かいめん‐かっせいざい〔‐クワツセイザイ〕【界面活性剤】
界面活性剤
強い表面活性をもち溶媒に溶けて、その界面(表面)張力を著しく低下させる物質をいう。水に対しては石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、酸化エチレン誘導体の類がそれである。分子内に親水性の部分と疎水性の相反する部分をあわせもち、界面に吸着して表面(界面)張力を著しく低下させ、浸透、湿潤、発泡、乳化、可溶化、洗浄力のような界面現象を起こす。例えば、水に界面活性剤を加えると、表面張力が減少して水鳥の羽毛の間に水が浸入し、空気を追い出すため鳥が沈むという。界面活性剤は、水溶液中の電気的性質によって、陰イオン界商活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤に分類され、洗剤、分散剤、乳化剤、起泡剤、帯電防止剤などとして用いられる。エンジンオイルに界面活性剤を加えることにより、表面張力を小さくして気泡を排出しやすくするときにも使われる。
かいめんかっせいざい 界面活性剤 surface active agent
界面活性剤
界面活性剤
界面活性剤
界面活性剤の分子構造は、その分子の中に親水性(水とくっつきやすい)の部分と親油性(油とくっつきやすい)の部分をもち、洗剤では、親水性の部分は水にくっつき、親油性の部分は汚れとくっついて、水の流れにのって、汚れを落とす。また、水に溶かしたときに電離してイオンとなるイオン性界面活性剤と、イオンにならない非イオン性界面活性剤に大きく分類される。
主な性質として、表面(界面)張力の低下作用、浸透・湿潤作用、乳化作用、分散作用、再汚染(再付着)防止効果、起泡作用などがある。バイオテクノロジーの研究では、生体由来の界面活性剤(バイオサーファクタント)の研究が進んでおり、環境汚染対策や医療、農業など様々な分野で用いられている。
界面活性剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 19:04 UTC 版)
界面活性剤(かいめんかっせいざい、英語: surface active agent, surfactant)とは、分子内に水になじみやすい部分(親水基)と、油になじみやすい部分(親油基・疎水基)を持つ物質の総称。両親媒性分子と呼ばれることも多い。ミセルやベシクル、ラメラ構造を形成することで、極性物質と非極性物質を均一に混合させる働きをする。また、表面張力を弱める作用を持つ。
- ^ 産業技術総合研究所「バイオサーファクタントの構造」。PDF
- ^ a b 殺菌と界面活性剤の話 花王株式会社 化学品研究所 C&S 商品開発センター 岡野 哲也 2016年7月23日閲覧
- ^ 界面活性剤の働き(作用・機能) 日本界面活性剤工業会 2016年7月23日閲覧
- ^ 経済産業省「家庭用品品質表示法」平成13年4月24日経済産業省告示第328号。[1]
- 1 界面活性剤とは
- 2 界面活性剤の概要
- 3 分散・凝集
- 4 殺菌性
- 5 参考文献
界面活性剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/11 08:06 UTC 版)
チロキサポール(アレベール)が喀痰の多い閉塞性肺疾患の増悪に対して用いられることがある。吸入薬であり、吸入液はサルブタモール(ベネトリン)と併用でベネトリン吸入液0.5%を0.3~0.5mlとアレベール吸入溶液を2~3mlと生理食塩水5~8mlを混合してネブライザーで吸入する。
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界面活性剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 01:30 UTC 版)
詳細は「界面活性剤」を参照 界面自由エネルギーは分子間相互作用による安定化が界面近傍で低下することによる。このため、相分離する二つの成分のそれぞれの化学構造に類似した構造を一つの分子中に併せもつものが界面に並ぶことにより、この高エネルギー状態を緩和することができる。このような物質を界面活性剤という。水と油のように互いに混合せず相分離する系ではそれぞれ水および油に親和性のある親水基と親油基を一つの分子中に併せもつ、つまり両親媒性構造をもつものが界面活性剤となる。
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