変圧器
変圧器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/29 03:00 UTC 版)
「キュービクル式高圧受電設備」の記事における「変圧器」の解説
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変圧器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 17:43 UTC 版)
詳細は「変圧器」を参照 変圧器は、電磁誘導現象を利用して交流の電圧を変換する装置である。変電所における最も基本的な装置である。変電所で取り扱う電気は通常三相交流であり、変圧器も三相用のものか、あるいは単相用のものを3つ接続して三相交流用に使用している。変電所に設置される変圧器は大変大きなもので、工場で製造して搬入することには様々な困難を伴う。このことから、かつては単相交流用のものを3つ搬入することが多かった。さらに変圧器の取り扱い電圧が高くなり大容量化すると、それでも搬入が困難なほど巨大化してきたため、工場で生産した部品を搬入して現地で組み立てる方式が一般的となり、三相式の変圧器を用いることが普通になった。単相式変圧器を用いた場合に比べて、三相式を用いると同容量で半分程度に面積を縮小することができる。 変圧器は、絶縁と冷却の方式で分類することができる。変圧器自体は大変効率の高い設備であるが、それでもわずかながら損失が発生してこれが熱に変わる。変電所の変圧器は大電力を取り扱うことから、この放熱が大きな問題となる。この冷却方式は絶縁の方式とも大きく関係している。 乾式変圧器は、間隔を空けて回路を保持することで空気により絶縁する方式で、小容量のものに用いられる。冷却は自然放熱によるか、送風して空気で熱を運び出す方式となる。特に耐熱性の高い絶縁材料を使用して送風により冷却をしたものでは、数千 kVA程度の容量のものまである。変圧器全体の効率的な運転を図るために、変圧器の負荷に応じて送風量を加減する方式もある。巻線などをエポキシ樹脂などで固めたモールド変圧器もある。 油入変圧器は油を用いて絶縁と冷却を行う方式であり、広く用いられている。初期には鉱物油を用いていたが、火災の危険があるためあまり用いられなくなった。またポリ塩化ビフェニル (PCB) も広く用いられていたが、生物に対する毒性の問題から使用禁止となった。現代ではシリコーン油が広く用いられているが、コストが高いという問題がある。油入変圧器では油を循環させることで冷却を行っている。自然対流によるものと強制循環によるものがある。また放熱器にも送風ファンを取り付けることがある。さらに冷却水の配管を油中に通して水冷する方式もある。 ガス絶縁式は、六フッ化硫黄 (SF6) ガスで絶縁した方式で、冷却もこのガスを循環させることで行っている。 負荷の変動に応じて電圧を調整し、また電力系統上の電力の潮流を制御するために、変電所の変圧器には出力電圧を制御するための負荷時電圧調整器(負荷時タップ切換装置)が取り付けられている。巻線に設けられたタップ上のある地点をタップ選択器で選ぶことで、変圧器の巻数比をある範囲で変更可能としているものである。 変圧器では、主に鉄心の磁歪現象により振動と騒音が発生する。住宅地に設置される場合などには騒音対策が必要になることがある。
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変圧器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 17:03 UTC 版)
理想変圧器 理想的な変圧器では、巻線自体の損失をゼロ、磁気回路の損失をゼロ(磁気特性が線形・漏れ磁束無し)と見なす。1次巻線と2次巻線の巻回数がそれぞれ N 1 {\displaystyle N_{1}} 、 N 2 {\displaystyle N_{2}} のとき、巻数比 a {\displaystyle a} は N 1 / N 2 {\displaystyle N_{1}/N_{2}} となる。 右図(b-1)のように、1次側に交流電源 v 1 {\displaystyle v_{1}} を接続し、2次側を開放した場合の関係は、2次側の出力電圧を v 2 {\displaystyle v_{2}} とすれば、 | v 1 v 2 | = N 1 N 2 = a {\displaystyle \left|{\frac {v_{1}}{v_{2}}}\right\vert ={\frac {N_{1}}{N_{2}}}=a} である。 また、右図(b-2)のように、2次側を短絡した場合の関係は、1次側の電流を i 1 {\displaystyle i_{1}} 、2次側の電流を i 2 {\displaystyle i_{2}} とすれば、 | i 1 i 2 | = N 2 N 1 = 1 a {\displaystyle \left|{\frac {i_{1}}{i_{2}}}\right\vert ={\frac {N_{2}}{N_{1}}}={\frac {1}{a}}} である。 また、自己インダクタンスがそれぞれ L 1 {\displaystyle L_{1}} と L 2 {\displaystyle L_{2}} である回路が相互インダクタンス M {\displaystyle M} で磁気結合していると見なした場合の理想変圧器では、相互インダクタンス M {\displaystyle M} を共通とする回路網に変形できる。 右図(c-1)のような入出力電流電圧関係があるとき、4端子のうちの2端子を同一電位として考えるT型回路とすれば、左側( v 1 {\displaystyle v_{1}} )側からみて L 1 − M {\displaystyle L_{1}-M} と M {\displaystyle M} のインダクタンス直列回路、右( v 2 {\displaystyle v_{2}} )側からみて L 2 − M {\displaystyle L_{2}-M} と M {\displaystyle M} のインダクタンス直列回路であり、 M {\displaystyle M} を共通のインダクタンスとしている回路(c-2)と見なせる。 実際の変圧器 理想変圧器とは異なり、実際の変圧器では鉄芯の磁気特性(ヒステリシス特性や励磁電流の必要性)の影響により、交番励磁するための電力(鉄損)が生じる。励磁するための電流は歪み波電流であるが、等価的には実効値が等しい正弦波電流 I 0 {\displaystyle I_{0}} として扱う。励磁電流の負荷は有効電力と無効電力を分ける励磁コンダクタンス g 0 {\displaystyle g_{0}} と励磁サセプタンス b 0 {\displaystyle b_{0}} で構成される励磁アドミタンス Y 0 {\displaystyle Y_{0}} として考える(右図(a))。この励磁アドミタンスにより、2次側が無負荷であっても電流が流れる。 さらに、1次側、2次側巻線には電気抵抗が存在するとともに、各巻線によって発生する磁束すべてが他方の巻線に鎖交するするのではなく一部は空気中を通る漏れ磁束になることから、漏れリアクタンスとよばれる成分が生じる。このため、それぞれの巻線の電気抵抗を r 1 {\displaystyle r_{1}} 、 r 2 {\displaystyle r_{2}} 、漏れリアクタンスを x 1 {\displaystyle x_{1}} 、 x 2 {\displaystyle x_{2}} とおき、理想変圧器を用いて生成した等価回路は右図(b)のようになる。1次電流 I 1 {\displaystyle I_{1}} は励磁電流 I 0 {\displaystyle I_{0}} と理想変圧器の1次電流 I 1 ′ {\displaystyle I_{1}'} になるので、このときの理想変圧器の1次側電圧を E 1 {\displaystyle E_{1}} とすれば、2次側電圧 E 2 {\displaystyle E_{2}} は巻数比 a {\displaystyle a} できまり E 2 = E 1 / a {\displaystyle E_{2}=E_{1}/a} となる。同様に、1次側電流 I 1 ′ {\displaystyle I_{1}'} と2次側電流 I 2 {\displaystyle I_{2}} の関係は、 I 2 = a I 1 ′ {\displaystyle I_{2}=aI_{1}'} で表される。 ここで、右図(c)において、2次側電圧 E 2 {\displaystyle E_{2}} を a {\displaystyle a} 倍して1次側の電圧 E 1 {\displaystyle E_{1}} と同じにし、同時に2次側電流 I 2 {\displaystyle I_{2}} を 1 / a {\displaystyle 1/a} 倍しても2次側の負荷の関係は同じになるので、右図(b)の1次側には影響しない。この関係を満たすために2次側の負荷インピーダンスをそれぞれ a 2 {\displaystyle a^{2}} 倍する。この回路変形を行うことで理想変圧器を省略することができ、右図(d)の等価回路となる。これを2次側を1次側に変換した変圧器等価回路という。 さらに、通常使用される変圧器においては、各巻線の電気抵抗( r 1 , r 2 {\displaystyle r_{1},r_{2}} )や漏れリアクタンス( x 1 , x 2 {\displaystyle x_{1},x_{2}} )は小さく、励磁電流 I 0 {\displaystyle I_{0}} も小さくなるよう作られているために電圧降下の影響も少なくなるので、励磁アドミタンスの位置を右図(e)のように1次側に変更しても実用上問題ない。これを変圧器の簡易等価回路とよぶ。
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「変圧器」の例文・使い方・用例・文例
- この変圧器の価格はどのくらいになりますか。
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- この変圧器の価格を教えて下さい。
- 私は変圧器等の設計を行っています。
- 降圧変圧器.
- 昇圧変圧器.
- 連続した多数の変圧器
- ガソリンエンジンで高圧を供給する変圧器でプラグをスパークさせる
- 電圧を低下させる変圧器
- 電圧を上げる変圧器
- 変圧の割合を調節できる変圧器
- 変圧器などの鉄心の部分で無駄に消費される電力
- 引き込み線という,柱上変圧器から屋内に引き込まれた電線
- 昇圧トランスという変圧器
- 変圧器における出力側のコイル
- また,この地震により,柏(かしわ)崎(ざき)刈(かり)羽(わ)原子力発電所の変圧器で火災が発生した。
変圧器と同じ種類の言葉
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