水害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 02:13 UTC 版)
水害の原因・要因
- 気象的要因
- 地理的・社会的要因
- 河川の流域、三角州、川の中の島、扇状地、河川敷、過去に河川敷であった土地、河川の後背湿地、周辺や近隣の土地や地域との標高の相対的な差(を利用してしまうこと)
- 周囲より低くなっている土地(低地)(を利用してしまうこと)
- 社会的要因
- 山林の過度の伐採・開拓・宅地造成による森林の保水機能の低下
- もともと冠水しやすく住宅地には不向きな土地を宅地化すること
- 治水の立ち遅れ
- 都市化。舗装路が増えすぎること。
- 落ち葉などゴミによる道路の雨水ます(排水口)の詰まり[4]
- 都市部や農地などでの排水の不良。(内水氾濫)
- 自然河川の容量や治水施設の当初の基準(の見積もり)が、(人類の経済活動の活発化が原因で、なかば必然的に)年々異常気象が増えるであろうことを正しく予想していなかった、甘い予想であった、ため結果として、当初基準を上回る降雨が近年では増えてしまったことによるもの。
水害の被害内容
- 人命の損失(死者、行方不明者、負傷者)
- 住宅の全壊・半壊
- 住宅の浸水
- 家財・財産の流失
- 経済活動全般の損害
水害対策
予防と被害軽減の両面が必要とされる。為政者による治水、コミュニティによる自衛策、個人による自衛策などがある。
- 水害予防組合、水防団、土嚢
- 水屋(避難所)、防災ステーション、揚げ舟
- 堤防 - 輪中堤 霞堤、2線提
- 放水路、防潮板(防水板)
- 雨水貯留浸透施設、大規模雨水貯留施設、調整池、遊水池、
- 河川管理施設整備 - ダム、堰、水門、護岸、床止め
- 樹林帯、水害防備林
- オランダの水害対策
- 河道整備、河川計画・治水計画見直し
水害への備え
- 自分が住んでいる場所にどのような水害が起こりうるか予測、対策を考える。
- 気象情報に注意し、危険が予測される場合は避難などを考える。避難指示に注意。高齢者は避難に時間がかかりやすいので特に早めの行動が必要となる。
- 浸水しやすい地域では、家屋の構造を工夫する。また緊急時には建物の1階開口部や地下鉄・地下街の入り口、地下駐車場斜路などに防潮板(防水板)や土嚢を設置して水の浸入を食い止められるようにしておく。
- 堆積土砂を除去する
- 落ち葉などゴミの清掃[4]
- 毎年、大雨時に田畑や河川を見に行って死ぬ人がいるが、様子を見に行ったところで水害を食い止められるわけではないので、水害が起こりそうなときにそのような場所に近づいてはならない。
- 避難弱者(乳幼児、高齢者、身障者など)の早めの避難(避難準備情報)
水害発生時
- 被害を食い止める
- 避難
- 救援・救助、逃げ遅れた人の救助
- 日本
日本で水害など災害が起こった場合、主として消防機関(常備消防・消防団)、水防団、地域の自主防災組織(住民によるボランティア)が救援救助に当たるが、大規模災害の場合は自衛隊に災害派遣の要請を行うこともある。
発生後の策
- 避難民のケア(物心両面)、救援ボランティア・救援物資の活用
- 排水、泥やごみの撤去
- ライフライン・交通機関の復旧
- 消毒など浸水地域の衛生策
注釈
出典
- ^ 『世界大百科事典』「水害」
- ^ 『日本大百科事典』「水害」
- ^ 石井吉之「降雨と融雪が重なって生じる融雪出水」『日本水文科学会誌』第42巻第3号、日本水文科学会、2012年、101-107頁、CRID 1390001204422255872、doi:10.4145/jahs.42.101、ISSN 1342-9612。
- ^ a b 横浜市 道路冠水に対するご協力を 道路冠水の一番の原因は雨水ますの詰まりです。雨水ます蓋に落ち葉やゴミがたまっている場合は、清掃をお願いします(車道で作業を行う場合は、十分、自動車やバイクなどに気をつけてください)。台風の際、落ち葉などのゴミで冠水した道路画像(鶴見土木事務所)。
- ^ 内閣府防災. “資料8”. 2019年9月18日閲覧。
- ^ 教職員共済. “住宅災害等給付金付火災共済事業規約”. 2019年9月18日閲覧。
- ^ Agency, 気象庁 Japan Meteorological. “南山城の大雨 昭和28年(1953年) 8月11日~8月15日”. www.data.jma.go.jp. 2018年7月19日閲覧。
- 1 水害とは
- 2 水害の概要
- 3 水害の原因・要因
- 4 水害に関係する法令
- 5 脚注
水害と同じ種類の言葉
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