仙山線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 15:36 UTC 版)
沿線概況
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
仙山線は、愛子を境に路線の持つ性格が大きく変わる。仙台から愛子までは沿線に住宅地が多いことから都市近郊輸送路線としての性格が強く、愛子の先は田園地帯や観光地が広がるローカル線色が濃い。
仙山線の列車は仙台駅の7・8番線から発車する。線路はしばらく東北本線に並行するが、ダンロップスポーツクラブの辺りから急勾配と急カーブで東北本線を一気に跨ぎ西側へ進路を変え、梅田川を右岸から左岸に渡る。ここから北仙台駅までの区間は歌枕「玉田横野」を突っ切る区間であり、東照宮駅を過ぎると梅田川および台原段丘の段丘崖との並走区間に入って、崖の斜面や土盛りの上を通りながら、北仙台付近で再び梅田川右岸となる。北仙台では高層マンションが立ち並び、都市部の風景が広がる。北仙台駅を過ぎるとすぐ旧奥州街道と交差し、以後、梅田川と並走しながら北山丘陵北斜面を走る。北山駅を過ぎると北山丘陵南斜面側に移り、国見丘陵南斜面を走って、梅田川流域から広瀬川流域にかわる。これら丘陵地の多くはファミリー向けの分譲住宅地として開発されている。東北福祉大前駅と次の国見駅付近には大学、市立高校があり、通勤客と通学客の行き先は反対になる。また、通学・帰宅時間帯には多くの学生で混雑する。国見の先のトンネルを過ぎると大規模な仙台市葛岡墓園が広がり、葛岡駅に到着する。葛岡駅前は駅の北側がほぼ前述の墓園で、南側には駅前立地の利点を生かした数棟の大規模マンションがあるものの面的な住宅開発はあまり見られない。葛岡駅を過ぎると丘陵地から平地に降りて愛子盆地に入り、陸前落合駅、愛子駅と続く。愛子盆地は開発抑制がなされていたが、道路交通の要衝であることから市街化区域に用途地域が変更され、人口が急増している地区である。
愛子からは広瀬川や国道48号線と並走し、山と田園の風景が広がる。陸前白沢 - 熊ケ根間にある第二広瀬川橋梁(熊ヶ根鉄橋)は深い峡谷に架かるものであり、絶景である。やがて作並駅に到着する。駅名の由来でもある作並温泉の玄関口でもあるが駅前は閑散としており、温泉街の中心と2 - 3キロ程度の距離がある。また駅のホームには日本初の交流電化を記念する「交流電化発祥地」の碑が建っている。ここを過ぎると山を越えて広瀬川支流の新川流域に入り、奥羽山脈の山岳風景一色となる。作並 - 奥新川間にあった八ツ森駅(臨時駅)は、1970年(昭和45年)まで存在した八森スキー場へのアクセス駅だった。その後鉄道ファンから秘境駅の一つとして認識されるようになったが、2014年(平成26年)3月に廃止された。奥新川駅も深い山の中に存在するが、こちらは定期列車が停車する。奥新川駅付近には大正時代から戦後にかけて秋保鉱山があり、また戦前から戦後にかけて新川森林鉄道があったため、人口600人あまりの集落が存在した時期もあった。現在はブナの森や渓流を楽しむ行楽客がこの駅を利用する。
奥新川を過ぎると、奥羽山脈を貫く仙山トンネルに入る。このトンネルを抜けると山形市に入り、面白山高原に着く。面白山高原駅は、全国で唯一鉄道でしか訪れることができないスキー場として2008年度まで営業していたスノーパーク面白山のゲレンデの中にあり、駅構内からスキーリフトに乗れた。そのため、冬季には当駅で降りてすぐスキーやスノーボードができるよう、仙台や山形の市街地の駅から、まるでゲレンデ内にいるようにスキーウェアを着、スキー靴を履いたまま仙山線に乗り込む者がよく見られた。冬場以外では面白山への登山客が当駅を利用する。また、この付近を始め、作並 - 山寺間では秋に車窓が紅葉によって華やかに彩られる。
山寺駅付近は観光地であるため旅館や土産屋が目立つ。山寺とは立石寺の通称である。山寺を過ぎるとのどかな田園風景が広がる。高瀬付近はスタジオジブリの映画『おもひでぽろぽろ』の舞台である。
羽前千歳から先は、正式には奥羽本線だが、山形新幹線や山形線とは別の狭軌線路を走る。羽前千歳のすぐ先で山形新幹線・山形線の標準軌線路と平面交差して右側に移り、北山形を過ぎると左沢線と合流し、まもなく山形駅に到着する。
-
仙台駅にある仙山線の0キロポスト。右は7番線で待機中の山形行列車(2014年6月)
-
北仙台駅東側から北山方向を眺める(2005年7月)
-
国見駅での列車行き違い(2017年6月4日)
-
葛岡駅の西にある跨線橋より(2005年5月)
-
立石寺五大堂から見た仙山線(2009年4月)
注釈
- ^ 同様の路線としてJR以外では、京阪電気鉄道の京津線がある(京都府京都市と滋賀県大津市)。
- ^ 1988年の奥新川駅までの指定拡大による影響で仙台市内までの200 km以上の長距離切符の場合、運賃計算上の営業キロは仙台駅までとなるため仙山線や山形駅を含む奥羽本線の山形県内の一部の駅に至っても仙台市内までの200 km以上の長距離切符を購入し、乗り越し精算をすると奥新川駅からの乗り越しの扱いとなるため山形県内の各駅への本来の経路指定よりも数十円から数百円程度安くなる場合がある。
- ^ 誘致活動の中には塩竈を起点に山形まで鉄道を建設するというものもあった。
- ^ 現在の山形市の一部。
- ^ 作並機関支区は1947年(昭和22年)に作並機関区、1960年(昭和35年)に仙山線管理所車両科となり1968年(昭和43年)まで存続した。
- ^ 現在の仙台市青葉区の一部。
- ^ a b ただし、1994年9月の災害による長期不通の際は、JRは仙台 - 山形間でノンストップの代行バスを運転したものの、仙山間の旅客は運賃が当時JRより安かった高速バス・仙台 - 山形線に乗客を奪われる結果となった。
- ^ E721系1000番台の投入により捻出された0番台の一部はワンマン運転対応に改造され、磐越西線の運用で残存していた719系を置き換えるために同線へ転出した。
- ^ このため、E721系1000番台の投入が開始されるまでの間、東北本線・常磐線ではE721系0番台から719系への車両変更が発生した。なお、常磐線の定期列車では、2012年3月17日以前、719系の定期運用は設定されていなかった。
出典
- ^ a b c d e f g h 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』平成28年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.28
- ^ 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』1959年9月17日、22頁。
- ^ a b c d サステナビリティレポート2018 34頁 - JR東日本、2018年9月
- ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ^ a b c 『山形市史』近現代編235-236頁。
- ^ a b c d e f 『仙台市史』通史編7(近代2)324-326頁。
- ^ a b c d e f g HANDS 019 仙山線 (PDF) (公益社団法人土木学会 土木の日実行委員会 土木コレクション小委員会)
- ^ a b 『山形市史』近現代編236-237頁。
- ^ 『宮城町誌』(本編)678頁。
- ^ a b c d e f g 山形県鉄道利用・整備強化促進期成同盟会 (2021年3月). “資料1.線区別沿革の概要 - 仙山線” (PDF). 山形県の鉄道輸送. 山形県. pp. 56-58. 2021年12月29日閲覧。
- ^ 『山形市史』近現代編237-238頁。
- ^ 『山形市史』近現代編238-240頁。
- ^ 『山形市史』近現代編244-245頁。
- ^ 『山形市史』近現代編240-242頁。
- ^ 『山形市史』近現代編242-244頁。
- ^ 『山形市史』近現代編245頁。
- ^ 『山形市史』近現代編245-246頁。
- ^ a b c d e f g h 2011 Tohoku University Festival 大学祭あおば 鐵物語 ―テツモノガタリ― (研究テーマ:仙山線) (PDF) (東北大学鉄道研究会)
- ^ a b 『東北の鉄道』271-272頁。
- ^ 『宮城町誌』(本編)685-686頁。
- ^ 仙山線、喜びの全通式『山形新聞』1937年(昭和12年)11月11日夕刊.『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p730 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ a b c d e 『宮城町誌』(本編)686-688頁。
- ^ a b 戦後経済成長の礎を築いた鉄道10年の記録 秘蔵鉄道写真に見る戦後史 下 昭和30年代(監修:須田寛 解説:原田隆行、JTBパブリッシング) p.36
- ^ 『仙台市史』通史編8(現代1)217-218頁。
- ^ 『仙台市史』通史編9(現代2)243頁。
- ^ a b 『仙台市史』通史編9(現代2)251-252頁。
- ^ “せんだい都市交通プラン ~百万都市のにぎわいと暮らしやすさを目指して~”. 仙台市 (2010年11月10日). 2016年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月26日閲覧。
- ^ 『鉄道省年報. 昭和10年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 記念スタンプ「逓信省告示第3515号」『官報』1937年11月5日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '02年版』ジェー・アール・アール、2002年7月1日、185頁。ISBN 4-88283-123-6。
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '02年版』ジェー・アール・アール、2002年7月1日、192頁。ISBN 4-88283-123-6。
- ^ a b 2023年3月ダイヤ改正について - 東日本旅客鉄道東北本部2022年12月16日
- ^ 線路別ご利用状況(2009~2013年度) (PDF) - 東日本旅客鉄道
- ^ a b “平成20年度山形県土木概要 第3章 交通政策” (PDF). 山形県 (2008年). 2009年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月3日閲覧。
- ^ “仙台都市圏交流基盤に関する懇談会” (PDF). 社団法人東北建設協会. 2011年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月3日閲覧。
- ^ 山形商工会議所 (2013年). “平成 25 年度JRへの要望事項 (回答書)”. 2018年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月29日閲覧。
- ^ 、2001、「RAILWAY TOPICS - 仙台地区で4月1日に改正 全列車3扉化」、『鉄道ジャーナル』(通巻414号)、鉄道ジャーナル社、2001年4月 p. 91
- ^ 『宮城町誌』(本編)688-689頁。
- ^ “各駅の乗車人員”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月21日閲覧。
- ^ a b c 路線別ご利用状況(東日本旅客鉄道)
- ^ a b Suicaの一部サービスをご利用いただける駅が増えます (PDF) - 東日本旅客鉄道、2013年11月29日。
- ^ a b 『山形県の Suica 利用がますます便利になります!』(PDF)(プレスリリース)JR東日本東北本部、2023年12月15日 。2023年12月16日閲覧。
- ^ 『仙山線 西仙台ハイランド駅及び八ツ森駅廃止について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社、2014年2月14日。 オリジナルの2020年6月26日時点におけるアーカイブ 。2014年2月14日閲覧。
- ^ 『「仙山線全線開通 80 周年」記念イベント開催のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)JR東日本仙台支社・仙台市東北連携推進室・山形市観光物産課、2017年11月7日 。2018年1月25日閲覧。
- ^ 『2018年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)JR東日本仙台支社、2017年12月15日 。
- ^ 『降雨等に対する防災対策工事および台風19号による被災箇所の復旧状況について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社、2020年4月24日 。2020年4月25日閲覧。
- ^ a b 仙山線 奥新川駅および面白山高原駅における一部列車の通過について (PDF) - 東日本旅客鉄道仙台支社、2021年12月15日
- ^ a b 冬期期間における仙山線の一部列車通過について (PDF) - 東日本旅客鉄道東北本部、2022年11月15日
- ^ a b 『2015年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社、2014年12月19日。 オリジナルの2019年5月12日時点におけるアーカイブ 。
- ^ a b c “<仙山線 全線開通80年>機能強化望む声根強く”. 河北新報. (2017年11月10日). オリジナルの2017年11月10日時点におけるアーカイブ。 2021年12月29日閲覧。
- ^ a b “<昭和国鉄の名残>さよならあの日の雄姿 電気機関車「ED14形」が解体へ”. 河北新報. (2017年12月23日). オリジナルの2018年11月27日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「交流電化への初の実験 国鉄仙山線 一日から二か月間」『日本経済新聞』昭和30年1月20日11面
- ^ “仙山線 CTC・自動信号化”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1985年3月13日)
- ^ “JR仙山線「面白山駅」の駅名変更 愛称名「面白山高原駅」に”. 山形新聞: p. 18. (1988年1月29日)
- ^ “仙山線復旧へ懸命”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1994年10月7日)
- ^ a b “台風の次は落ち葉でスリップ 運転再開の始発運休 JR仙山線” 朝日新聞 (朝日新聞社): p18. (1994年11月28日 夕刊)
- ^ 「車内に300人閉じ込められる…停電で仙山線」『読売新聞』読売新聞社、2014年12月3日。2014年12月3日閲覧。
- ^ 山中宏之、光田宗義「JR仙山線:冷え込む列車内に8時間「何とか耐えた」」『毎日新聞』毎日新聞社、2014年12月3日。2014年12月3日閲覧。オリジナルの2014年12月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「雪で停電、仙山線立ち往生 300人缶詰め 山中道なく」『朝日新聞』朝日新聞社、2014年12月3日。2014年12月3日閲覧。オリジナルの2015年4月27日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「仙山線開通80周年 記念列車が出発 仙台駅などでイベント」『河北新報』朝刊2017年11月12日(ワイド東北面)
- ^ 山口達也「<仙石線全線再開>地域再生が今後の課題」『河北新報』、2015年5月31日。オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ 景観か渋滞緩和か 仙山線踏切高架化で「東照宮隠れる」 仙台 『河北新報』2005年2月12日
- ^ “JR仙山線にデザイン電車 14日からお目見え”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1995年10月2日)
仙山線と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 仙山線のページへのリンク