フィブロネクチンレセプターとしてとは? わかりやすく解説

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フィブロネクチンレセプターとして

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 03:12 UTC 版)

インテグリン」の記事における「フィブロネクチンレセプターとして」の解説

1973年英国 王立がん研究基金リチャード・ハインズRichard O. Hynes)が細胞表面フィブロネクチン発見し1976年米国NIH国立がん研究所ケネス・ヤマダ(K.M. Yamada)がフィブロネクチン細胞接着活性発見した細胞接着分子その後たくさん発見されるが、フィブロネクチンはその最初だった。 細胞接着活性は、次のように観察された。フィブロネクチン溶液培養皿や96プレート入れ1時間ほど室温放置すると、微量フィブロネクチン容器底面吸着する容器底面洗い生きた培養細胞をまくと、6090分で、細胞容器底面接着し、丸い球形細胞伸展し、三角形五角形形状になる。フィブロネクチンまかない容器対照実験)では細胞は丸い形状のままである顕微鏡下で、全細胞中の伸展した細胞数数え細胞接着活性数値化する。つまり、べちゃと伸展した細胞形状細胞接着観察していたことから、細胞プレート上のフィブロネクチン分子全体非特異的結合することで細胞接着実際は、細胞伸展)が起こると、当初思われた。また、フィブロネクチン巨大なタンパク質だったので、細胞フィブロネクチン分子全体非特異的結合する思わせる面もあった。 1980年頃フィブロネクチンヘパリン結合部位コラーゲン結合部位が、フィブロネクチン分子プロテアーゼ断片担われていることがわかってきた。このことから、特定の結合部位は、フィブロネクチン分子特定の部位(=ドメイン)に存在するフィブロネクチンドメイン構造説」が有力になり、フィブロネクチン分子の構造と機能ドメイン構造説で理解されるようになった米国西海岸ワシントン大学箱守仙一郎研究室関口清俊と、東海岸国立がん研究所ケネス・ヤマダ研究室林正男が、ドメイン構造解明大きく貢献したドメイン構造説が有力になるにつれ、細胞接着活性特定のドメイン存在するではないか思われ、その考え研究進めた米国エルキ・ルースラーティE. Ruoslahti )は、1984年、「フィブロネクチン細胞接着部位はたった4つアミノ酸Arg-Gly-Asp-Ser(RGDS)(RGD配列)に担われている」という驚くべき結果発表したRGD配列発見は、とりもなおさず細胞方にも、細胞表面特定のフィブロネクチン・レセプタータンパク質があるだろうと思わせた。 1985年米国エルキ・ルースラーティE. Ruoslahti)は、界面活性剤・オクチルグルコシドで可溶化した細胞膜タンパク質をフィブロネクチン・アフィニティークロマトグラフィーにかけた。非結合画分を洗い流した後、フィブロネクチン結合する細胞膜タンパク質を、RGD配列を含むRGDペプチド溶出した。すると、還元剤なし条件SDS電気泳動で、分子量は140 kDaの1本のバンド検出できた。フィブロネクチン・レセプタータンパク質を世界で最初に単離したのであるポイントは、RGD配列を含むRGDペプチド特異的に溶出させる手法用いたことだった。 一方、全く別の方向からも、フィブロネクチン・レセプタータンパク質が見つかった1970年代ドイツジョルジュ・J・F・ケーラーアルゼンチン生まれセーサル・ミルスタインモノクローナル抗体作製法開発し1984年、この開発ノーベル生理学・医学賞受賞したが、1980年代初期には、世界先端的研究室モノクローナル抗体作製技術普及し始めていた。 米国のホルビッツ(Horwitz AF)は、この技術応用し培養細胞膜タンパク質対すモノクローナル抗体作りフィブロネクチン上で細胞接着阻害するモノクローナル抗体想定抗原はフィブロネクチン・レセプタータンパク質)として、特定のハイブリドーマ選別したその結果、JG22やCSAT命名されモノクローナル抗体得ていた。 1985年米国NIH国立がん研究所ケネス・ヤマダ(K.M. Yamada研究室長谷川孝幸・悦子夫妻は、フィブロネクチン・レセプタータンパク質を単離する目的で、JG22の改良型JG22Eを不溶性担体固定し抗体(JG22E)・アフィニティークロマトグラフィー試みた。この抗体固定したカラムに、ニワトリ13日目胚組織から調製した細胞膜成分を、界面活性剤・オクチルグルコシドで可溶化し、カラム通し、JG22Eに特異的に結合するフィブロネクチン・レセプタータンパク質を単離した還元剤なしのSDS電気泳動で140 kDaの1本のバンド還元剤入りだと、155 kDa135 kDa120 kDa3本バンドになった同年米国のホルビッツ(Horwitz AF)も同じようなフィブロネクチン・レセプタータンパク質を発見した。 翌1986年米国リチャード・ハインズ(R.O. Hynes)は、ホルビッツの単離したフィブロネクチン・レセプタータンパク質のcDNAクローニング成功し塩基配列決定した塩基配列に基づくアミノ酸配列から、フィブロネクチン・レセプタータンパク質は、細胞外でフィブロネクチン結合し細胞内でアクチンマイクロフィラメントと結合する細胞膜貫通タンパク質であるとされた。リチャード・ハインズは、細胞外と細胞内を「統合する」(英語で「integrate」)機能因み、フィブロネクチン・レセプタータンパク質を「インテグリンintegrin)」と命名した。 (この節の出典

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