目玉おやじ 妖術・技

目玉おやじ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 04:06 UTC 版)

妖術・技

病に蝕まれて衰弱し、一度は死亡し肉体を失ったが、目玉だけで蘇るなど幽霊族特有の強い生命力・霊力を持っている描写がある。時には鬼太郎が不覚を取るほどの強敵を倒すこともある。アニメシリーズ第5作では通称「七つの最強伝説」を持っており、第90話「新年大暴走!!鬼太郎火車」では、鬼太郎ですら一方的に倒されてしまう強豪の火車を、鬼太郎自身が「世にも恐ろしい方法」と青ざめ震え上がるほどの手段で倒して更生させた事もあるという(そのため、火車はこの件で目玉おやじにだけは頭が上がらなくなった)。

体内戦術

その体の小ささを活用し、敵に呑み込まれたり自ら体内に侵入したりして内部から攻撃する。

脳操縦
敵の脳に侵入して操る。貸本『顔の中の敵』でねずみ男に初使用。『地上絵の秘密』では大悪魔ルキフェルをもこれで手玉に取った。
貸本時代は侵入された者の頭部にやおできのような物が現れているが、雑誌連載開始以降はなくなった。
鬼太郎も『妖怪獣』の大なまずなど、巨大な敵に対して同様の技を使うことがある。

他にも、

  • 顔のあらゆる穴から顔を出して撹乱させる(『下宿屋』『夜叉』など)
  • 胃や心臓などに穴を開ける(『血戦小笠原』『水精』など)
  • 喉を塞いで窒息させる(『決闘コロセウム』など)
  • 他者の体内に寄生している敵を撃退する(アニメ第3期劇場版第1弾、第5期第60話など)
  • 全身に香辛料をまぶした上から砂糖で固めて菓子に化け、食べた敵にくしゃみをさせる(『ガマ妖怪』)

などのバリエーションがある。

肉体変形技

逆モチ殺し
『逆モチ殺し』(アニメ第2作第23話「逆餅殺し」)にて、火車(体は鬼太郎)に「モチ殺し」で餅につき込まれた際に使った反撃技。餅の中で目玉部分を尾を引いて飛ぶ多数の目玉餅に分身変化させ、火車を追いかけ包み込み、鬼太郎の体の奪還に成功した(原作や第2作ではねずみ男、第3作では一反木綿が逃げようとした火車の魂を捕まえ、火車の体に戻すことで鬼太郎の魂も戻った。第6作ではおやじが火車の魂を投げ返すことで、火車に入れ替えられていたねずみ男や猫娘の魂も戻った)。戻った火車は降参した(第3作・第6作では元に戻った火車は改心せず、前者ではユメコの体を奪おうとしたため鬼太郎に倒され、後者では人間と入れ替わり逃亡した)。アニメ第2作によると1度使う毎に命が5年縮むという。
アニメ第4、5作では未使用(第4作では鬼太郎が餅に魂を移して火車を包む。第5作では鬼太郎が蒼い顔で原作や歴代アニメでの「逆モチ殺し」を使った可能性の暗示をさせているが、「父さんはかつて『世にも恐ろしい方法』で火車を懲らしめた」と語るのみで、具体的な技の明言はしていない)。
フロシキ目玉
『死神』(アニメ第2作第30話)にて、死神に宇宙旅行と称して大砲で打ち上げられた際に変化。普通の生物なら粉砕される所だが、目玉おやじはフロシキ状に膨張、鬼太郎の魂を奪った死神を包み捕らえた。アニメ版初披露の第2作では、死神を退治すると同時に気合を込めて元の目玉おやじ形態に戻っている(原作では砂かけ婆の台詞から、山彦の若返りマッサージで戻ったであろうことが示唆され、第3作では砂かけ婆が何らかの処置をしている描写がある)。
『妖怪千物語』第27話では自分の意志でフロシキ化、鬼太郎を追う天狗ポリスを足止めした。この形態は3分しか持たない。
隙間を抜ける
鍵穴(アニメ第2作第33話)や水道の蛇口(第5作第54話)のように目玉の大きさでも無理そうな狭い隙間を潜り抜けることも出来る。第3作第49話ではこれが災いして、密室殺人の容疑をかけられそうになった。

まぼろしの汽車

『まぼろしの汽車』(アニメ第2作第25話)にて使用。時を遡る汽車を召喚し、乗った者の状態を過去に戻す。吸血鬼ピーに吸血鬼にされた鬼太郎や村人達をこれで元に戻した。この術は親が子を思う強い心があってこそ可能だが、「逆モチ殺し」よりさらに消耗が激しく、1ヶ月は起き上がれないほどのダメージを受ける上に[7]寿命が10年縮む[8]。使用後に目玉は倒れ、鬼太郎が悲しい表情で搬送しており、次回まで入院する破目になった[注釈 5]。アニメ第3、4作ではこの汽車は閻魔大王の管理下にあり、使用者が消耗する様子は見られない。第4作劇場版では過去や未来、別の空間など、どこにでも行くことができるという設定。地獄に落とされた西洋妖怪が乗っ取り、暗黒空間で世界中の妖怪を支配するパワーを手に入れようとしたが、鬼太郎達によって西洋妖怪共々地獄に送還された。第6作では乗った者が記憶を持ったまま過去に戻り、召喚した者や汽車の存在を他者に明かした者は命を失う設定で、目玉おやじはねこ娘にピーによる吸血鬼蔓延を回避させることを託し、その場では消滅したが、ねこ娘が過去改変に成功して「汽車を使わなかった」ことになり生存している。

その他の術・武器

霊素
『目目連』(アニメ第2作第32話)にて、目目連の幽素で石化した鬼太郎に必死で吹き付けた。どのようなものか、詳しい説明はない。ここでは幽素と霊素が混じったため(アニメ第3作版では霊素の量が不十分だったため)、鬼太郎は幽霊になり、目目連を倒した後で別の処置を施し元に戻った。アニメ2作では猫娘が「何だか『幽霊の素』みたい」と感想を述べている。
妖力波放射
アニメ第4作で使用。自らの妖気を電気またはオーラのような形状のエネルギーにして発射する。攻撃や防御の他、味方の補助にも応用は可能。目玉おやじの場合は両手から電流を発射し束ねて放射する(第4作77話「海和尚と船幽霊」)。この時は、夜行さん達と共に妖気で作られた海流を逆回転させる事に使われた。
縫い針のような針や釘で敵の急所などを突く(針を持ち歩いたりしているような描写は特に無いが、アニメ第2作6話ではゲゲゲハウスのはしごに出ていたを、第5作60話では鬼太郎の髪の毛針を借用している)。『妖怪大戦争』では敵の大将バックベアードをこの技で倒している。また、『奪衣婆』では又五郎鬼から借りた「金剛針」で奪衣婆の術具「万有自在玉」を破壊、無力化した。
魂の離脱
精神を集中することで魂を肉体から分離して行動する。『獏』にてに吸われた鬼太郎のを奪い返すために使った。
耳電話
耳の中にあり、遠く離れた仲間とも会話できる[9]。似た術として、『釜なり』『海坊主先生』などでは「霊波通信」を使っている。
3つの願い(?)
貸本『ないしょの話』ではねずみ男が「目玉には3つの願いを叶える力がある」と語り、それを聞いた山田一郎の両親は一郎が保護した目玉に願いをかけた。目玉を迎えに来た鬼太郎はこの能力を否定しているが、結果として願いは3つとも叶ったため、山田夫妻は信じ続けている。
指鉄砲
アニメ第6作第14話で、夢の世界で枕返しの術と鬼太郎を守りたいという強い想いによって、一時的に生前の姿になった時に使用。鬼太郎が主に右手を左手で支える構えで撃つのに対して、右手のみで構えて撃つ。同作第12話終盤で鬼太郎が犬山まなの手に宿った要石の力を得た際や、第37話で鬼太郎の怒りに同調し赤く染まった霊毛ちゃんちゃんこから霊力を供給された際に撃ったものとほぼ同じ描写であるが、鬼太郎の指鉄砲は妖怪を完全に倒すものであり、目玉おやじの指鉄砲は妖怪が今後悪さが出来ない様に持っている道具を破壊するだけに留めており(受けた妖怪自身は倒されずに残っている)、それぞれ用途が異なる。
第6作第48話では現在の姿で、鬼太郎を押し潰そうとする名無し虚無の手に向けて(この時は鬼太郎と同じく右手を左手で支える構えで)放つ。その衝撃で鬼太郎は近くのビル屋上まで飛ばされ難を逃れるも、名無し虚無はノーダメージで発射後の隙に目玉おやじのいた所は名無し虚無の掌打で潰された。97話でもあらざるの地から鬼太郎を呼び戻す際、妨害を防ぐために臨戦態勢で発射準備をした(実際の所は鬼太郎が戻ってきたため未使用であった)。
八角円
アニメ第6作78話で使用。各所に呪文が書かれた八角形の円陣を描く。その中に入ると外にいる妖怪からは姿も見えず、声も聞こえない。なお、少しでも消されると逆に見えてしまい、聞こえてしまう。

注釈

  1. ^ 「わしは鬼太郎の父親じゃ」「わしは目玉おやじじゃ」などとしか自称しない。
  2. ^ ワンカップ風呂、湯飲み風呂、皿風呂、鍋風呂、カキ氷風呂、イチゴパックを使った炭酸水プール、砂風呂、泡風呂、風呂、甘酒風呂、柚子風呂、紅茶風呂(お気に入りは猫娘が持ってきたアールグレイ)、コーヒー風呂、トウモロコシ茶風呂、玄米茶風呂、ほうじ茶風呂などがある。
  3. ^ 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』では生前の姿で温泉に浸かる場面もあり、この頃から風呂好きだったと描写されている。
  4. ^ 担当声優の田の中は「食べたところを見たことがない、一度たくさん食べてるところを見たい」と語っており、第5作で叶っている。
  5. ^ 原作初出時で次回に当たる『赤舌』終盤で現れ「わしが妖怪病院に行っている間に…」との台詞から、この時まで入院していた模様。
  6. ^ 目玉おやじの話癖で長引きそうなので、この時はねこ娘が途中で切り上げさせた。
  7. ^ 避難しつつ協力した枕返しは自分の身を守ることに精一杯の状態であったため、その姿を確認したかは定かになっていない。
  8. ^ 本作では鬼太郎も目玉おやじの元の体について、どんな容姿だったかは14話まで聞かされておらず、仲間の妖怪たちは鬼太郎が生まれる何百年も前から目玉おやじと旧知の仲なので、砂かけばばあをはじめ大半の者が当時の姿を知っているが、鬼太郎と同世代のねこ娘は、単に見たことが無いだけでなく目玉おやじに昔は元々の体が存在していた事すら14話で聞かされるまで知らなかった。
  9. ^ それでも現代の放送倫理を考慮し、原作よりは抑えた表現になっている。例、貸本版「あいつは二回も脳まくえんやってんだから」→マガジン版「あいつぁ頭がおかしいんだ」→墓場アニメ版「あいつぁおつむがモケケのケだ」等。
  10. ^ 島田は子泣きじじいとぬりかべの二役を改めて担当することとなった。
  11. ^ クレジットは「田の中勇」と表記され、大竹の名前はゲストに表記されている。

出典

  1. ^ 水木しげる『鬼太郎国盗り物語(1)』 角川書店角川文庫〉 2007年、119頁。ISBN 4-041-92920-2
  2. ^ フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 1』講談社、2003年。 
  3. ^ 小学館『鬼太郎大百科』で水木しげるが描き下ろした体内図解イラストや鬼太郎茶屋にあるキャラクター紹介パネルより。
  4. ^ 水木しげる 『水木しげる 鬼太郎大百科』 小学館、2004年、58頁。ISBN 4-092-20322-5
  5. ^ 『水木しげる 鬼太郎大百科』 36頁。
  6. ^ ライブドアニュース、2005年5月27日0時4分「ファンキー通信」”. 2016年10月26日閲覧。
  7. ^ 水木しげる 『電子書籍番 鬼太郎大全集 14』 水木プロダクション、94頁。
  8. ^ 『電子書籍番 鬼太郎大全集 14』 247頁。
  9. ^ 『水木しげる 鬼太郎大百科』 39頁。
  10. ^ a b c d e ゲゲゲの鬼太郎 DVD-BOX1 2007TVシリーズ SPECIAL BOOKLET 11ページ
  11. ^ a b c d e f g h i j k 田神健一・奥津圭介・中村亜津沙編 『アニメ版 ゲゲゲの鬼太郎 完全読本』 講談社、2006年、16-17頁。ISBN 4-062-13742-9
  12. ^ 第6期2話
  13. ^ アニメ6期13話
  14. ^ a b 新作「ゲゲゲの鬼太郎」“二代目”目玉おやじ役に野沢雅子 アニメ化50周年記念,デイリースポーツ,2018年1月19日
  15. ^ ゲゲゲかわら版”. 『ゲゲゲの鬼太郎』のスタッフによる公式ブログ. 東映アニメーション. 2013年8月31日閲覧。
  16. ^ 『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』ジバニャン役に黒田崇矢さん、ねずみ男役に大塚明夫さん決定! 待望の本予告映像が解禁- アニメイトタイムズ(株式会社アニメイトラボ)” (2017年10月27日). 2017年10月27日閲覧。
  17. ^ “「「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」鬼太郎の父役に関俊彦!キャスト14人発表、不穏な予告編も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年9月6日). https://natalie.mu/comic/news/539793 2023年9月6日閲覧。 
  18. ^ 『アサヒグラフ別冊 美術特集 西洋編7 ルドン』、朝日新聞社






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