長野県長野高等学校 概要

長野県長野高等学校

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/18 15:56 UTC 版)

概要

郡立中学として開設され、県立中学校に移管の際は3つの支校を持つ県下で唯一専任校長の常勤する本校となったが、県立師範学校と旧制中学校のどちらを地元の長野町に優先して残すかについての松本町との駆け引きで複雑な前史がある(後述)。

同窓会館であり、普段は生徒の学習室などとして利用される金鵄会館(旧南校舎)は、国の登録有形文化財に登録されている。なお、金鵄会館には、同窓会事務局のほか、長野県高等学校体育連盟の事務局も置かれている。

校章

金鵄」(きんし)に高の文字。1949年昭和24年)制定。

1948年(昭和23年)4月に長野北高校が発足した際に帽章が新たに作成されていたものの、生徒の了解なしに作られたといった理由で評判が悪く改めて作り直すことになり、東京美術学校(現東京藝術大学)の生徒から図案を懸賞募集し、北高校の生徒の投票によって現在の校章となった。[1]

校歌・応援歌

  • 校歌(山また山)
    • 旧応援歌の一つであった「金鵄の光」を改名して編曲して制定された。編曲者は旧制長野中学校OBの草川信である。
    • かつては海ゆかばが校歌のように歌われていたが、GHQの指導により現在の校歌に変更された。さらにそれ以前は「大和心」が校歌であった。
  • 南下軍
  • 立てや吾等が選手
  • 日新鐘の歌
  • 暁鐘の歌
  • 見ずや春風(野球部歌)
  • 凱歌

沿革

年表

  • 1883年明治16年)6月1日 - 上水内郡立中學校として開校。小早川潔が校長に就任した。
  • 1884年(明治17年)9月 - 長野縣中學校長野本校となる。小林有也(大阪府士族)が長野町の長野本校に校長として赴任。
    • この時期の名物教師としては、地理学者として著名な志賀重昂が挙げられる。小林校長の姉の結婚相手の豫備門長や私立日本中学校長も歴任の杉浦重剛も加わる政教社のメンバーとともに「雑誌日本人」を発行。その表紙に描かれた意匠の蜻蛉は平家物語にも記述のある「日本蜻蛉州」が由来であり、また戦国武将に甲冑の前立や刀装、刀装具など武具の意匠として愛された。後に蜻蛉が県立中学校(現松本深志高等学校)の校章となった経緯には彼の影響力も大きい。「日本の代表的中学校」になろう…との意味が込められたと云われている。ジャーナリストとしても活躍の後、世界旅行に。地理学者としての実地経験を豊富に体得して帰国した[要出典](愛知県岡崎市には地元の著名人として銅像がある)。
  • 1886年(明治19年)9月 - 1府県1中学校制により長野、松本、上田、飯田の本支校を全て松本に移し長野縣尋常中學校(5年制)と改称。既に長野に移転した松本の旧県立師範学校舎に移転[注釈 1]。柳町校舎を本館とし旧松本支校の松本城二の丸校舎は、寄宿舎・農業科・商業科などとされた。
  • 1888年(明治21年)松本大火により本館(柳町校舎)焼失のため二の丸校舎へ統合移転。翌明治22年に掛けて二の丸校舎は増改築された。
  • 1893年(明治26年)5月1日 - 1府県1中学校制の廃止により一本校三支校制が復活。松本を本校とし、長野、上田、飯田に支校を設置。長野支校は長野町城山の皇典講究所の敷地に設置された。
  • 1893年(明治26年)9月 - 西長野町に校舎を新築、長野支校が移転。
  • 1897年(明治30年) - 長野市が市制施行。
  • 1899年(明治32年)4月1日 - 長野縣尋常中學校を長野縣立松本中學校(飯田支校含む)に、長野支校が上田支校を伴い長野縣立長野中學校と改組し独立[注釈 2]。長野中學校には、帝國大学文科大學を卒業した旧新発田藩士で新潟県士族の三好愛吉が校長に就任、金鵄の校章を定める(松本中學校は小林有也がそのまま終身校長を務める)。
    • 三好はその後旧制第二高等学校東北大学)教授・校長に栄転、皇子傅育官長として皇太子時代の大正天皇と皇子の高松宮、秩父宮の教育にあたる。旧制二高の校長時代には21世紀の現代の東北大学卒業式に於いてさえ、彼の英名と共に総長告示に引用される東北大学の学風「野心(のごころ)」を確立させるなど、短い在職期間に次々と類稀なる教育者としての高邁な理想を示した。また晩年には東京帝國大學に印度哲学科の創設を実現させ、安田財閥の安田善次郎に東大の大講堂の寄付を要請し、両名の逝去の後関東大震災を挟んで「安田講堂」が遂に竣工の運びとなった。一方、小早川潔校長は、その後鳥取、岩手、茨城県尋常師範学校長など全国各地の師範学校長や滋賀県立彦根中学校長を歴任し、初等教育者の育成や中等教育に多大な尽力をした。
  • 1907年(明治40年) - 松本市が市制施行。
  • 1920年大正9年)4月23日 - 中学校令改正の影響で、長野縣令38号により長野縣長野中學校に改称。
  • 1920年(大正9年)8月 - 第7回全国中等学校優勝野球大会に出場。
  • 1940年昭和15年)4月16日 - 長野中学校は現在地に新校舎が落成し、移転。新校舎は「興亜型」と呼ばれ、俯瞰すると馬蹄形で、校舎全体が金鵄の飛翔を現す(このタイプの建造物で現存は津田塾大学本館など)。
    • この年、長野市立中学校が栗田丘キャンパスに開校(後の長野市立高等学校、長野北高校に合併)。
  • 1947年(昭和22年)3月 - 校歌が海ゆかばから応援歌の1つだった通称「山また山」に変更。
  • 1948年(昭和23年)4月1日 - 学制改革により、長野県長野中学校が長野県長野北高等学校となり、長野市立中学校が長野市立高等学校となる。
  • 1949年(昭和24年) - 長野県長野北高等学校が長野市立高等学校を統合。
  • 1957年(昭和32年)4月1日 - 長野県長野高等学校に改称、文化祭名も「北高祭」から「金鵄祭」に改称。[注釈 3]
  • 1962年(昭和37年)8月 - 野球部が第44回全国高等学校野球選手権大会に出場。
  • 1969年(昭和44年)
    • 10月6日 - 生徒大会にて制服自由化承認。
    • 10月22日 - 政治活動の自由を求める生徒の一部が校舎を占拠[2]
    • 10月27日 - 職員会議にて、11月1日から服装規定を廃止し、昭和44年度末までを試験期間とする決定を下す[3]
  • 1982年(昭和57年)3月 - 第54回選抜高等学校野球大会に出場(選抜初出場)。
  • 1985年(昭和60年)3月 - 第57回選抜高等学校野球大会に3年ぶり2度目の出場。
  • 1994年平成6年)2月14日 - 新校舎において授業開始。
  • 1996年(平成8年)11月19日 - 公式ホームページ開設。
  • 1999年(平成11年)10月30日 - 創立100周年記念式典が挙行される。
  • 2003年(平成15年)4月8日 - 金鵄会館が国登録有形文化財に登録される。
  • 2014年(平成26年)4月 - スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定(2019年(平成31年)3月まで)。

教育方針

55分授業×6限である。ただし、スーパーグローバルハイスクール(SGH)への指定により、B週月曜日は50分授業×7限である。


注釈

  1. ^ 長野本校には6年制の高等中学科と後述の初等中学科が併設され、上田・飯田・松本支校には4年制の初等中学科が設置されていたが統廃合された。
  2. ^ 第二次中学校令公布で1府県に2県以上の公立中学校の設置が奨励されたため。
  3. ^ 1957年3月に卒業した学年が最後の長野「北」高校卒業生であることから、この代の同窓会は特に「北ラス(ペイラス)会」と称した。

出典

  1. ^ 『長野高校百年史』長野高校同窓会百年史編集委員会編,長野高等学校同窓会.1999,p163-164&
  2. ^ 「高校紛争全国に広がる2ヵ月間で49校も」『朝日新聞』昭和44年(1969年)10月28日朝刊、12版、15面
  3. ^ 『長野高校八十年史』長野高校八十年史刊行会編,長野高等学校同窓会.1980,p992-p993
  4. ^ 2022年3月 進路状況 (PDF) 長野県長野高等学校
  5. ^ 『信濃の春秋』長野郷土史研究、1996年11月17日、218頁。 
  6. ^ 「ながの人模様」『長野市民新聞』、2006年4月6日。





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