コーサラ国
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コーサラ国(もしくはコーサラ王国、英: Kosala、サンスクリット語: कोसल)は、古代インドの王国で、その版図はおおむねアワド地方[1]、つまり現在のインドのウッタル・プラデーシュ州に相当する。後期ヴェーダ時代にジャナパダ(Janapada)と呼ばれる小国(領域)群のひとつとして勃興し、近隣のヴィデーハ国と交流があった[2][3]。仏教経典の『増支部』(漢訳仏典における『阿含経』の1つ『増一阿含経』に相当)や、ジャイナ教の教典の『バガヴァティー・スートラ』によれば、コーサラ国は紀元前6世紀から5世紀における十六大国のひとつに数えられ[4]、文化的・政治的に大国の地位を得ていた。しかし、マガダ国との一連の戦争により弱体化し、紀元前4世紀には最終的に併合されてしまった。
- ^ Mahajan 1960, p. 230.
- ^ Samuel, Geoffrey (2010), The Origins of Yoga and Tantra: Indic Religions to the Thirteenth Century, Cambridge University Press, pp. 61–63.
- ^ Michael Witzel (1989), Tracing the Vedic dialects in Dialectes dans les litteratures Indo-Aryennes ed. Caillat, Paris, 97–265.
- ^ Raychaudhuri 1972, pp. 85–6.
- ^ Raychaudhuri 1972, p. 89.
- ^ Law 1973, p. 132.
- ^ Pargiter 1972, p. 257.
- ^ Samuel, p. 71.
- ^ Law 1926, pp. 34–85
- ^ Raychaudhuri 1972, pp. 89–90
- ^ Oldenburg 1822, p. 393.
- ^ Raychaudhuri 1972, pp. 88–9
- ^ Raychaudhuri 1972, p. 138
- ^ Raychaudhuri 1972, p. 186
- ^ a b Sastri 1988, p. 17.
- ^ Mahajan 1960, p. 318
- ^ Thapar 2001, pp. 7–8
- ^ Lahiri 1974, pp. 21–4
- ^ Bhandare (2006)
- ^ Lahiri 1974, p. 141n
- ^ Bhandare 2006, pp. 77–8, 87–8
- ^ Falk 2006, p. 149
- 1 コーサラ国とは
- 2 コーサラ国の概要
- 3 プラーナ文献の時代
- 4 マウリヤ朝以後
コーサラ国
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マガダ国と並ぶ大国。首都はサーバッティ。物語開始当初の君主の詳細は不明だが、チャプラの格闘大会優勝時に国王夫妻が一コマだけ小さく描かれている。シッダルタの少年期以降は前王の遠縁に当たるパセーナディが、物語終盤はその息子ビドーダバが国王となっている。物語開始からシッダルタ誕生までの期間事実上の主役であったチャプラやタッタの活躍は、コーサラ国が主な舞台となっていた。当初ブッダと敵対していたコーサラ国王子のビドーダバは後にブッダに帰依し、国王となった後は仏教を保護している。また、マガダ国の竹林精舎と並ぶブッダの寺院祇園精舎がビドーダバの息子ジェータや長者のスダッタによって築かれ、ブッダにとっては晩年の重要な拠点となった。 ブッダの弟子ではデーパがコーサラ国の出身である。
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コーサラ国(登場人物)
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パセーナディ コーサラ国王。原典ではバーセナディ、プラセーナジットとも。漢訳仏典では波斯匿(はしのく)王と表記。後継者のいなかった前王の遠縁だったため、この地位についた。元プロレスラーで横暴な性格。「傍系出身の成り上がりで気品に欠ける」と見做されていた自身の権威を高めようと属国であるシャカ族に妃の提供を求めたが、自尊心の強いシャカ族がクシャトリアではなくスードラ(奴隷)の女を妃として納めたことを恨み、シャカ族を滅ぼそうとする。しかし、それを果たす前にビドーダバに幽閉された上に位を簒奪された。最期はブッダに諭されたビドーダバによって幽閉を解かれ、ビンビサーラを頼ってマガダ国に逃亡するも、既にビンビサーラも王位を簒奪されていたことを知り、そのまま斃死した。仏典上では、ブッダに帰依している在家の仏弟子である。 ビドーダバ コーサラ国王子(後に国王)。ヴィドゥーダバとも。漢訳仏典では破瑠璃王、流瑠王などと表記される。額にはめ込まれた瑠璃球になぞらえて、「ルリ王子」とも呼ばれる。クシャトリヤの身分だが、母はスードラ(奴隷)という事をカピラヴァストゥで知らされ屈辱を受ける(ただし、ミュージカル版では母がスードラであることを知る原因が若干異なる)。その後、己を貶した者を両親の目の前で全員殺害し、さらに母を幽閉する(後に疫病で死去)。シャカ族全員を奴隷階級とし強制労働による緩やかな絶滅を画策するが、心の奥底では良心の呵責に苦しんでいた。カピラヴァストゥでブッダと再会し、彼に自身の苦しみを指摘され、数日間に渡る話し合いの末に自らの意志でシャカ族全員の解放を決断する。出自に苦しむ自分を救ってくれたブッダに帰依するが、父王からシャカ族を絶滅するように強く要求され、廃嫡されかかった事から王位を簒奪。シャカ族に対する敵意を完全に失っていたが、長きにわたるコーサラ軍の占領政策を恨んでいた過激派のシャカ族がコーサラ国へ戦争を仕掛けたため、不可抗力ながらもシャカ族を滅ぼしてしまう。その後は、戦を嫌ってブッダの元へ身を寄せていたシャカ族の生き残りを責任をもって守ることをブッダに誓い、ブッダからの忠告を受け入れて父王パセーナディの釈放にも同意した。 ジェータ ビドーダバの息子。 スダッタ長者を馬鹿にしていたが、財産を捨ててまでブッダのために尽くそうとする彼の心意気に打たれて土地を譲り、ブッダの寺院祇園精舎とした。漢訳仏典では祇多、祇陀等と表記。 スダッタ コーサラ国の長者。金に全く不自由していない大富豪であったが、何か心に満ち足りない気持を常に抱えており、貧者への施しなどで名を残そうとしていたもののそれでも足りず、何か歴史に残るような一大事業を成し遂げたいと考えていた。マガダ国へ旅行中にブッダと出会い、受けた教えに感銘を受け、ブッダの教えを広めることこそがその事業だと結論し尽力する。ジェータ王子の持つ荘園をブッダに寄進したいと申し出るも「土地すべてに金貨を敷き詰めよ」という条件を出され、全財産を並べても全く足りず一文無しの貧者となる。人生をかけて稼ぎ貯めた富の小ささに落胆しつつ、不安や恐れが生じる原因が多すぎる富をもつことにあると気付いたことで、富豪時代よりも充実した日々を送るようになる。貧しくなってなお、施しに与えられた金貨を惜しむことなく自分の志に継ぎこもうとする姿を見て感銘を受けたジェータから土地を譲り受け、祇園精舎を建立した。 チャプラ 架空の人物。 幼い頃のブッダが登場するまでは彼をメインに話が進められていた。スードラの身分で、タッタとは義兄弟の契りを結ぶ。投石と剣の腕に優れ、ブダイ将軍を助けた事で養子に迎えられて立身する。やがてコーサラ国の勇士にまでなるが、後に隠していた身分が発覚。自身は勇士の称号剥奪と国外追放の判決が下されたが、死刑判決を受けた母と死ぬことを望み、母とともに投げられた槍で串刺しの状態で崖から突き落とされ殺された。 ブダイ 架空の人物。 コーサラ国の将軍。沐浴中にワニに襲われたところをチャプラに助けられ、チャプラを養子として迎えるが、彼がスードラ出身だということが発覚し失脚する。チャプラが自身にスードラと打ち明けられた際も、この事を口外せずに隠し通そうとし、処刑が決まった際には涙ながらに彼の姿を見送った。チャプラ亡き後の消息は不明だが、主人公がシッダルタに移った時点で死去していた模様。原作では裁判で「チャプラの身分を知っていたのか」と問われた際に「知っていたが、黙っていた」とチャプラをかばっているが、劇場版アニメでは「知らなかった」と偽証した。 マリッカ 架空の人物。 コーサラ国大臣の娘。チャプラと恋に落ちる。スードラであることを知っても彼と添い遂げようとし、父に助けを懇願したが、止む無く諦めた。
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