無敵超人ザンボット3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 01:17 UTC 版)
登場メカ
神ファミリー側
メインメカであるザンボット3とキング・ビアルが建造されたのは本編の150年前で、『勇者ライディーン』や『伝説巨神イデオン』などと同じく、主人公たちが生まれるよりはるか前という設定になっている。
コンピュータードール第8号によれば、恒星カペラの第4惑星ビアル星がガイゾックに滅ぼされたのは本編の約200年前で、その後バンドックは眠りについたとされる。兵左衛門によれば、母星を破壊されたビアル星人たちが軌道上の巨大宇宙ステーションにてキング・ビアルをはじめとする移民船を建造し、新天地を目指した。そのうち約150年前に地球に辿りついた星人の末裔が神ファミリーとされる。
第20話では神ファミリーによってキング・ビアル(ビアルI世、ビアルII世、ビアルIII世)とザンボット3(ザンバード(ザンボ・エース)、ザンブル、ザンベース)の設計図が政府に渡されており、量産計画も進められている事が明らかとなったが、バンドックとの最終決戦には間に合わなかった。なお、主役メカに量産計画が持ち上がるエピソードはアニメでは本作が最初である。
ザンボット3
ザンボット3 Zambot 3 | |
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分類 | スーパーロボット |
所属 | 神ファミリー |
設計 | ビアル星人 |
開発 | ビアル星人 |
製造 | ビアル星人 |
建造 | ビアル星人の宇宙ステーション |
生産形態 | ワンオフモデル |
全高 | 60.0m |
重量 | 700.0t |
動力源 | イオンエンジン |
最高飛行速度 | 不明 |
武装 | ザンボットグラップ ザンボットカッター ザンボットブロー ザンボットバスター レゴン |
技 | アームパンチ バスターミサイル ブルミサイル ザンボット十文字切り |
必殺技 | ザンボット・ムーンアタック イオン砲 |
乗員人数 | 3人 |
搭乗者 | 神勝平 神江宇宙太 神北恵子 |
ザンバード、ザンブル、ザンベースの3つのメカが「ザンボット・コンビネーション」で一つになった形態。頭頂高(三日月頂点まで)60m、重量700t、出力3000万馬力。なお、講談社の『テレビマガジン』1977年11月号で紹介された際は「全長60メートル、重量10万トン、出力10万馬力」とされていた[注釈 12]。
多様な武器を搭載。初登場は第3話。3機が合体することで完成するイオンエンジンによって動く。「ビアルI世のエネルギーではイオン砲を稼動させるには不足」と語っており、瞬間的なエネルギー総量はビアルI世を上回る模様。合体時のメイン操縦はザンバードで、サブコントロールはザンブルとザンベースで行う。
なお、この機体と分離形態の3機の操縦には「若い反射神経」が必要とされ、子供がロボットのパイロットを務めることの理由付けとなっている。また3人には半年間に及ぶ睡眠学習によって各マシンの操縦法がレクチャーされていたと同時に、恐怖心が取り除かれていたことが明らかとなる(第20話)。合体時の「ザンボット・コンビネーション! ワン!」の号令は勝平で、「ツー!」を宇宙太、「スリー!」を恵子がコールする。「ワン!」については第15話と第20話以降は千代錦がコールしている。
潜水の限界深度は約7000mと第18・19話で判明している。ただし、バンドック攻撃のため、限界をはるかに超える9500mまで潜水しているが、機体が水圧に耐えきれず、コクピット内に浸水するなどしていた。 劇中ではたびたび苦戦を強いられているが機体自体は非常に頑丈で、第17話ではヒラヤンガーの攻撃によってエネルギーパイプが破損、最終話ではビアルI世のミサイル(幻覚による誤射)とバンドック砲を除き機体が欠損したことがない。
バンドックとの最終決戦の際、手足を失うなどの甚大な被害を受けたため、ザンバードのみを強制的にコンビネーション・アウトし、宇宙太と恵子は命を代償にしてバンドックに特攻、自爆する。その際、3機が合体しないと発動しないはずのイオンエンジンを突入と同時に爆発させている。
宮武一貴によるザンボット3のラフデザインはコン・バトラーVのイメージが多少残っているデザインだった。とくに頭部デザインにはグロイザーXに似たデザインや、ギンガイザーのようなアイマスクを付けた鼻と口があるものなど多くのラフ案が残っており、決定稿の三日月兜が決まるまでに試行錯誤を繰り返していた。
『機動武闘伝Gガンダム』の第48話・第49話(最終回)でゲストキャラとして登場。
- 武装
-
- ザンボットグラップ
- サイをモチーフとした手持ち武器。よく誤解されるが十手ではない。本来のサイ同様に2振り一組として振るう。敵を斬る、または刺し、更には投げつけて戦うのが基本だが、これだけではメカブーストに致命傷を与えられず、多くの場合後述するカッター、ブローといった武器に変化させる。
- 後部にはバーニアが仕組まれている他(第21話)、手首の付け根付近に収納されている刃だけを出して使用することも可能(第16話)。
- ザンボットカッター
- 2振りのザンボットグラップを柄の部分で合わせ、片方の刃を伸長させた刀。もう一方は柄に収納され、これを使用した技に「ザンボット十文字斬り」(第3話)がある。
- 日本刀のように刀身に反りがある場合と、グラップの刃部分の延長という具合になったりとデザインと画に若干の混乱があり、玩具の場合でもどちらか一方のデザインで製品化されている。ムーンアタック以外でメカブーストを倒した数少ない武器(第3話、第21話)。
- ザンボットブロー
- 上と同じにザンボットグラップを合わせ、柄を伸長させた槍。初使用は4話。使用回数はザンボットカッターより多い。長さはザンボット3と同程度だが各話の演出によっては非常に短く描かれる(第19話)こともある。
- 中央の刃は直線的だが、同じ理由で反りがある回がしばしばある。メカブーストを刺し貫いて行動不能にする威力も発揮した(第12話、第13話、第19話)。
- ザンボットバスター
- 膝に装備されている(ザンベースの状態では存在せず、合体後に出現)十字手裏剣型の投てき武器、突端は下記のバスターミサイル。6話にて同乗していた源五郎の指示で初使用。基本的に手にとって投げるが、15話では接続部から直接発射したり手に持って相手を殴ったりしている。
- オープニングの絵コンテでは「バウザー」と誤記されている。
- バスターミサイル
- 膝に装備したまま発射されるザンボット・バスターのミサイル。回転することで連射が可能。劇中ではザンボット・バスターと呼び間違えていることが多い。初使用の第4話ではちゃん付けして発射したり(Aパート)、バスター自体が複数発射されている(Bパート)。
- ブルミサイル
- 腰に内蔵されている連装式大型ミサイル。バスターミサイルと同時発射される場合もある(第16話、第22話、第23話)。
- 初使用は第5話で、名称コールされない唯一の武器だったが、例外的に第21話で宇宙太が単に「ミサイル!」と叫んで発射している。
- アームパンチ
- いわゆるロケットパンチで、手首のみが発射される。ザンブル時の武器だが、ザンボットが使用したのは第13話と第17話で、17話ではグラップを持ったままで発射。
- ホーミング機能を備えていると思われ、敵を正面だけでなく、背部からも攻撃した。
- レゴン
- ザンベース時にカナード翼に付く偵察メカで、合体時には腰に装着される。
- ザンボット3が使用したのは第21話のみ。
- ザンボット・ムーンアタック(ムーンアタック)
- 額の三日月から放つ必殺技。三日月形のエネルギー弾が分身して対象を取り囲み、一点集中攻撃を行う。エネルギーチャージする暇さえあれば、いつでも撃てる上、連続使用も可能。第4話で初使用された。必殺技ではあるものの、第8話ではガルチャックの反射材によってはね返されてしまい、その後もムーンアタックを中和できる光線を使用するメカブーストが何度か出現した事や、バンドック(頭部)には効かなかった為に苦戦は免れなかった。
- 発射時のポーズは「右腕(平手)を水平に伸ばし、左腕は水平から曲げて三日月に左平手を添える」(第4話など。第12話では例外的にこのポーズで新しく作画されている。)と「左手を三日月に添えずに垂直に構える」(第8話以降の大部分の回。ただし第10話、第11話では左右逆のポーズで放たれている)に、OPラストカット及び、アイキャッチで放つ左手と右足を前に突き出した合体完了時のポーズで放つ(第18話)三種類が存在している。
- 三日月の破壊エネルギーは敵を貫いた後も持続する。第19話ではこの性質を利用して、バンドックのバリアーに投げつけたメカブーストガイダーと、バンドック双方に当たるように放たれた。
- また、『スーパーロボット大戦Z』でのダイターン3との合体攻撃時には、サン・アタックの特性も加わり、止めを刺す時にキックで敵の三日月型に光るボディを貫く演出になった。
- イオン砲
- キング・ビアルの武装を流用したもの。第22話でビアルI世に積まれていた予備を使用し、バンドックの頭部を破壊した。回路の接続変更とエネルギーチャージが必要で、高エネルギーを消費するため、発射後の戦闘行動にも支障が出るおそれがあり、あくまで緊急の措置である。
- その後の最終戦闘ではエネルギー不足でムーンアタックが使えなかった事や、恵子の発言から一度使用すると、他の高エネルギー武器が使用可能になるまでエネルギーチャージに時間がかかる模様。
- ザンバード / ザンボ・エース(ザンボエース)
- 勝平が搭乗する高速戦闘機。ザンボット3の頭部、胴体中央部となる。単独でロボット「ザンボ・エース」に変形できる。変形のコールは「エースチェンジ」、逆にバードに戻る時は「バードチェンジ」。頭頂高30m(ザンボ・エース時)、重量250t。コクピットは副座式で、ザンバード時の機首、ザンボ・エース時の爪先にあり、左に勝平(第1話など例外あり)、右に千代錦が乗る。ザンボ・エースへ変形時には勝平の席がエース時の頭部へと移動。第2話で兵左衛門と花江にブスペア、第6話で源五郎、第17話で梅江を乗せたこともある。
- 第1話のドミラ戦で初陣を飾ると同時に勝利。第2話のシドビラー戦と第18話のクラーゲン戦では、ザンブルとザンベースの支援を得て撃破した。
- 最終話で大破しながらも地球に帰還し、駿河湾に着水。海水に濡れて、涙を流しているように描写された。
- 武装
- バードガン
- コクピット上部に収納されている50mmバルカン砲。左右2門ある。バード、エース時どちらでも使用可能(第13話)。
- トレンブルホーン
- 音波兵器。尾翼中央から露出し展開する(第6話 ザンバード時のみ使用)。
- ザンボマグナム
- ザンボ・エース用のオプションである拳銃。ホルスター自体はホルスター・ジェット(ホルスター付ガンベルト)と呼ばれ単体飛行可能で、ビアルI世またはザンベースが射出する。それをガンベルトのように腰に装着し、ホルスターから銃を引き抜いて射撃する。なおエースが静止状態で敵が正面にいる場合、自動照準で狙いをつける。ホルスターにはザンボマグナム用の予備弾倉やさまざまなオプションパーツがセットされている。ロングバレルやストック、スコープ、を装着して狙撃用のライフルとして使用したり、連射用のドラムマガジンを弾倉部に追加したり、さらにはメカブーストに止めを刺す威力も発揮する46cmグレネードランチャーも存在するが、これがあるとザンボット3の活躍が減るため、物語の中盤になってからはグレネードランチャーの出番を失った。
- クラスター・ロケット・ランチャー
- ザンバード時に主翼に懸架可能な7連装ロケット弾ポッド(本編未使用)。
- バードミサイル
- ザンバード時に主翼に懸架可能な大型ミサイル弾(本編未使用)。設定資料では先端にスパイク付きの鉄球を付けたよう大型ミサイルの絵も存在する。
- ハンドミサイル
- ザンボ・エースの腕から発射される中型版アームパンチで高速で回転しながら、相手の体を殴る技(本編未使用)。
- 妨害ビーコン
- いわゆる電子妨害手段、第1話でメカブースト・ドミラのホーミング・ミサイルを回避するのに使用。
- エアバッグ
- 第1話で動作している。
- 放熱翼
- 第9話でメカブースト、アモンスガーの冷凍ガスを受けてバランスを崩した際に使用。高熱を発生させて氷を溶かした。
- ザンブル
- 宇宙太が搭乗する重戦車。ザンボット3の胴体・腕部となる。全長14m(クラッシャードリルセット時、20m)、全高10m。飛行も可能で劇中では移動距離の都合でもっぱら飛行していた。コクピット部は比較的下部にあり、合体時にはザンベースのコクピットの下に収まる。初登場となった第2話では、ミサイルの爆風で横倒しになるが、腕部を使って元の状態に戻るシーンがある
- 第17話では名称不明メカブーストB、Cを単独で、第18話ではクラーゲンをザンボ・エースと共同で撃破している。
- 最終話で大破し、ザンベースもろともバンドックに体当たりして果てた。
- 当初はザンボエース同様に単独でロボットに変形する予定だった。初期のデザインには頭部や脚部のあるものも存在する。また、ザンバードのようにビアルII世格納時の状態から、どのようにパイロットが搭乗するのかというシークエンスもデザインされたが、本編では使用されなかった[注釈 13]。
- 「スーパーロボット大戦シリーズ」に登場する本機体はゲーム中飛行不可。
- 武装
- アームパンチ
- 射出される手首。合体時も使用できる。
- クラッシャードリル
- 機体前部、ザンベースとの合体面からとびだす巨大ドリル。
- ドリルミサイル
- クラッシャードリルをロケットパンチのように打ち出す。ドリルとザンブルとはワイヤーで結ばれている(本編未使用)。
- ビッグミサイル
- 機体前部、ザンベースとの合体面からとびだす巨大ミサイル。
- ビッグキャノン
- 機体中央からせり出す大砲。
- ブルミサイル
- 前部サイロから発射する連装ミサイル。アームパンチ同様、合体時にも使用できるが、単体時では未使用。
- 装備
- 救命用はしご
- 第18話で使用。機体下部から出す、救助用の縄梯子。
- 救命ボート
- 同じく第18話で人間爆弾の危険から、安全が確認されるまでこちらに変更するように命じられたが、ボートそのものの描写はない。
- ザンベース
- 恵子が搭乗する偵察支援メカ。ザンボット3の脚部となる。全長35m、全高9m。なお全長は、資料によって30mと表記されることもあり、「ニュータイプ100%コレクション34 スーパーロボットジェネレーション SUNRISE1977〜1987」に掲載された対比図では、並んで描かれているザンボ・エースが、ザンベースと異なる大きさなのに30mとある。しかし、「ロマンアルバム21 無敵超人ザンボット3」には、まったく同じ対比図に数値が35mとされた図が掲載されている。
- バックパックが付いており、合体時には外れて移動し、ザンブルのキャタピラを覆う形で背部に装着される。ビアルI世同様にザンボ・エース用の武器・ザンボマグナムを搭載・射出する。合体時の腰部両脇には小型偵察メカ、レゴンを装備。降着装置は車輪とキャタピラ(合体時の足のウラ)の併用である。
- 最終話でザンブルと共にバンドックのエンジン部に体当たりして果てた。
- なお、コクピットの外観はともかく、内部デザインはザンブルと共通している。
- 武装
- ベースミサイル
- バックパックから発射するミサイル。第17話では、これで名称不明のメカブーストAを撃破している。
- ベースレーザー
- コクピット付近から発射するレーザー砲。
- ベースヒート
- 機体の上部から発射する熱戦砲。ベースファイアーと呼ばれたこともある。
- レゴン
- カメラを内蔵した偵察メカ。メカ・ブーストの弱点を調べる際に威力を発揮する、合体時にも使用できる。同型のものがビアルI世にも搭載されている(第18話から)。
キング・ビアル(キングビアル)
ビアルI世、ビアルII世、ビアルIII世が合体することで完成する恒星間移動要塞兼移民基地。イオンエンジンを主動力とし、最強兵器「イオン砲」の他、複数の武装を装備する。
デザインはスタジオぬえが担当したが、富野からは、SFとして耐え得る宇宙船を、との指示があったという。合体のパターンは『ゼロテスター』のテスター1号機を参考にしている。
第4話で3つの基地が合体しキング・ビアルとなるが、自動合体システムの不具合で、合体はそれぞれの家族総出のマニュアル操作となった。度重なる戦闘によるダメージや資材不足を解消するため、第9話で一時的に分離し、第18話で再集結するまで、I世単体で指揮することとなった。その際、ザンブルとザンベースのみがI世に残留している。
しかしながら、第17話ではすでにキング・ビアルに合体している状態となっており、またII世を欠いた状態でもキング・ビアルと呼ばれている。
なお、宇宙空間ではI世とIII世の白色が暗い青色に見える。
- ビアルI世
- ザンバードを格納する移動要塞。駿河湾の海底に隠されていたビアル星人の遺産で、神一家が管理する。キング・ビアル合体時には中枢部としてコントロールルーム兼補修部品格納庫となり、ザンベースと同様、ザンボ・エース用の「ザンボマグナム」を搭載・射出する。また、第22話ではザンボット3がI世から予備のイオン砲を取り出して使用した。主武装は大型ミサイルランチャー4基と小型ミサイル発射管6門。ただし、キング・ビアル合体時には大型ミサイルランチャーが邪魔になるため、これらの武器の同時使用ができない。その他にも機関砲やレーザー砲などを装備しているが、本編では第22話でしか使用されていない。ブリッジの巨大スクリーンは、『宇宙戦艦ヤマト』のヤマトの第一艦橋のビデオスクリーンを模したもので、スタッフの(ブリッジ全体の)イメージとしては、ヤマトを超えるものにしたかったそうである。本艦は『ゼロテスター』のマーク3を参考にしており、初期のデザインではIII世だった。
- 最終話にて、機能停止したバンドックもろとも地球に墜落するザンボ・エースを救うため、その船体でバンドックの減速を試み、ザンボ・エースを脱出させる時間を稼ぎ、バンドックとともに大気の断熱圧縮で分解・焼失した。
- 全長などの具体的なデータは公表されていないが、第2話、4話や、キング・ビアル合体時の第9、21話において、ザンボエースで発艦を行い、9話では強制着艦まで敢行されていることから、艦首のザンバードのハンガーブロックはザンボエースに変形可能である程にスペースに余裕があることがうかがえ、また 第15話でジェームス提督の旗艦(アイオワ級戦艦に類似)が接舷した際の対比から見ると、同艦よりも大きく、かなりの大型艦である模様。
- ビアルII世
- ザンブルを格納する移動要塞。東京湾の海底に隠されており、神江一家が管理する。船体下面にキャタピラを装備し、3基の中で唯一地面に着陸できる。ザンブルは右側艦首に搭載。
- キング・ビアルへの動力供給を司り、かつメインエンジンとして機能する。他の2基が白を基調としたカラーリングなのに対し、II世のみは黄色が基調。キング・ビアル集結の際には基地が2つに分離し、I世、III世を左右から挟むように合体する。陸地を移動できるため、2輌の探査車両としても使用されるが、合体時には船体下部に部品が数点出っ張るため、地上への着陸は不可能となり、専ら浮遊するか着水するかのいずれかとなる。『ゼロテスター』のマーク2を参考にしている。武装は左舷上部に単装機関砲1門と4連装ミサイルランチャー1基、右舷上部にレーザー砲塔2基、両舷に小型連発式ミサイルランチャー各1基。
- 第21話でガイゾックの攻撃で甚大な被害を受けた際、エネルギー回路を切られて主力兵器のイオン砲が使用不能となったため、苦戦する神ファミリーを救うべく兵左衛門と梅江の操縦で分離し敵中に突撃。バンドック下部に激突して爆発した。
- ビアルIII世
- ザンベースを格納する移動要塞。長野県の諏訪湖の湖底に隠されており、神北一家が管理する。キング・ビアル合体時には艦首部となり、後方にザンベースの格納ハンガーがある。
- キング・ビアルの情報管制機能を司り、イオン砲を搭載しているが、コントロールシステムはI世、エネルギー供給はII世に依存しているため、キング・ビアルに合体しないと使用できない。他にもミサイルランチャーやレーザー砲、熱戦砲など多くの武装を持ち、突端にはバリアー発生機を内蔵している。なお、パラボラアンテナやノズル等があるが、これは『2001年宇宙の旅』に登場するディスカバリー号の装備を模したものである。『ゼロテスター』のマーク1を参考にしている。初期デザインではI世だった。
- 第22話で、源五郎の操縦で青騎士ヘルダインに体当たりを敢行、これを撃破し、次いで赤騎士デスカインに特攻、共に轟沈する。
その他(神ファミリー側)
- ボート(第5話)
- 第5話で登場した小型水上船。神ファミリーはメカ・ブースト戦の後、これに乗って被害を受けた人たちの救援物資を渡しに行ったが、足蹴にされた。
- 小型艇(第9話 - 第12話)
- 第9話でキング・ビアルに収容された大滝社長がパニック状態で乗り込んだ、飛行能力と潜水能力を持つ自動車に似た小型艇。しかし、メカ・ブースト、アモンスガーの磁力水爆に吸い寄せられてしまった。
- 第10話で野崎の身を案じる梅江、第11話ではバンドックに潜入する兵左衛門と源五郎が乗り込み、戦場に駆けつけた。ビアルIII世にも積まれており、第12話では公子が乗り、友人に嫌われて傷心の恵子の前に母の由美子に代わり、その言葉を伝えるために現れた。
- 潜水艦(第16話)
- 第16話で「地球の平和を守る」と言い残して和行、きいろ、公子の3人が乗り込んだ小型潜水艦で、ビアルII世に積まれていた。魚雷を搭載し、小型メカ鮫を魚雷で次々と破壊していったが、巨大メカ鮫には噛み砕かれてしまった。
- 潜水スクーター(第16話)
- 水中でも航行可能な小型艇。第16話で宇宙太と恵子がガイゾックの人質にされた和行たちを救うべく乗り込み、妨害電波でメカ鮫を無力化して勝平が囮になっている間、メカ・ブースト、ブウボンから無事に3人を救出した。
ガイゾック側
バンドック
ガイゾックの巨大戦闘要塞で、キングビアルと同じく具体的なスペックは不明だが、放映当時のテレビマガジン(1978年1月号)ではザンボット3の10倍である全長600mと記載されていた。遮光器土偶に酷似した頭部と上半身に、ケンタウロスのような4つの脚を持った半人半馬の姿である。頭部の戦闘基地と胴体の本部基地で構成され、内部にはブッチャーたちの司令室や娯楽部屋、ガイゾック兵士たちが配置されているコントロールブロックや、メカ・ブーストや人間爆弾の製造工場などを備えている。
装備は一撃であらゆる物質を蒸発させる威力を誇る両腕のバンドック砲と、前面に展開され多数発射されるスペースミサイル、その前の防衛線を張るスペース機雷、ザンボット以上の大きさの大型魚雷といった武器を持ち、さらに伸縮自在の脚を伸ばして攻撃する他に、着陸時にはザンボット3でも突破できない特殊バリアーを全体に張り巡らせる。頭部のみ独立して行動することも可能で、限界潜行深度は10000メートル以上でザンボット3よりも上である。このため、日本海溝の底に潜むバンドックをビアルもザンボットも直接攻撃ができなかった。
内部の頭脳・動力源がガイゾックの黒幕でもあるコンピュータードール第8号であり、そこでコントロールおよび、ブッチャーに攻撃の指示を与えていた。第21話ではビアルII世の特攻により内部にまで深刻なダメージを受けただけではなく、下部中央のノズル部や左脚等を破損、さらに頭部がイオン砲によって破壊され、首無しとなっても最後まで活動し、第23話でザンボエースを除いた神ファミリーのメカ全てと刺し違える形で葬られた。
なお、初期の設定では、バンドックは主人公たちの基地になる予定で、キングビアルと同様3体に分離することも考えられていた。デザインは大河原邦男。
メカ・ブースト(メカブースト)
ガイゾックが送り込む戦闘メカ。状況において様々なものが存在するが、総じて怪物然とした姿をしている。時としてブッチャーが観た地球の生物や、文明の利器の応用、或いは誤解した形で攻撃手段として搭載しているものもある。シルエットのみのメカ・ブーストや本編ではその戦いの様子が語れなかったり、第15話でバレターがブッチャーに見せたカタログの種類の未登場のメカ・ブースト(名前は不詳)も存在する。
第20話ではドヨズラー、ガルチャック、アモンスガー、トラシッドの4体が再生改良され、再登場している。
なお番組初期設定では「メカ・ビートル」という名称だった。
その他(ガイゾック側)
- スネソーザー
- カタツムリに似た飛行偵察メカ。多数存在し、世界中に派遣されているらしい。メカ・ブーストとザンボット3の戦闘の様子などの映像をブッチャーのモニターに送信してくる。近年になって目撃例が急増したUFOの正体で、これによって神ファミリーはガイゾックの到来を察知し、キングビアルのサルベージを行うと共に勝平らに睡眠学習をさせ、準備を進めていた。ニックネームは「でんでん虫」で、出現時には勝平たちに少なからず嫌悪感を与えていた。強力な水圧には耐えられないらしい。
- ベルター・タンク(第10話・第20話)
- 自動操縦で動く無人戦車で、バンドックの周囲を警護し、一部は合体してメカ・ブースト、トラシッドとなる。
- ガイゾックのメカの中では数少ない地球兵器に近いデザインで、強力で正確な砲撃はザンボメカを近寄らせず、ザンベースを損傷させ、後退させた。さらに同士撃ちしないよう判別機能も備えていたが、勝平にカメラを潰されるとコントロールが停止してしまい、そのままその戦車に乗りこんで操縦した勝平によって次々と他の戦車は抵抗できぬままに破壊されていった。
- メカ鮫(第16話)
- メカ・ブースト、ブウボン護衛用に、周囲の海中に放たれていた鮫形のロボット。小型の普通のサメサイズと、ザンボエースなみのサイズの黄色い巨大サメの2種類がいる。妨害電波には弱い。
- 人間爆弾(第16話 - 第19話)
- 人間の体内に強力な時限爆弾を埋め込み、一定の時間が来た時に爆発させる文字通りの無差別大量虐殺兵器。埋め込まれた人間には手術時の記憶が消され、さらに印として、背中に星型の痣のような模様が浮かび上がる。いったん埋め込まれると、ビアル星の科学力でも摘出は不可能。埋め込み手術は相手を手術台にうつぶせで固定し、星型の回転機械を人体に押しつけることで行われる。
- メカ・ブーストよりも安上がりに人を大量に殺せるとブッチャーはご満悦だったが、浜本やアキの死を見届けた勝平の怒りの攻撃と、香月や爆弾構造を把握した技師たちによる捨て身の逆襲によって阻止された。
- 輸送艇(第17話)
- 人間爆弾用に集めた人間たちを輸送・運搬する目的で用いられる、ドーム型の大型メカ。正面のハッチが出入り口だが、そこをザンブルのミサイルで潰された後には、上部に伸縮自在の掃除機のホース様の触手を展開し、人間たちをまとめて吸い寄せる。その時に林は爆死し、香月もまた捕獲され、そのままバンドックへ運ばれた。
- 脱出カプセル(第18話)
- バンドックからミチを逃がすため、香月が乗せた脱出カプセル。ザンボット3が潜航できない10000メートルの深海の水圧に耐えて無事に浮上し、ミチは神ファミリーと合流できた。
- ベルター・カプセル(第20話)
- 再生トラシッドに合体するベルター・タンクを輸送するメカで、キングビアルのイオン砲で破壊されたが、タンクはそのまま合体した。
- 赤騎士デスカイン、青騎士ヘルダイン(第22話)
- ガイゾックがブッチャーに命じて封印を解かせた死の騎士。バンドック内の神殿にて、ガイゾックの紋章が描かれた盾にブッチャーが斧を振り下ろして封印を解くと、馬と戦車を合わせたような下半身に、鎧騎士の上半身を持つガイゾックの神を守る守護武者赤騎士「デスカイン」と、青騎士「ヘルダイン」が出現する。色と頭部飾り以外は2体共同型で、武器は主にデスカインが青龍刀型の剣を、ヘルダインが槍を用いる。
- 最強のメカ・ブーストでもあり、堅固な盾でザンボットとビアルの攻撃を寄せ付けず、2体が対になって光り輝き、剣、槍、メイスなどの武器を乱射する合体技「シールド・フラッシュ」で神ファミリーを追い詰めたが、ビアルIII世の特攻により2体とも倒された。
- なお、初期の名称は「白騎士、青騎士ギルラ―」だった[17]。
注釈
- ^ クローバーはいわゆるファブレス企業で商品企画のみを行い、商品の設計や生産は沼本が転職したタカラの子会社が請け負っていた。
- ^ 勝平の父・源五郎は遠洋漁業に出ていたが、第6話で焼津に帰港する[15]。
- ^ 「スーパーロボット大戦シリーズ」で声を担当。
- ^ 第10話 - 14話で一時的に担当。また、『スーパーロボット大戦Z』以降の「スーパーロボット大戦シリーズ」で声を担当。
- ^ 『スーパーロボット大戦IMPACT』と『スーパーロボット大戦A PORTABLE』で声を担当。
- ^ (第4話までは旧芸名の武智豊子で出演。
- ^ 普段の源五郎の目は細く小さめに描かれていたが、第22話で特攻するシーンでは、目が大きくなり、普段の顔とは違うタッチで描かれている。
- ^ 第3話での奉納試合での名前表記
- ^ 第17話のエンディングのテロップでは、健太と浜本のキャストが誤って逆に表記されていた。
- ^ キング・ビアル内の勝平の部屋で起きたアキの爆発はシャッター閉鎖により最低限の被害で済んだ。アキの死が信じられない勝平は甲板に上がった際、アキに貸したパジャマの切れはしを手にしたことでアキの死を受け入れた。
- ^ エンディング・クレジットならびに公式サイト表記による。関連書籍やテキスト媒体など各種記事では、基本的にキラー・ザ・ブッチャーとされることが多い。
- ^ ロマンアルバム等に収録されている設定書からすると額の三日月の頂点までを合わせて60メートルである。メカ・ブーストのガルンゲの体重が20万トンであるという一太郎の台詞があり、この設定が制作時にも残っていたらしい形跡がある。
- ^ アニメージュ「スタジオぬえ デザインノート」で、宮武が「ムチャな設定」と振り返っている。
- ^ ザンボット3に乗る3人、およびキングビアル乗員が着る戦闘服のデザインは、やはり安彦が挿絵を手がけたクラッシャージョウシリーズでの万能服「クラッシュジャケット」のデザインに流用されていると、安彦自身がムックなどで明言している。
- ^ ザンボット3の変形合体パターンは大河原邦男と平山良二が原案、武器類やキングビアル、ダンガルン等の設定はスタジオぬえの宮武一貴らが担当、バンドックのデザインは大河原邦男だったようである。なお、デザインに当たって高千穂遥が私蔵の武器を持ち出して使い方を演じて見せ、参考にしたという(DVD-BOXブックレット掲載のインタビューより抜粋)。
- ^ 制作局と同時ネット。
- ^ 勝平は香月とケンカを行い、宇宙太は東大を目指す受験生となり、恵子は普通の中学生として日々を過ごしていた。
出典
- ^ ブレインナビ 『ザンボット3・ダイターン3大全』 双葉社、2003年、109頁
- ^ http://moura.jp/clickjapan/robot/206/content02.html
- ^ 『ファミリーコンピュータMagazine』徳間書店 1995年6月30日号特別付録 「バトルロボット烈伝 最強キャラクタファイル」 50頁。
- ^ 「アニメ大国の肖像 (53)」東京新聞 2006年12月14日夕刊、中日新聞東京本社、2006年。
- ^ Web現代「ガンダム者」取材班編集「第5章 企画 飯塚正夫 《後発の戦い方》」『ガンダム者 ガンダムを創った男たち』講談社、2002年10月9日、ISBN 4-06-330181-8、251頁。
- ^ ブレインナビ 『ザンボット3・ダイターン3大全』 双葉社、2003年、18-20頁。
- ^ 掛尾良夫 編「ロングインタビュー 安彦良和」『動画王』 VOL.7、キネマ旬報社〈キネ旬ムック〉、1998年12月25日、171-172頁。ISBN 4-87376-507-2。
- ^ TARKUS編「Chapter:1 ガンダムビッグ・バンへの道 証言2 沼本清海」『ガンプラ・ジェネレーション』講談社、1999年4月14日、ISBN 4-06-330074-9、36頁。
- ^ マツコ&有吉の怒り新党|2012/09/26(水)23:15放送 (1) - TVでた蔵
- ^ マツコ&有吉の怒り新党|2012/09/26(水)23:15放送 (2) - TVでた蔵
- ^ 俳優・上川隆也、アニメ愛を語る!イチオシ「ザンボット」の結末とは? - IRORIO
- ^ 「GANTZ」連載13年でついに完結、戦いの結末を目撃せよ - コミックナタリー
- ^ 有名人が初めて話します!とっておきランキング ここでしか聞けないヒミツの話30連発 - フジテレビ
- ^ 【エンタがビタミン♪】市川紗椰の『ラストが切なすぎるアニメ ベスト3』に騒然「2位でやめて…」 - Techinsight
- ^ “第6話「父が帰ってきた日」”. 『無敵超人ザンボット3』公式サイト. 2020年8月7日閲覧。
- ^ 氷川竜介「第5章 アニメの覚醒--富野監督語録とオタク元年--」『20年目のザンボット3』太田出版、1997年8月13日、ISBN 4-87233-333-0、188-189頁。
- ^ 竹書房 『サンライズ・ロボット・コンプリートファイル スーパーロボット編』21頁
- ^ 東奥日報 1978年3月ラジオ欄。
- ^ 『河北新報』1980年8月1日 - 8月29日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』1977年10月14日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1977年10月7日 - 10月28日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1980年4月2日 - 9月3日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『北日本新聞』1978年3月6日 - 3月10日付各朝刊テレビ欄より
- ^ 『北日本新聞』1978年1月27日付朝刊テレビ欄より
- ^ 『北國新聞』1979年8月20日 - 8月24日付各朝刊、テレビ欄。
- ^ a b c 山陽新聞 1978年3月テレビ欄。
- ^ 『無敵超人ザンボット3 メモリアルボックス』 解説書より
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