応力とひずみの定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 21:11 UTC 版)
「応力-ひずみ曲線」の記事における「応力とひずみの定義」の解説
厳密な応力とひずみの定義については「応力」、「ひずみ」を参照 試料の断面積 A は荷重によって変動する。そのため応力-ひずみ曲線を得る場合、荷重をかけて変形する前の断面積を A0 として、応力を σ n = F A 0 {\displaystyle \sigma _{n}={\frac {F}{A_{0}}}} で定義する。このように定義した応力 σn を公称応力あるいは工学的応力と呼ぶ。一方、変形中の断面積 A をもとに定義する応力を真応力と呼ぶ。荷重 F が加わっているときの断面積を A とすれば、真応力 σt は以下のようになる。 σ t = F A {\displaystyle \sigma _{t}={\frac {F}{A}}} この真応力は、応力の厳密な定義に近い。 試料の初期長さ L0 で除して得られるひずみ εn は、公称ひずみや工学的ひずみと呼ばれる。 ϵ n = λ L 0 {\displaystyle \epsilon _{n}={\frac {\lambda }{L_{0}}}} 公称ひずみに対して、荷重 F が加わった時点における長さ L からの変形量で定義するひずみを真ひずみと呼ぶ。真ひずみ εt は微分形式で以下のように定義される。 d ϵ t = d L L {\displaystyle d\epsilon _{t}={\frac {dL}{L}}} ここで、dε と dL は、長さ L からのひずみ微小増加量と長さ微小増加量である。dε を L0 から L まで積分すれば、以下のような真ひずみ εt と公称ひずみ εn の関係が得られる。 ϵ t = ∫ L 0 l d L L = ln L L 0 = ln L 0 + λ L 0 = ln ( 1 + ϵ n ) {\displaystyle \epsilon _{t}=\int _{L_{0}}^{l}{\frac {dL}{L}}=\ln {\frac {L}{L_{0}}}=\ln {\frac {L_{0}+\lambda }{L_{0}}}=\ln(1+\epsilon _{n})} ここで、ln は自然対数である。真ひずみは対数ひずみとも呼ばれる。 真応力-真ひずみ曲線の方が物理的意味はあるが、その都度の断面積を測定する必要がある。公称応力-公称ひずみ曲線が慣例的によく使われる。
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