開戦時
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 23:19 UTC 版)
第二次世界大戦開戦時、Mk.14は磁気信管と触接信管が両方装備されたMk.6信管を使用していた。ところが、Mk.14が使用されると、深度調定機構の不具合による過深航走や磁気信管の早期爆発など、多くの欠点が発覚した。アメリカ海軍では戦前から磁気信管の改良は行われていたものの、高価な魚雷を試験として爆発させることが禁止されており、不具合の確認ができないまま戦争を行うことになってしまったことが影響したとされる。一方の触接信管は若干強度不足の面があり、命中した角度によっては不発の可能性もある状態であったが、実用レベルにはあると判断された。開戦後まもなくして一部の部隊では磁気信管の使用を禁止し、取り外して使用された。しかし、兵站局(英語版)側は磁気信管の欠陥を認めず取り外しできないようにする措置を講じ、それに対抗して部隊側は様々な手段を用いて取り外す努力を務めるなどのいざこざも起きたという。 これらの欠陥に加え、開戦直後には潜水艦魚雷自体の在庫が数百発しかなく、Mk.14の月産量は60発が限界という状態であった。魚雷の生産拡大計画も持ち上がっていたものの、空気魚雷用の気室生産が進まず、急速に生産増加も図れない状態であった。そのため、米海軍は生産が容易な電池魚雷の採用を決断したが、開発や試験時の問題修正に時間がかかったため、米海軍は魚雷不足と性能不良に悩まされたまま開戦後の1年半を戦うこととなった。
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