西側諸国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/17 03:56 UTC 版)
東欧の西側陣営
これを受けて、アメリカのハリー・S・トルーマン大統領はトルーマン・ドクトリンを発表。イギリスに代わってギリシャに対して支援を行い、加えてトルコを資本主義陣営に留めることを宣言。両国に大量の資金援助を行い、東側陣営化するのを防いだ。
これらの国は1952年にNATOに加盟した。特にトルコは、現在でも中東にアメリカが軍事介入するときは在トルコの米軍基地が大きな役割を果たしており、欧州連合(EU)加盟を目指すなど、強固な「西側国家」である。
西欧・中欧
NATOは1949年に西欧・北アメリカの13ヶ国が参加して出来た軍事同盟であり、各国は攻撃にさらされた場合共同で参戦する義務を負っている(集団的自衛権)。
1966年にフランスがド・ゴール主義の下でNATOの軍事機構を脱退し欧州連合軍最高司令部がパリから移転を余儀なくされるなどの事件もあったが、EUなどもあわせて考えると基本的には蜜月といってよい関係にある。
西欧・中欧で東西の軍事機構に参加していない国は、アイルランド・スイス・オーストリア・スウェーデンの中立宣言を行うなどで非同盟政策をとった国々。特に北欧諸国の政策を合わせてノルディックバランスと言う。ただしスウェーデンは、冷戦終結後、NATOとの協力関係にあったことが明らかとなっている(武装中立)。実態としては、同盟関係はなくともスウェーデンは西側寄りであったと言える。そして2022年にスウェーデンとフィンランドはNATOに加盟を申請した。
南北アメリカ大陸
南北アメリカ大陸の各国の多くは、既に第二次世界大戦末期に連合国として参戦しており、アメリカ軍に基地を提供するなどをしていた。
南米諸国の多くは戦後の1948年に結成また締結された米州機構(12月)と米州相互援助条約(4月)に参加して親米国家となり、西側に属してアメリカの「裏庭」と呼ばれた。親米政権が革命や総選挙で倒れる場合もあり、こうした時には“ドミノ理論”を唱えるアメリカの政治あるいは軍事的介入が行われることが多かった(ピッグス湾事件・コントラ戦争・チリ・クーデター・グレナダ侵攻・パナマ侵攻など)。
キューバではキューバ革命で親米政権が倒れて共産主義体制が誕生し、1962年にはソ連がキューバに核ミサイル基地を建設しようとしてアメリカがこれを阻止するためにカリブ海でキューバの海上封鎖を行い、米ソの緊張状態が高まったキューバ危機が発生している。
21世紀に入り、メキシコ以南の中南米諸国はアメリカのこうした覇権主義に反発し、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体を結成している。
注釈
- ^ 出典原文の和訳:
出典原文:
Two victorious nations, the United States of America (US) and Soviet Union, emerged as super powers and became the leaders of the global political arena. [...] the Western Bloc represented capitalism, democracy, human rights, freedom of expression. The major organization of the Western Bloc was NATO, established on April 4,1949, with twelve founding members[3]. - ^ 出典原文の和訳:
出典原文:片方は、合衆国と同盟している産業化された資本主義諸国で、西側諸国と呼ばれており、自らを「自由世界」または「西側世界」と好んで呼んでいる。〔中略〕
第一世界という用語は、一般的にNATOおよびアメリカと同盟している先進的で、資本主義的で、産業的な諸国を指している。この諸国は、第二次世界大戦後にアメリカ合衆国と同盟したのであり、多かれ少なかれ共通の政治的で経済的な利益を持っていた。この諸国に含まれていたのは、北アメリカや西ヨーロッパ諸国、日本、韓国、オーストラリアである。On one side were the industrialized capitalist nations aligned with the USA, called the Western Bloc, which likes to call itself the "Free World" or the "Western world."[2] [...]
The term First World refers to the developed, capitalist, industrial countries, generally aligned with NATO and the USA. The bloc of countries aligned with the United States after World War II, which had more or less common political and economic interests, this included the countries of North America and Western Europe, Japan, South Korea, and Australia[4].
出典
- ^ a b 精選版 日本国語大辞典、大辞林 第三版「西側」コトバンク
- ^ a b c d Nations Online Project 2023, p. 「Worlds within the World?」.
- ^ a b c Altınörs 2020, p. 7.
- ^ a b Nations Online Project 2023, p. 「Definitions」.
- ^ AFP BBnews NATO事務総長、中ロの関係強化に警鐘2023.2.18
- ^ 毎日新聞 佐々江賢一郎・元駐米大使「プーチン氏は勝利しない 中長期的な戦略ビジョンで交渉を2023.2.18
- ^ BBCNews「【解説】 なぜ中国はウクライナをめぐる人気取り作戦に出たのか」2023.2.26
- ^ 時事通信 「西側、狙いはロシア解体 「団結」が勝利の条件―プーチン氏」2023.2.27
- ^ ロイター「中ロシア高官が会談、協力と関係深化巡り協議 西側に対抗へ」2023.2.24
- ^ 東京新聞「<社説>ウクライナ侵攻 和平の道筋を探らねば 」2023.2.24
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