パスタ 各国では

パスタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 00:58 UTC 版)

各国では

イタリア料理の正餐 (antipasto「前菜」、primo piatto「第一の皿」、secondo piatto「第二の皿」、dolce「デザート」、コーヒーまたはグラッパを順番に食す) では、主菜である secondo piatto の料理や料理の前に「プリモ・ピアット」 (「第一の皿」、primo piatto) として供する。日本において「パスタは前菜なのでパスタだけを注文することはできない」と言われることがあるが、イタリア人にとってもイタリアのフルコースは量が多すぎるため、正餐のうちの一部の料理、secondo piatto とパンで食事を済ませることは一般的である。したがって、よほど高級なレストランでない限りパスタだけを注文することも問題ではない。

英語圏

アメリカ合衆国イギリスではマカロニ・アンド・チーズがよく食べられており、食堂スーパーマーケット惣菜コーナーで提供されているほか、様々なインスタント食品としても売られている。また、アメリカのスパゲッティ・ウィズ・ミートボールも世界的に有名である。アングロアメリカでは茹でたショートパスタと生野菜をサラダドレッシングで和えたパスタサラダも人気がある。パスタ料理を専門としたレストランチェーンもあり、ショッピングモールやレストエリアのフードコートでもよく見られる。

日本

日本では、幕末に外国人居留地で食べられ始め、1883年頃にフランス人のマルク・マリー・ド・ロ神父が長崎市で製造したのが始まりである。1928年に、日本で初めての国産スパゲッティをボルカノが製造販売、1955年、日本マカロニ (マ・マカローニ) の設立、オーマイブランド (ニップン) の発売が始まった。戦後日本のパスタ普及に貢献したのがスパゲッティナポリタンの流行である[6]。ミートソーススパゲティやナポリタンは、戦後のデパート食堂や喫茶店で定番メニューとなった。

1970年代にはファミリーレストランのメニューとしても登場し、1980年代にはイタリア人やイタリアで修業をしてきた日本人により本格的なイタリアンレストランが開業され、1990年代には「イタめし」の流行が起きた[3]

本来のイタリア料理としてだけでなく、イタリアンスパゲッティしそたらこスパゲッティ納豆や刻み海苔など、日本独自の味付けによるスパゲッティ料理も数多く存在し、スパゲッティ屋やパスタハウスと呼ばれるレストランもある。肉料理や弁当などにスパゲッティやマカロニサラダが付け合わせとして添えられることも珍しくない。

タイ

タイでは、スパゲッティキーマオというバジルやニンニク、唐辛子、ナンプラーなどを使用したパッキーマオの味付けのパスタ料理が存在している[7]

その他

各国ではレトルト食品瓶詰缶詰ソースが売られており、簡便に食事が取れることから、パンに替わる主食としてパスタが広く普及している。


注釈

  1. ^ 細長い形状にこだわらないという点では、むしろ中国語の「」 (簡体字「」) に非常に近いと言える。
  2. ^ 日本では、本来のオオムギの意味と区別するために「オルゾ・パスタ」または「オルゾー・パスタ」といった呼び名も見られる。

出典

  1. ^ Emily Wise Miller - A Food Lover in Florence
  2. ^ Schwartz, Arthur. Naples at Table. Harper Collins, New York, 1996. p.128
  3. ^ a b c 池上俊一『パスタでたどるイタリア史』岩波ジュニア新書
  4. ^ 石毛直道『世界の食べもの 食の文化地理』P234 講談社学術文庫。
  5. ^ 10月25日は世界パスタデー”. 2014年10月25日閲覧。
  6. ^ 澁川祐子『ニッポン定番メニュー事始め』彩流社、41頁。 
  7. ^ タイ料理:スパゲティキーマオ(สปาเก็ตตี้ผัดขี้เมา) | タイNavi”. thailand-navi.com (2019年3月20日). 2021年1月11日閲覧。
  8. ^ DECRETO DEL PRESIDENTE DELLA REPUBBLICA 9 febbraio 2001, n. 187
  9. ^ 「パスタは食べても太らない」──カナダ研究”. ニューズウィーク日本版 (2018年4月4日). 2018年4月8日閲覧。
  10. ^ Schwartz, Arthur. Naples at Table. Harper Collins, New York, 1996. p.134
  11. ^ a b c 大阪あべの辻調理師専門学校著『パスタプロの隠し技』光文社、2000年、20-23頁。ISBN 4-334-97285-3 
  12. ^ a b イタリアでパスタを食べる時にスプーンを使うのは子供だけ マネーポストWEB、2018年8月9日
  13. ^ a b 意外と知らない!?パスタの食べ方のマナーを解説! DELISH KITCHEN、2020年8月14日
  14. ^ 「リングイネ」を知る!おすすめのパスタ3選”. ニューオークボ. 2021年11月15日閲覧。
  15. ^ Schwartz, Arthur. Naples at Table. Harper Collins, New York, 1996. p.93-95
  16. ^ Anne Bianchi. From the Tables of Tuscan Women. Ecco, Hopewell, New Jersey, 1995
  17. ^ Pasta”. www.selva.com.tr. 2021年10月19日閲覧。
  18. ^ Pasta – Dobeles Dzirnavnieks” (英語). 2021年10月19日閲覧。
  19. ^ Eurimac” (英語). www.eurimac.gr. 2021年11月5日閲覧。
  20. ^ 美しい国から、美しい味のパスタ|ラティーノ パスタ|富永貿易株式会社”. 富永貿易株式会社 | 富永貿易株式会社. 2021年11月5日閲覧。





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