応力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:53 UTC 版)
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連続体力学 | ||||||||
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応力 | |
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量記号 | σ |
次元 | T−2 L−1 M |
種類 | 2階テンソル |
SI単位 | パスカル (Pa) |
FPS重力単位 | 重量ポンド毎平方インチ (psi) |
この物理量には応力ベクトル[要曖昧さ回避] (stress vector) と応力テンソル (stress tensor) の2つがあり、単に「応力」といえば応力テンソルのことを指すことが多い。応力テンソルは座標系などを特別に断らない限り、主に2階の混合テンソルおよび混合ベクトルとして扱われる(混合テンソルについてはテンソル積#テンソル空間を参照)。応力ベクトルと応力テンソルは、ともに連続体内部に定義した微小面積に作用する単位面積あたりの力として定義される。そのため、それらの単位は、SIではPa (N/m2)、重力単位系ではkgf/mm2で、圧力と同じである。
異なる定義
応力という物理量は、分野によって全く異なる使われ方がなされている。即ち、土木・建築分野においては連続体内部の面にかかる力(単位:ニュートン(N))のことを応力と呼び、その単位断面積当たりの力を「応力度(stress intensity)(単位:N/m2 = Pa)」と呼んでいる[1][2][3]。
物理量 | 計量法、物理学、材料工学、機械工学など | 土木・建築分野 |
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力(単位:N ) | 力 | 応力 |
単位断面積当たりの力(単位:N/m2 = Pa) | 応力 | 応力度 |
以下では、計量法体系の定義[4]にあるとおり、応力を「単位断面積当たりの力」の意味で用いる。
応力ベクトル
応力ベクトル[要曖昧さ回避]とは、物体表面あるいは物体内に仮想的な微小面を考えたとき、その微小面に作用する単位面積あたりの力であり、ベクトル(1階のテンソル)で表される。後述する応力テンソルの説明にあるように、応力テンソルσの各成分の第1の下添字は「応力成分を考えている微小面の法線の向き」を、第2の下添字は「考えている微小面に作用する力の向き」をそれぞれ表している。このことから明らかなように、微小面の単位法線ベクトルを n とすると、その微小面での応力ベクトル t は次のように与えられる。
この式はコーシーの式[5]と呼ばれる。例えば、3次元デカルト座標系 (x , y , z ) において、単位法線ベクトルを と表す[注 2]と、応力ベクトルの成分 は次のようになる。
注釈
出典
- ^ 平凡社大百科事典、応力の項、「応力の大きさは単位面積に作用する内力のおおきさにより定義され、これを応力度あるいは応力強さともいうが、一般には応力度のことを単に応力と呼び・・・」第2巻、p.831、平凡社、1984年11月2日 初版
- ^ 福井コンピュータ. “応力度”. 建築用語大辞典. ウェブリオ株式会社. 2013年8月12日閲覧。(ウェイバックマシンより)
- ^ 萩原芳彦 (2007年9月30日). “第5話 応力とは何”. 初学者のための材料力学四方山話. p. 3. 2011年12月25日閲覧。
- ^ 計量単位令 別表第一 項番23、応力、「一平方メートルにつき一ニュートンの応力」
- ^ 小林英男 & 轟章 2007, p. 29.
- ^ 渋谷陽二 2011, p. 66.
- ^ 「弾性力学」pp.8-9
- ^ 「弾性力学」pp.5-6
- ^ 「機械工学辞典」pp.567-568
- ^ 中村恒善 編 『建築構造力学 図説・演習Ⅰ』(2版)丸善、1994年、135頁。ISBN 4-621-03965-2。
- ^ a b c d e 「弾性力学」pp.10-15
- ^ 非線形CAE協会 編 『例題で学ぶ連続体力学』森北出版、2016年、66頁。ISBN 978-4-627-94821-1。
- ^ 野田直剛 et al. 1999, p. 18.
- ^ 渋谷陽二 2011, p. 34.
- ^ 渋谷陽二 2011, pp. 29–31.
- ^ 非線形CAE協会 編 『例題で学ぶ連続体力学』森北出版、2016年、70頁。ISBN 978-4-627-94821-1。
- ^ 非線形CAE協会 編 『例題で学ぶ連続体力学』森北出版、2016年、71頁。ISBN 978-4-627-94821-1。
- ^ a b c 「材料強度」pp.9-12
- ^ 大矢根守哉監修 『塑性加工学』(14版)養賢堂、1999年、76頁。ISBN 4-8425-0113-8。
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