はね駒
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はね駒 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
作 | 寺内小春 |
演出 |
岡本喜侑 菅野高至 大森青児 末松緑朗 木田幸紀 二瓶亙 安本稔 |
出演者 |
斉藤由貴 樹木希林 渡辺謙 小林稔侍 ガッツ石松 柳沢慎吾 矢崎滋 美保純 永島暎子 高橋ひとみ 二谷友里恵 花沢徳衛 地井武男 白川由美 丹阿弥谷津子 山内明 沢田研二 |
ナレーター | 細川俊之 |
音楽 | 三枝成彰 |
国・地域 | 日本 |
言語 | 日本語 |
時代設定 | 1890年(明治23年) - 1912年(明治45年) |
製作 | |
制作 | 岡本由紀子 |
製作 | NHK |
放送 | |
放送チャンネル | NHK総合 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1986年4月7日 - 10月4日 |
放送時間 | 月曜 - 土曜 8:15 - 8:30 |
放送枠 | 連続テレビ小説 |
放送分 | 15分 |
回数 | 156 |
番組年表 | |
前作 | いちばん太鼓 |
次作 | 都の風 |
明治から大正に活躍し、女性新聞記者の草分けといわれた磯村春子がモデルの作品。福島県の相馬に育った「はね駒」(=おてんば娘)の主人公が、仙台の女学校で英語を学び、上京・結婚・出産を経て新聞記者の道を拓く半生を描く。
概要
前年にデビューし、当時アイドルとして人気絶頂であった斉藤由貴が主演を務めた。なお、斉藤の起用はオーディションによるものである[注 1]。なお、白川由美と二谷友里恵は親子で共演している。
福島県が主な舞台になった最初の作品。また、宮城県が舞台になるのは第11作『繭子ひとり』以来で、放送期間が半年体制になってからは初めてとなった[2]。
主人公のモデルは、都市社会学者・磯村英一の母で、女性新聞記者の草分けといわれた磯村春子(1877年3月16日 - 1918年1月31日)。ストーリーには、肉親の死や日露戦争なども織り込まれていたが、全体としては軽快なタッチで展開された。一方、オープニングテーマは重厚で重々しい曲調であった。
1986年の平均視聴率は41.7%、最高視聴率は49.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[3]。
放送ライブラリーでは第1回が公開[4]。
NHK BSプレミアム『連続テレビ小説アンコール』として、2020年3月23日から9月19日まで(月曜から土曜の7時15分から7時30分)と、同年3月29日から9月20日まで(毎週日曜の12時から13時30分に6話連続)の2枠で、同時に再放送された[5]。
あらすじ
橘りんは、福島県相馬市で父方の祖父母と両親、妹と暮らしていた。りんには親の決めたいいなずけがいたが、初恋の相手である東北女学校教師・松浪毅との出会いにより、自分の生き方に対して疑問を持つようになる。そして、結婚を自ら破談にしてしまい、東北女学校への進学を志す。父親に一度は勘当されながらも、女学校の試験に合格。給費生として寄宿生活を送ることになる。
当初は成績不振で給付打ち切りの危機にも直面するが、苦学して優秀な成績で卒業したりんは女学校の教師となる。その後、妹の死をきっかけに家族と共に上京。叔父の下で働いていた小野寺源造と結婚する。
子供も生まれ、幸せな生活が続くかと思われた矢先、源造が商売に失敗し、借金を抱える。働くことを決意したりんは、新聞社の見習記者として働き始め、持ち前の情熱と行動力で、女性ならではの視点から書いた記事が評価されるようになる。
仕事と家庭の両立に悩みながらも、第一線で活躍する記者として成長していく。
注釈
- ^ 本作以降、再びヒロインオーディションが行われるようになっている。
- ^ 当時の慣例に従い、以下数え年で表記する。ちなみに、現在では13歳に相当。
- ^ 学費が免除される代わりに、賄いの手伝いや奉仕活動を行うことが義務づけられる生徒。
- ^ 源造の持ち家であり、結婚後の住まいを前提とした引っ越しである。
- ^ 当時、東京・京都間は片道13時間以上の長旅である。
- ^ 後に男子であることが判明。
- ^ 郵便箱を「便垂箱(べんたればこ)」と読むほどである。
- ^ その時、りんの同級生・節子からは「お母さま」と言われ、悪い気はしていなかった。
- ^ 後にりんの結婚相手となる源造の父から、その人間性を「まがい物でない人」と称えられる。
- ^ やえが女学校へりんの様子を見に行った際には、黙って汽車代を出していた。
- ^ 弘次郎はもともと近所付き合いをほとんどしておらず、それが誤解が広まった一因でもある。
- ^ 軍隊における雑用係。
- ^ さらには徳右衛門自身も長男(=弘次郎の兄)に先立たれており、実子を亡くす辛さを理解している。
- ^ やえが心労で倒れた際には、自ら台所に立って炊事をするほどである。
- ^ りんが家事を得意としているのは、ことの影響も大きい。
- ^ 嘉助は次男であるが、物語開始前に長男は幼くして亡くなっている。
- ^ りんへの結納金を前借りした。ちなみに、当時は大卒初任給が18円前後の時代である。
- ^ 既にみどりは懐妊していた。いわゆるできちゃった結婚である。
- ^ この時、りんが源造に相談して彼女を無理やり連れて帰ろうと計画し、やえと弘次郎に2人の関係に大きな変化があったと悟らせる。
- ^ 兄・弘次郎とは一回り年下だが、彌七という名前から詳細は不明だが、彼には弘次郎の他に4人、兄姉がいる。
- ^ 偶然、橘家の隣人・鶴次と同じ船であった。
- ^ 後に、きわの店で松浪の陰謀を噂していた客をりんと共に一喝している。
- ^ 源造の持ち家を担保にしたことで、どうにか破産は免れた。
- ^ このとき、編集長・津村や同僚記者からは「ルビちゃん」と呼ばれ、可愛がられた。
- ^ りんの祖父・徳右衛門の見立て。
- ^ このとき、りんは実家に帰省せずに夏休み返上で猛勉強に取り組んだ。
- ^ くにの話によると、1895年時点で「東京で小説を書いている」とのこと。
- ^ このことが、後にりんが新聞記者となるきっかけの一つとなる。
- ^ 109話にて名字が判明。
- ^ 彼の後任として来たのが梅沢である。
- ^ りんが千代の第3子出産を手助けした際、偶然にも源造が居合わせており、それが後に夫婦となるりんと源造の初対面となった。
- ^ しかし、そのことがりん・源造の縁結びに一役買う結果となった。
- ^ 新之助のことも、あまりよく思っていなかった。
- ^ このとき、未だにりんに対して未練のある様子を見せており、弘次郎とやえを閉口させていた。
- ^ 自身も息子(=新之助の父)に先立たれている。
- ^ 皮肉にも上京後、桂庵の主人に知識がある女学校育ちの女には働き口がないことを告げられ、その意味を思い知らされる。
- ^ 当時の肺病は生まれつき発症する伝染性病原体(遺伝的保因者)の病気と考えられていた。
- ^ しづは、夢枕に立った滝村から「まだこっちに来ないのか」と誘われる夢を見ていた。
- ^ 親から厳しく申し付けられたらしい。
- ^ なお、節子役の二谷友里恵は白川由美の実の娘である。
- ^ 罪悪感が芽生えたか、持ち逃げする前日に「東京は怖い町」とりんに話していた。
- ^ 津村は当初、りんと弘次郎が親子であることを知らずに店に通っていた。
- ^ 前年の大河ドラマ春の波涛で撮影された芝居シーンのアーカイブ使用(使い回し)で登場。
- ^ 最終回で、弘次郎のコーヒー店の客役として特別出演。
- ^ 最終回で、主人公とすれ違う通行人役として特別出演。
- ^ DVD-BOX『沢田研二 IN 夜のヒットスタジオ』(2011年発売)ディスク6収録映像では1986年6月時点で既にロングソバージュヘアに変えている。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m 日本放送協会放送文化調査研究所 放送情報調査部 編『NHK年鑑'87』日本放送出版協会、1987年9月25日、100頁。
- ^ 「NHK放送史『朝ドラ100』」の「ご当地マップ『福島』、『宮城』」を参照。
- ^ ビデオリサーチ NHK朝の連続テレビ小説【関東地区】より
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 放送ライブラリー program番号:177845
- ^ “再放送情報 連続テレビ小説アンコール「はね駒(こんま)」”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2020年2月13日). 2020年3月21日閲覧。
- ^ 斉藤由貴 - NHK人物録
- ^ 「熱烈歓迎!おりんちゃん」『財界ふくしま』第15巻第7号、行政問題研究所、1986年7月10日、16 - 18頁、NDLJP:2832650/9。
- ^ 柳沢慎吾 - NHK人物録
- ^ “9月18日は宮城学院の創立記念日”. クリスチャンプレス (2019年9月18日). 2020年4月7日閲覧。
- ^ 高橋ひとみ - NHK人物録
- ^ 白川由美 - NHK人物録
- ^ 朝ドラの55年〜全93作品完全保存版 2015年10月17日 ISBN 978-4144072130
- ^ “NHK「はね駒」再放送へ 主人公出身校の宮城学院女子大が働き掛け”. 河北新報オンラインニュース (河北新報社). (2020年3月20日). オリジナルの2020年3月21日時点におけるアーカイブ。 2020年3月21日閲覧。
- ^ 2020年3月30日 衛星ハイビジョン・BSプレミアム 番組表 - NHKクロニクル
固有名詞の分類
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