かむ‐おや【▽神▽祖】
しん‐そ【神祖】
神祖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:36 UTC 版)
グィネヴィア(Guinevere) フランスのブルターニュを本拠地にしている《神祖》。アーサー王の王妃・グィネヴィアの名を名乗り、「魔女王」「最も正統なる神祖」を自称する、神祖の女王となるべき存在。 かつては『白き女神(グウェンフィファル)』と呼ばれる地母神であり、欧州本土では『槍の神(=後のランスロット)』と共に神王の1柱『智慧の女王』としてサルマタイの民に崇められていた。竜蛇としての姿は白い竜で、翼から緊縛の呪法を込めた風を起こし、口から氷の息を吐く。5世紀にウェールズに流れ着き、人間から命の恵みと死の脅威を振りまく『まつろわぬ神』として畏れられていたが、『この世の最後に顕れる王』ラーマに惚れ込んでランスロットと共に王の臣下となり、復活の度に力を取り戻すための厳しい流浪の旅を強いられる彼の姿を見かねて、女神としての力を全て注ぐことで神具『魔導の聖杯』を創り、死にかけの命を自ら望んで聖杯に捧げて女神としての生を終えた。『最後の王』の休眠から数百年後に《神祖》となって復活、神刀の探索を行う傍ら、王を再臨させる触媒とするためクレティアン・ド・トロワらと結託、テンプル騎士団を利用してアーサー王伝説を広め、上位魔女たちのネットワークを作り上げるも、12世紀末ごろ当時のカンピオーネに一度殺された後に再び数百年の時を経て転生したため、現グィネヴィアは2代目である。金髪のクラシックドールのような美しさを持つ12、3歳の美少女だが、「転生してから100年も経っていない」という発言から人間の視点からすればかなり高齢。 神祖としての力は格別で、短時間ならば水と大地の神気を神獣へと変えて顕現させることができ、聖杯の呪力を借りればまがいものの神すら作り出せる。その一方で、視野が狭く見たくないものから目を背けたがるなど精神的に成熟しきっていないところがある。 8年前、アレクに接触し、聖杯を取引の材料として『最後の王』探しを持ちかけるが失敗し、それ以来長い因縁がある。6年前には聖杯の魔力の大半を利用して『最後の王』招来を図るも、トーマス・マロリーがアーサー王伝説に手を加えていたため、せっかく招来に成功したまつろわぬアーサーは『最後の王』とは異なる新しい神格となってしまっていたうえ、アーサー王はアリスと協力したアレクによって封印されてしまう。また、それと前後して妖精境につながる当時の本拠地の森を、侵入してきたアレクによって追われている。 6巻では日本の竜蛇避けとして封印される《鋼》が『最後の王』か否かを確かめるために羅豪教主に取り入り、アーシェラを差し出して斉天大聖の復活に裏で暗躍しており、自らも日本で『古老』について調査していた。9巻で長年捜し求めていた最強の《鋼》の手がかりをつかみ、先代が残した神刀を用いて「神槍エクスカリバー」を鍛え上げるなど様々な計略をめぐらせ、その一環としてアテナとの戦闘を控える護堂たちの前に姿を現し、聖杯を起動させる呪法を授ける。その後、聖杯の活動が停止したため、護堂がアテナを倒すよう後押ししようとするも恵那に妨害され、神獣・水竜を直接操って闘いを挑んだが、イタリアから帰国したエリカの『聖絶』で神獣を倒され敗走する。 10巻では東京湾に突如現れた「浮島」こそが王の眠る「アヴァロン」だと確信し、ランスロットの権能で味方に取り込んだ護堂にアレクの相手を任せ、聖杯で創り出した偽ミノスの力で魔の海を打ち破る。直後に《さまよう貪欲》に捕えられたランスロットと引き離され、《無貌の女王》により第二海堡まで連れ去られアレクと一騎討ちをせざるを得ない状況に追い込まれる。不死性を捨て去ることによって地母神としての本性を一時的に取り戻し、竜蛇の姿で死闘を繰り広げるが、強力な攻撃を繰り出し続けたのが仇となり《復讐の女神》のカウンターを受けて致命傷を負い敗北。自らに蘇生の魔法をかけることでわずかに延命して浮島に到達、神刀にすがり『最後の王』の来臨を願うも答えはなく、最期まで自身が目指した浮島がアヴァロンではなかったことには気づけないまま、聖杯に後事を託し消滅した。 アーシェラ ロサンゼルスの邪術師の集まり《蠅の王》を統括する《神祖》。容姿は華奢な美少女だが、好戦的で傲慢にして残虐な人物。エリカの推測では、その名はメソポタミアの女神アシェラトが変化したものだとされている。竜蛇としての真の姿は、地母神が悪しき獣として貶められた姿であり、世界各地の伝承で畏るべき海の怪物、蛇の姿をした災厄と語り継がれる、まつろわぬ蛇神レヴィアタンで、全長50メートルを超える白銀の大蛇の姿をしている。神祖であるため力量は非常に高いが、自身の能力を過信し、敵対者、特にカンピオーネの実力を過小評価するという悪癖がある。 ジョン・プルートー・スミスとは長きにわたる因縁があり、ロサンゼルスにて雌雄を決するべく竜蛇の封印を解き『水と大地の霊気』を使って自爆し彼の殺害を図る。部下の命を対価に復活を果たすがスミスも爆発から生き延びており、慢心が祟り油断していたところを「アルテミスの矢」で撃たれ致命傷を負い、再度竜蛇の封印を解き最後の戦いを挑むも『殲滅の焰』で焼かれて敗北。その後はグィネヴィアに回収されて延命措置を受け、死を待つ身という理由もありグィネヴィアの要請を承諾して猿猴神君復活に利用され、日光の人々の精気を奪って再び竜蛇の姿に戻るがエリカとリリアナの攻撃を受け瀕死の重傷を負う。地上に顕現した斉天大聖に有事の備えとして瀕死のまま保管され、最期は護堂との戦いで負った傷を癒すために食べられて断末魔の絶叫を上げながら完全に死亡した。 玻璃の媛君 詳細は「#玻璃の媛君」を参照 パラス・アテナ 詳細は「#パラス・アテナ」を参照
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神祖(しんそ)
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かつて神の座から追われた大地母神の一部が人の姿をとったもので、「大地の娘」「疑似女神」とでも言うべき存在。神祖の多くは『最後の王』ラーマによって命を吸い上げられて生まれているが、同じ原理で聖杯に命を捧げて神祖となったグィネヴィアなども存在する。人を超えた異能を持ち、強力な者では半神に匹敵すると言われ、不老不滅であるためたとえ殺されても数百年の時を経て転生し復活を果たす。原則的に前世の記憶は転生の度に失われるが、何らかのきっかけで記憶を取り戻すこともある。
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