国際収支統計
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国際収支の動向
世界
2006~2008年平均の世界の直接投資受け入れ総額は1990~1992年平均の10倍以上に拡大している[26][27]。 特に、2001年以降に急激な拡大を続けており、リーマン・ショックの影響で一時的に急減するものの、その後も急拡大を続けている[28]。
日本の国際収支と経済政策
日本は1973年2月時点で既に変動相場制へ移行しているために、2000年現在、必然的に資本収支は赤字の状態が続いており、経常収支黒字分を資本収支赤字(証券投資・直接投資)として国外に再投資する格好になっている[30]。2019年現在、日本の経常収支は、第一次所得収支(投資収益)が黒字の大半を占めている状況にあり、貿易で稼ぐ国から投資(特に海外直接投資)で稼ぐ国に変わっている。
- 貿易収支:1980年代初めに第二次オイルショックの影響で赤字になったのを最後に、その後は2007年までは黒字を拡大し続けていた[31]。
- サービス収支:小額の赤字が続いていたが、2019年現在、ほぼ0となっている。
- 第一次所得収支(投資収益):貿易収支黒字の累積で対外債権の保有が高水準にあることから黒字が続いている。2019年現在、直接投資収益(親会社と子会社との間の配当金・利子等)が増え続けている。
また、2004年に外貨準備増減が大幅黒字を記録したが、円高防止の題目の下に大規模な円売りドル買い介入を行ったことによる。 円高となった要因は予想実質金利差の拡大であり、当然ながら為替介入では円高を抑えることはできなかった。事実、その後の金融緩和によって円高は緩和されていった。詳細は円相場を参照。
なお、2014年現在、増え続けてはいるものの、長期にわたって対内直接投資(海外の企業による日本企業に対する直接投資)は対GDP比で5%以下に留まっている[32][33]。アメリカ(2013年は29.4%)やイギリス(2013年は63.3%)と比較すると、これは低い水準である[34][35]。つまり、日本国内の外資系企業は規模が小さいことを意味している。
沿革
1986年に中曽根康弘の私的諮問機関である国際協調の為の経済構造調整研究会が、前川リポートを作成し、日本は内需を拡大させて輸入大国への転換を進めて世界に貢献すると提言した。本件は、小宮隆太郎が辛辣に批判を展開する[6]ほどに誤った内容であり、当然ながら達成されなかった[36]。
2003年1月に小泉純一郎が5年間で対日直接投資高を倍増させるという目標を表明し、同年3月に対日投資促進プログラムが策定されている[18]。 2008年に政府は2010年までに対日直接投資残高をGDP比で5%までに倍増させる方針を打ち出している[18]。
2004年から財務省は「大量の発行が見込まれる日本国債を国外投資家にも買って貰おう」という意図で、国外投資家向けの日本国債の投資説明会を始めた。このような活動の結果、外国人投資家による日本国債の保有率は、2004年12月の4.2%から2007年3月には6.3%に上昇した[18]。
2014年3月10日に、財務省はその諮問機関である財政制度等審議会の財政制度分科会で、貿易赤字の拡大を背景に経常収支が年間を通じて赤字化する可能性を指摘し、財政赤字と貿易赤字の双子の赤字に陥るという重商主義の誤謬に陥った懸念を表明している[37]。 政府は、同年中に、対日直接投資推進会議を新設し対日直接投資残高を2020年に35兆円に倍増させる目標に向け体制を整えるとした[38]。
2014年3月3日の参議院予算委員会における甘利明経済再生担当大臣が「経常収支が赤字になると危険信号だ。国内の財政資金を海外に依存しなければならない。国債の評価に影響してくる。」・「経常収支は黒字である方がいいことは間違いない。」と述べている[39]。
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