セリカ
天の、天空の、神のという意味のスペイン語。未来を先取りしたスペシャリティカーにふさわしいネーミングで、宇宙のイメージとクルマのイメージを結合した。1970年10月に産声を上げた。セダン、クーペ、ハードトップのいずれにも該当しないクルマだった。
初代は日本のスペシャリティカーとしてはパイオニアといえるクルマで、販売システムに最大の特徴があった。購入者が好みのタイプをディーラー店頭のコンピューターにインプットすると、オンラインでトヨタ自販(当時)の大型コンピューターにつながり、早い納期を可能とした。グレードはET、LT、ST、GTと4タイプあった。価格は57万円~100万円。
71年11月、1.4L車に5速ミッションを追加。翌年8月の最初のマイナーチェンジでは、全高を10mm下げ、ハードサスペンションを組み込んだ1600GTVというモデルを設定した。73年4月にサスペンションとプロペラシャフトを強化した2Lモデルを加え、同時にリヤに大きなハッチゲートを備えたリフトバックをバリエーションアップ、大人気となった。具体的には従来型に比べてフロントのオーバーハングを70mm延長、リヤオーバーハングを20mm縮小し、全幅を20mm広げた、スポーツスペシャリティ。従来型はクーペと呼ぶようになった。
74年1月、LB2000にEFIモデルを設定。装備面ではサイドヒンジ式ワイパーを採用した。75年10月、昭和50年排ガス対策によるエンジンルームの拡大で、ホイールベースを70mm延長、フロントトレッドも50mm広がった。
2代目となったのは77年8月。高品質・高性能をテーマに揚げ大きく変身した。北米のデザイン拠点CALTY提案のスタイリングで、空力特性に考慮したモデルだった。クーペとリフトバック2種のボディがあり、エンジンはOHVの1.6Lと、DOHCの1.6L、1.8L、2Lがあった。6年8か月ぶりのモデルチェンジだった。78年3月、LBに日本初のサンルーフをメーカーオプション設定したことで注目を集めた。4月、2000/2600XXを設定。ハイグレードモデルで、パワーウインドウやリモコンドアミラーを標準装備。ノーズも若干延びた。9月には、GTVモデルを廃止し、2000GTラリーを新設。80年8月にはXXの2600が2800に、つまり直6・2.8Lの5M-EU型エンジンに変わった。
3代目は81年7月に登場した。それまでは主要コンポーネンツがカリーナと共通だったが、この時から単独車種として生まれ変わった。XX(78年4月登場)、リフトバック、クーペの基本3車型は従来どおりだが、XXが個性を出したモデルとなった。ライスアップヘッドランプも特徴のひとつだった。83年8月のマイナーチェンジではエンジン関係に変更があった。1.6Lが2T-GEU型から4バルブの4A-GEU型に、2LターボのM-TEU型に水冷式インタークーラーを追加。2Lの1G-EU型にマイコン制御システムTCCSを投入した。ボディではLBとクーペのグリル、ヘッドランプのデザインを一新した。XXに関してはボディの変更はなく、85年1月に、エンジン性能の向上策を施した。それも燃料噴射量の精密制御や、エンジン総合制御システムの充実などが主力だった。
85年8月、4代目誕生。全体的な印象が直線基調から流面形へ。駆動方式はFRからFFへと方向を変えた。ボディ形式はハッチバックだけとなった。ただ、XXはそのまま継続した。86年10月にフルタイム4WD仕様の2000GT-Fourを追加、87年10月にコンバーチブルを設定。
5代目のデビューは89年9月。先代より丸みを強調した形になった。エンジン、シャシーは改良型だが、2Lタイプ一本に絞った。しかし、世界初のアクティブコントロールサス、デュアルモード4WS、メカニカルセンシングSRSエアバッグ、日本初のトルセンLSDなど最新技術を積極的に取り入れたモデルでもあった。90年8月にワイドボディのGT-Four・Aと、4人乗りコンバーチブルモデルを追加した。
93年10月登場の6代目は、全幅を1750mmとしたことで3ナンバー・サイズへ移行した。ホイールベースとトレッドも広がった。丸形異形4灯ヘッドランプが最大の特徴だった。エンジンは2Lが2タイプ。3S-FEと3S-GEだが、両方とも細部の改良と出力向上を図っていた。94年2月、スポーツモデルのGT-Fourが新型に移行した。アルミ製エンジンフードとパワーバルジ、リヤスポイラーも標準装備。エンジンはインタークーラー付きターボの3S-GTE、駆動方式はフルタイム4WD、ミッションは5速MTという仕様だった。
94年9月に3世代目のコンバーチブルに変わった。国内生産のボディにアメリカASC社の電動開閉ソフトトップが付いた。定員4人。エンジンは2Lツインカムの3S-GEを積む。
95年8月、フロントバンパー、グリル、テールランプなどのデザインを変更した。運転席エアバッグは一部車種を除いて標準装備。96年1月にはコンバーチブルのフロントバンパー、ウィンカーランプなどを変えた。助手席SRSエアバッグを標準装備とした。97年12月、2Lの3S-GE型エンジンにVVT-i技術を採用、最高出力を180psから200psにアップ。大型リヤスポイラーやアンダースポイラーなども装備した。
7代目は、99年9月にデビューした。それまでの2Lターボや4WDモデルを廃止、エンジンも自然吸気(NA)の新世代1.8L・145/190ps仕様の2種に整理。駆動方式はFF。流麗なウエッジシェイプをもつ2ドア+ハッチバックのスタイルも特徴のひとつ。ホイールベースが65mm延びたものの、全長は100mm短縮。全幅もわずかに狭められた。ミッションは5/6速MTと4速スーパーECTが付く。6速にはスポーツステアシフトマチックも装備。駆動方式はFFだけで、4WDの設定はない。ベーシックモデルのSS-Iと、ちょっとホットなSS-Ⅱ。SS-Ⅱには6速MTでスーパーストラットサスペンション搭載のスーパーストラットパッケージというモデルがあった。
2002年8月にマイナーチェンジを行い、全車にディスチャージヘッドランプを装着したほか、フロントバンパー、リヤコンビネーションランプ、リヤライセンスガーニッシュなどの意匠を変更した。またフロント、リヤサスペンションに新設計のリニアコントロールバルブ付きショックアブソーバーを採用した(スーパーストラットパッケージは除く)。
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