドキサゾシン(カルデナリンなど)が使用されることが多い。また前立腺肥大が合併している時も好まれる傾向がある。カルデナリンの場合、アドビアランス不良の原因となるのが起立性低血圧の副作用である場合が多く、高齢者での使用では注意が必要である。カルデナリンの維持量は1日1〜4mg(分1)であるが0.5mgから開始し、徐々に増量していく。起立性低血圧は出現しても数日後に自然消失することも多いが、転倒のリスクがある患者では注意が必要である。 トラゾリン(Tolazoline) フェントラミン(Phentolamine) ドキサゾシン(Doxazosin カルデナリンなど) プラゾシン(Prazosin ミニプレスなど) ブナゾシン(Bunazosin デタントールなど) テラゾシン(Terazosin) ウラピジル(Urapidil)
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