クイーン (バンド) 関連人物

クイーン (バンド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 08:08 UTC 版)

関連人物

交友のあった音楽家

エルトン・ジョン
イギリスを代表するアーティストで、クイーンとは同期。かつて、クイーンと同じくジョン・リードからマネジメントを受けていた。マーキュリーの死後、長年バンドとしての活動を行っていなかったクイーンを、ジョンは「車庫に入ったフェラーリ」と評した。1992年フレディ・マーキュリー追悼コンサートでは「ボヘミアン・ラプソディ」を、1997年には「ショウ・マスト・ゴー・オン」をクイーンと演奏した。この「ショウ・マスト・ゴー・オン」をジョンは気に入っており、自身のライブで度々カバーしている。
マイケル・ジャクソン
史上最も成功したエンターテイナー[37]。クイーンの初期の頃からのファンであり、度々ライブを見に来ていたことから、メンバーとの交友が始まった。1980年前後から互いの声質や衣装、音楽性に影響が見られる。
クイーンの代表曲の一つ「地獄へ道づれ」は、もともとジャクソンに提供した曲であった。ジャクソンはこれを気に入っていたが、プロデューサークインシー・ジョーンズが難色を示したため、結局クイーンが歌うことになったという。しかし今度は、クイーンの中で「シングルカット派」と「アルバムのトラック派」で意見が割れていた。ジャクソンは「この曲は絶対に出すべきだ」と助言をしたが、クイーンのイメージに合わないディスコ調に違和感を覚えていたテイラーは「あの曲は絶対にヒットになんかならないんだから。どこまで勘違いしたら気が済むんだ!」と強く反論したという。結局、シングルカットされた「地獄へ道づれ」は世界中で大ヒットとなり、クイーン史上最も売れたシングルとなった。この件以降、ジャクソンはジョーンズに対する発言力が強くなったといわれる(しかし「地獄へ道づれ」はその後、一時期クイーンを低迷期に導く火種となってしまったため、テイラーの推測も当たっていたことになる)。
1980年初頭、仲の良かった2人は「ステイト・オブ・ショック」「ヴィクトリー」「生命の証」といった楽曲を共同録音しており、「ステイト・オブ・ショック」はジャクソンのアルバム『スリラー』に収録しようと考えていた。しかし、まもなくマーキュリーとジャクソンの交友は絶たれてしまい、3曲とも2人によるバージョンのリリースは見送られた。その原因としては、以下のことが挙げられている。
  • ジャクソンが「ステイト・オブ・ショック」の制作中に、スタジオに勝手にラマを連れ込み、これに憤慨したマーキュリーは、製作途中で帰ってしまった。結局「ステイト・オブ・ショック」は、『スリラー』に収録されなかったが、アルバムが超人的なヒットを記録したことを受け、マーキュリーはインタビューで「あのアルバムに俺とマイケルの曲が入っていれば大金持ちになれたのに」という冗談を披露したが、ジャクソンがこれを真に受けてショックを受けてしまった。
  • 1980年代はお互いが多忙を極めていた。ジャクソンは『スリラー』の大成功を受けて世界最大のポップスターとなっており、次作の制作やワールドツアーを敢行していた。一方のマーキュリーもソロ活動とバンド活動を並行しており、マイケルと交友する時間は取れなかった。
しかしながら、1997年にリリースされたジャクソンの楽曲「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」は、クイーンの楽曲「ウィ・ウィル・ロック・ユー」からヒントを得て制作されたといわれていることから、お互いの影響はその後も続いたと考えられる。
なお、「ステイト・オブ・ショック」は1984年ミック・ジャガーを迎えて完成され、ザ・ジャクソンズ名義のアルバム『ヴィクトリー』に収録された。「生命の証」に関しては、ジャクソン死後に新たな演奏を加えたミックスがコンピレーション・アルバムクイーン・フォーエヴァー』に収録された。「ヴィクトリー」は未だに正式なリリースは行われていない。
デヴィッド・ボウイ
イギリスのグラム・ロッカーモントルーでメンバーと親しくなり、1981年にクイーンと「アンダー・プレッシャー」を共作・レコーディングし、全英1位を獲得した。マーキュリーの追悼コンサートではユーリズミックスアニー・レノックスと本楽曲を披露した。
ジョージ・マイケル
イギリスの人気デュオ、ワム!のボーカリストで、ソロでも成功した歌手。かつて、マーキュリーと同じ人物からボイストレーニングを受けていたことがある。フレディ・マーキュリー追悼コンサートでは、クイーンと「愛にすべてを」を披露し、あまりの完成度の高さに「ジョージを加えて新生クイーンが誕生するのではないか」との噂が立った。そのあと、クイーンとマイケルによる「愛にすべてを」のライブ演奏はシングル「ファイヴ・ライヴ」としてリリースされ、全英1位を獲得した。
ポール・ロジャース
フリーのボーカリストで、フリーの解散後にレッド・ツェッペリンのメンバーとバンドを組んだこともあった。2004年から2009年にかけてメイとテイラーと共に「クイーン + ポール・ロジャース」名義で活動した。現在はバッド・カンパニーで活動している。

影響を受けた音楽家

ビートルズ
世界で最も成功したロックバンド。特にジョン・レノンからの影響は大きかった。レノンが暗殺された翌日のコンサートで、彼の代表曲「イマジン」をカバーしたり、1982年にリリースされたアルバム『ホット・スペース』にはレノンの追悼曲「ライフ・イズ・リアル(レノンに捧ぐ)」を収録している。また、70年代後半にレノンが「愛という名の欲望」を聴いて再び創作意欲が湧いたとも言われている。
ジミ・ヘンドリックス
27歳という若さで夭折した伝説のギタリスト。右利き用のギターを逆さまにして左利きの構えで演奏するスタイルで知られる。ギターを歯や背中で弾いたり、火を放ったり破壊したりするパフォーマンスで有名。彼の個性的なギターの演奏法やステージパフォーマンスは、マーキュリーやメイが大きく影響を受けている。特にマーキュリーはライブに度々足を運ぶほどの熱狂的なファンであり、14日連続で彼のライブを観たこともある。
エルヴィス・プレスリー
1977年に42歳という若さで亡くなったプレスリーも、クイーンに大きな影響をもたらしている。1973年から1985年頃までは、プレスリーの楽曲「監獄ロック」をライブでカバーしている。

嫌っていた音楽家

カーペンターズ
アメリカの兄妹ポップス・デュオ。クイーンのプロフィールに「嫌いなアーティスト」として彼らの名前が挙げられていた。共に駆使していた多重録音に対する考え方の違いであったと言われている。
シド・ヴィシャス
イギリスのパンクロックバンド、セックス・ピストルズの2代目ベーシスト。かつてクイーンと同じスタジオでアルバムを制作していた時、事務所を通さず雑誌取材に応じたマーキュリーの写真がタブロイド紙に悪意ある題名で記事にされ、それを読んだヴィシャスが、クイーンが録音をしている最中にスタジオの調整室に乱入。マーキュリーに対し「バレエを大衆に広めるのに成功したか?」と侮蔑的に絡んだため、マーキュリーは「シドの名前をサイモン・フェロシアスと呼びながら襟首を掴んでスタジオから追い出した」という(『クイーン:輝ける日々』本人および関係者の証言より)。

注釈

  1. ^ 1991年にエイズによるニューモシスチス肺炎で死去。
  2. ^ 1997年に事実上引退(ただし、正式な引退や脱退は表明されていない)。
  3. ^ 余談ではあるが、イエスのメンバーであるスティーヴ・ハウが「イニュエンドウ」でゲスト参加している。
  4. ^ なおしばしば「本国では当時そこまで人気が無かったが、日本では大人気だった」「日本での人気がきっかけで世界的バンドになった」などと語られることがあるが、これらは誇張された話であり事実に反する。

出典

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