第三水雷戦隊
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略称は三水戦。解隊と再編を幾度も繰り返している。太平洋戦争で活躍した第三水雷戦隊は、1940年(昭和15年)5月1日に第一艦隊隷下において再編された部隊である。新任の三水戦司令官は藤田類太郎少将、旗艦は軽巡洋艦川内であった。日米艦隊決戦における夜戦では、三水戦と第八戦隊(利根、筑摩)で第四夜戦隊を編成する。 太平洋戦争開戦時はひきつづき第一艦隊に所属し、司令官は橋本信太郎少将であった。緒戦は南方作戦に参加、馬来部隊(指揮官小沢治三郎南遣艦隊司令長官)としてマレー作戦や蘭印作戦に従事した。1942年(昭和17年)5月から6月のミッドウェー作戦では、連合艦隊司令部(旗艦大和)を含む主力部隊を護衛した。8月からガダルカナル島の戦いに投入され、第三水雷戦隊司令官が外南洋部隊(指揮官三川軍一第八艦隊司令長官)増援部隊指揮官として、ガ島戦に参加した。 1943年(昭和18年)2月初旬のガ島撤収作戦成功後、橋本信太郎少将の後任に木村昌福少将が内定し、2月14日付で第三水雷戦隊司令官に補職された。ガ島撤収後の外南洋部隊増援部隊(指揮官/第三水雷戦隊司令官)は、川内、第8駆逐隊(大潮、荒潮)、第9駆逐隊(朝雲)、第10駆逐隊(秋雲、風雲、夕雲)、第11駆逐隊(白雪、初雪)、第16駆逐隊(雪風、時津風)、第19駆逐隊(浦波、磯波)、第22駆逐隊(皐月、文月、長月)、夕霧という戦力であった。2月中旬にラバウルへ移動した木村少将(三水戦司令官)は軽巡川内に将旗を掲げるが、第八十一号作戦実施にあたり駆逐艦白雪を旗艦とした。3月3日のビスマルク海海戦で白雪は沈没し、木村少将は敷波に移乗した。木村少将は負傷して入院し、三水戦司令官に江戸兵太郎少将が補職された。まもなく秋山輝男少将が三水戦司令官に任命された。 4月1日、昭和十八年度帝国海軍戦時編制により第一艦隊から第一水雷戦隊と第三水雷戦隊が除かれ、第三水雷戦隊は南東(ソロモン海域)方面を担当する第八艦隊に編入された。また第四艦隊隷下の第二海上護衛隊に所属していた軽巡夕張が同部隊から除かれ、第三水雷戦隊に編入された。第八艦隊には軽巡洋艦龍田が所属していたが舵取機に深刻な故障を抱えており、同日付で新編された第十一水雷戦隊(訓練部隊)旗艦へ転出している。引き続き三水戦に所属する川内も、修理と整備のため内地に帰投し、三水戦司令官は夕張を旗艦として作戦をおこなった。その後、秋月型駆逐艦新月がラバウルに進出して秋山少将の旗艦となるが、ニュージョージア島の戦いに伴うクラ湾夜戦で新月が沈没し、秋山少将は戦死、第三水雷戦隊司令部は全滅した。 新月沈没により三水戦司令部が全滅したため、伊集院松治大佐が第三水雷戦隊司令官に任命された。新司令官着任まで、重巡鳥海艦長有賀幸作大佐が増援部隊の指揮を執った。なお前述のように第三水雷戦隊には軽巡洋艦夕張が配備されていたが触雷の被害を受けており、伊集院司令官は内地での修理を終えてラバウルに戻ってきた軽巡川内に将旗を掲げて出撃した。また駆逐艦秋雲を臨時の旗艦として作戦に臨むこともあった(セ号作戦、第二次ベララベラ海戦など)。11月初頭のブーゲンビル島沖海戦で川内が沈没すると、三水戦司令部は駆逐艦五月雨と天霧を経由して、軽巡夕張に将旗を掲げた。12月前半は所属艦を修理と休養にあてることになり、12月2日に三水戦司令部は将旗をラバウル陸上に移した。12月16日、三水戦司令官は伊集院少将から中川浩少将に代わった。 1944年(昭和19年)2月になると連合軍の空襲が激化し、三水戦司令官指揮下の駆逐艦は漸次ラバウルから撤退した。2月20日、駆逐艦夕月(夕張が内地帰投中のため、臨時の三水戦旗艦)と水無月は南東方面における最後の駆逐艦輸送をおこない、パラオにむかった。3月10日、三水戦と駆逐艦3隻(松風、秋風、夕凪)は中部太平洋方面艦隊(司令長官南雲忠一中将)に編入された。4月28日、三水戦旗艦の夕張が潜水艦ブルーギルの雷撃で沈没し、三水戦司令部は駆逐艦夕月に救助されてサイパン島に移動した。日本海軍は、中部太平洋方面艦隊に所属する軽巡洋艦名取を第三水雷戦隊に編入した。名取は6月5日に呉を出発、ダバオ輸送を実施したあとパラオに移動する。この間にサイパン島の戦いがはじまって三水戦司令部はサイパン島から脱出できなくなり、7月8日のサイパン島陥落時に玉砕した。中部太平洋方面艦隊の消滅により、第三水雷戦隊は連合艦隊付属となる。連合艦隊は三水戦を対潜部隊として再建する意向であった。8月15日、三水戦司令官に再び江戸兵太郎少将が任命される。8月20日、三水戦残存部隊を中心に第三十一戦隊(旗艦五十鈴)が新編された。江戸少将(三水戦司令官)が第三十一戦隊司令官に補職されている。
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