ジャイナ教とは? わかりやすく解説

ジャイナ‐きょう〔‐ケウ〕【ジャイナ教】

読み方:じゃいなきょう

《(梵)Jaina, Jina勝者の意》インドの宗教の一。開祖は、前6世紀ごろ、ほぼ釈迦(しゃか)と同時代マハービーラベーダ聖典権威否定し無神論で、アヒンサー不殺生)をはじめとする禁戒苦行実践説く3世紀ごろ、白衣派と裸行派分裂商業者に信者が多い。耆那(ジナ)教。


ジャイナ教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 00:25 UTC 版)

ジャイナ教(ジャイナきょう、サンスクリット語: जैन: Jainism)は、マハーヴィーラヴァルダマーナ前6世紀-前5世紀)を祖師と仰ぎ、特にアヒンサー(不害)の禁戒を厳守するなど徹底した苦行禁欲主義をもって知られるインド宗教。「ジナ教」とも呼ばれる。仏教と異なりインド以外の地にはほとんど伝わらなかったが、その国内に深く根を下ろして、およそ2500年の長い期間にわたりインド文化の諸方面に影響を与え続け、2019年時点、およそ世界全体で500万人の信徒がいるとされる[1]


注釈

  1. ^ 球根類は植物の殺生に繋がり、土中から掘り起こす時に虫を殺傷するおそれがあるとされる。
  2. ^ 戒律に則ると、消去法で商業に就かざるを得ないという見解が近いという。

出典

  1. ^ 厳格な人は微生物や虫にも配慮する。不殺生貫く「ジャイナ教」フードが今注目される理由”. 南龍太 メディアジーン (2019年12月19日). 2023年6月18日閲覧。
  2. ^ 木村靖二岸本美緒小松久男『詳説世界史 改訂版』山川出版社、2017年、56頁。ISBN 978-4-634-70034-5 
  3. ^ ジャイナ教とは” (PDF). 国土交通省. 2023年7月1日閲覧。
  4. ^ 『南アジア史』(新版世界各国史7)p60 辛島昇編 山川出版社 2004年3月30日1版1刷発行
  5. ^ Gemmy 149 号 「小売店様向け宝石の知識「宝石大国・インド4」」”. 早川武俊. 2023年6月28日閲覧。


「ジャイナ教」の続きの解説一覧

ジャイナ教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:36 UTC 版)

菜食主義」の記事における「ジャイナ教」の解説

ジャイナ教は肉食避けるだけでなく、耕す際にが死ぬ農業火中飛んで入る火を使った料理なども行わず、卵や野菜大根など)を食べない。ただし乳製品は可。この世存在する限り間接殺は避けられないのであるため、ジャイナ教の僧は最終行として食を断ち餓死する

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チャンドラグプタ (マウリヤ朝)」の記事における「ジャイナ教」の解説

ジャイナ教系の記録によればチャンドラグプタ晩年ジャイナ教を厚く信仰し退位し出家し、ジャイナ教の聖人バドラバーフ弟子となり、出家後の名はプラバーカンドラとした。バドラバーフの下で苦行打ち込んだチャンドラグプタは、最後絶食し餓死したとされている。 この説話自体史実性はともかく、チャンドラグプタ仏教系文献でしばしば無視されることや、ジャイナ教系の文献における重要視同時代碑文などから、チャンドラグプタがジャイナ教を信仰していたことは事実であると言われている。

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群盲象を評す」の記事における「ジャイナ教」の解説

ジャイナ教の伝承では、6人の盲人が、ゾウ触れることで、それが何だと思うか問われるになっている。足を触った盲人は「ようです」と答えた。尾を触った盲人は「綱のようです」と答えた。鼻を触った盲人は「木の枝ようです」と答えた。耳を触った盲人は「扇のようです」と答えた。腹を触った盲人は「壁のようです」と答えた。牙を触った盲人は「パイプようです」と答えた。それを聞いた王は答えた。「あなた方は皆、正しい。あなた方の話が食い違っているのは、あなた方ゾウ異な部分触っているからです。ゾウは、あなた方の言う特徴を、全て備えているのです」と。 この話の教訓は、同じ真実でも表現異な場合もあることであり、異な信念を持つ者たちが互い尊重して共存するための原則示している。7人の盲人とされる場合もある。これはジャイナ教の相対主義考えに基づく説話である。

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ダルマ (インド発祥の宗教)」の記事における「ジャイナ教」の解説

詳細は「ダルマ (ジャイナ教)」を参照 ジャイナ教におけるダルマという単語は、あらゆる主要な文献見出される文献上の意味があり、数多思想言及している。広義にはジナ教え矛盾する宗派教え、最高の道、社会宗教的な義務最高位マンガラ(聖位)であるものを意味する6つのドラヴィヤ(本質または現実)の理論一環としてダルマという単語は、ジャイナ教では特定の存在論的で救済論的な意味もある。ジャイナの伝統では存在ジーヴァ霊魂アートマン)やアジーヴァ霊魂でないもの)を含み後者不活性無意識の原子物質(プドガラ)や空間アーカーシャ)、時間カーラ)、運動の主題ダルマ)、安らぎ主題(アダルマ)の5つ分野含んでいる。運動意味し存在論下位分類言及するのにダルマという用語を用いることは、ジャイナ教特有のもので、仏教形而上学ヒンドゥー教様々な宗派には見い出せない。 主要なジャイナ文学英語版)タトヴァルタスートラは「10高潔な徳」のあるダスダルマに言及している。このものは忍耐謙遜、率直、純粋、正直、克己質素自制無着禁欲である。ジャイナ文学プルシャールタシデュパーヤの著者アカーリャ・アムリタカンドラは書く。 正し信者は、あらゆる相容れない傾向から霊魂を守る為に最高の謙遜のようにダルマ徳について絶え瞑想すべきである他人短所も隠すべきである。 —プルシャールタシデュパーヤ(27

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アヒンサー」の記事における「ジャイナ教」の解説

詳細は「ジャイナ教のアヒンサー」を参照 ジャイナ教のアヒンサーに関する項目も参照のこと。 ジャイナ教ではアヒンサー申し合わせ実行が他のいかなる宗教よりもより徹底的で、厳正で、包括的である。非暴力すべての人に対する最も根本的な宗教的義務として見られている。(ahiṃsā paramo dharmaḥ、ジャイナ教の寺院でしばしば記されている文)ヒンドゥー教のように、有害な業の蓄積を防ぐことが狙いである。紀元前6世紀または紀元前5世紀マハーヴィーラがジャイナ教の運動復興し再編成した時、アヒンサーはすでに確立され厳格に遵奉された規則だった。ジャイナ教の最初期指導者ティールタンカラ)で近代西洋歴史家歴史的人物であった考えているパールシュヴァおおよそ紀元前8世紀存在していた。彼はマハーヴィーラ両親所属していた団体設立したアヒンサーは既に「四戒」(Caujjama)の一部で、その誓戒はパルシュヴァの後継者たちによって保たれた。マハーヴィーラ時代その後時代において、ジャイナ教徒仏教徒ともヴェーダ教の後継者ヒンドゥー教徒のいずれとも仲違いしており、彼らをアヒンサー遂行において不注意があり矛盾があると非難したしかしながら原始ジャイナ教の苦行者は、動物明らかに彼らのために殺されたのでなければ布施としてその肉を受けたといういくつかの証拠がある。近代のジャイナ教ではこれは激しく否定しており、マハーヴィーラ自身に関しては特にそうである。ジャイナ教の伝統によれば、ラクト・ベジタリアニズムまたはヴィーガニズム強制されている。 ジャイナ教のアヒンサー概念はいくつかの面特徴的である。そこでは祭式犠牲供養者や職業的な戦士狩猟者に対していかなる例外作っていない。食物のために動物を殺すことは絶対に規則違反である。ジャイナ教徒出来る限り毎日の生活において植物害さないように少なからぬ努力を行う。彼らは食料のために植物破壊されることを許すが、彼らはそれを人間生き残るために避けられないのであるときに限って受け入れ植物対す不必要な暴力避けるための特別な指示存在するジャイナ教徒小さな昆虫や他の非常に小さな動物さえ傷つけないようにしようと道からそれる。彼らの視点では、注意不足により起こった傷害故意行動により起こった傷害等しい。蜂蜜食べることは、対す暴力になるため、厳格に違法となる。いくらかジャイナ教徒は、農耕昆虫といった多く小動物意図しない殺害傷害必然的に至るためそれを慎んでいるが、一般に農業禁じられておらず、ジャイナ教徒農場経営者がいる。 対照的に自己防衛時の暴力正義であるということ戦争で敵を殺す戦士合法的な義務遂行しているということでは、ジャイナ教徒ヒンドゥー教徒意見一致している。ジャイナ教の共同社会では防衛のための軍力行使は許されジャイナ教徒君主軍事司令官戦士存在する理論上全ての生命形態あらゆる種類傷害から保護されるべき価値があると言われているけれども、ジャイナ教徒はこの概念実際上は完全には実施できないこと認めている。移動性のある生き物移動性のない生き物より高い保護受けられている。移動性のある生き物に対して、彼らは1感覚の存在、2感覚の存在、3感覚の存在、4感覚の存在、5感覚の存在区別する。1感覚の動物唯一の感覚器官として触覚持っている。より多く感覚持っている存在ほど、その保護に関してより注意払われる。5感覚の存在のなかでは、理性のあるもの(人間)がジャイナ教のアヒンサーによって最も強く保護されるアヒンサー遂行について、anuvrate(小誓戒)を受けた在家人々に対してよりも、mahavrata(大誓戒)に拘束される僧侶尼僧に対しての方が必要条件がより厳格である。

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ジャイナ教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/05 23:09 UTC 版)

ナラクーバラ」の記事における「ジャイナ教」の解説

ナラクーバラ難攻不落城塞の主で、世界征服終えたラーヴァナもこの砦は攻めあぐねていた。ところが、ナラクーバラの妻のウパラムバーはラーヴァナ懸想しており、密会持ちかけてきたため、ラーヴァナは彼女に気があるふりをして会うと砦の攻略法聞き出し城塞占領してナラクーバラ捕虜にした。ウパラムバーには「お前は私の(砦を攻略するための)師と言える存在だが他意はなく、夫婦幸せに暮らすように」と諭してナラクーバラ元へ帰らせた。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:46 UTC 版)

無神論の歴史」の記事における「ジャイナ教」の解説

「ジャイナ教と反創造論」も参照 ジャイナ教徒自分たちの宗教不滅であると信じている。ジャイナ教の起源はインド・アーリヤ文化開始する前、歴史時代以前紀元前3000年以前にまで遡る組織化されたものに限って言えば、ジャイナ教の起源紀元前9世紀パールシュヴァか、あるいはより信頼性の高い者として紀元前6世紀(ゴータマ・ブッダ同時代)の祖師マハーヴィーラまで遡る。ジャイナ教は、宇宙物質霊魂から成る考え二元論的宗教である。宇宙、そしてその中に存在する物質霊魂永遠新たに作られるとがないまた、ジャイナ教において全能創造神存在しない。ただし、「神」その他の霊的存在宇宙存在し、魂は「神格」に到達できるとジャイナ教では考えられている。しかし、こういった超自然的存在はいずれ何らかの創造的活動を行うこともない祈り対す返答介在する能力持たない

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ジャイナ教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 04:26 UTC 版)

断食」の記事における「ジャイナ教」の解説

様々な断食の形がある。1つ形式翌日夜明けまで食べ物と飲み物を断つ。別の形式では食べ物断ち沸騰している飲んでもよい。そのほかに食べ物種類制限する形式もある。味付けは塩とコショウのみにし、レンズマメ味気ない食べ物だけを食べる。 ジャイナ教の教えによれば、「断食によって欲望情欲抑えることで業を取り除く助けになる」という。 また、断食により自発的に死に至るサンターラーという儀式がある。ジャイナ教においては、サンターラー自殺ではなく知識意図持って行う儀式一つであり、長い時間をかけて人生振り返る時間与えられる自分人生目的果たした感じた場合誓い立てる。これの最終的な目的は、「肉体浄化と、欲望捨てること」である。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:57 UTC 版)

宗教一覧」の記事における「ジャイナ教」の解説

ジャイナ教は、24人の聖人であるティールタンカラを持つ宗教で、マハーヴィーラ最新かつ最後ティールタンカラとする。バラモン教よりも古いとされる場合もある。 「Jainism」を参照 白衣派びゃくえは、シュベーターンバラ)デーラーヴァーシー派 スターナクヴァーシー派 裸行派(ディガンバラ)テーラーパンティ派 ヴィスパンティ派 ロンカー派(ムスリムインドへの侵入契機として生まれた

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 09:29 UTC 版)

悟り」の記事における「ジャイナ教」の解説

ジャイナ教では、修行によって業の束縛が滅せられ、微細な物質霊魂から払い落とされることを「止滅」(ニルジャラー)と称する。その止滅の結果罪悪汚れ滅し去って完全な悟り智慧得た人は、「完全者」(ケーヴァリン)となり、「生をも望ます、死をも欲せず」という境地至り、さらに「現世をも来世をも願うことなし」という境地到達する。この境地達すると、生死超越し、また現世をも来世をも超越する煩悩離れて生きること欲しない、と同時に死をも欲しないのは、死を願うこともまた一つ執着みるからである。ここに到達した者は、まったく愛欲去り苦しみ離脱して迫害会ったとしても少し動揺することなく一切苦痛堪え忍ぶ。この境地モークシャやすらぎ寂静)・ニルヴァーナ涅槃)、とジャイナ教では称するモークシャ到達したならば、ただ死を待つのみである。身体の壊滅とともに最期の完全な解脱到達する。完全な解脱によって向かう場所を、特に空間的に限定してこの世とは異なったところであるとしている。「賢者モークシャ複数)なるものを順次体得して、豊かで、智慧がある。彼は無比なるすべてを知って身体精神の]二種の[障礙を]克服して順次思索して業を超越する『アーラヤンガ』」。モークシャ生前において、この世において得られるものと考えられている。このモークシャをウッタマーンタ(最高の真理)と呼んで、ただ“否定的”にのみ表現ができるとしている。 このモークシャを得るために、徹底した苦行瞑想不殺生アヒンサー)、無所有修行を行う。ジャイナ教では、次の七つ真実」(タットヴァ)を、正しく知り(正知)それを信頼し正見実践する正行)することが真理に至る道であると考えられている。 1. 霊魂ジーヴァ)2. 非霊魂アジーヴァ)3. 業の流入アースラヴァ)4. 束縛バンダ)5. 防ぎ守ること(サンヴァラ)6. 止滅(ニルジャラー)7. 解脱モークシャ) ジャイナ教では、宇宙多く要素から構成され、それらを大別して霊魂ジーヴァ)と非霊魂アジーヴァ)の二種とする。霊魂多数存在する。非霊魂は、運動の条件ダルマ)と静止条件(アダルマ)と虚空アーカーシャ)と物質(プドガラ)の四つであり、霊魂合わせて数える時は「五つ実在体」(アスティカーヤ)と称する。これらはみな“実体”であり、点(パエーサ)の集まりであると考えられている。宇宙永遠の昔からこれらの実在体によって構成されているとして、宇宙創造し支配している主宰のようなものは“存在しない”とする。 霊魂ジーヴァ)とは、インド哲学でいう我(アートマン)と同じであり、個々物質内部想定される生命力実体的に考えたのであるが、唯一の常住して遍在する我(ブラフマン)を“認めず”、多数実体的な個我のみを認める「多我説」に立っていると見なされている。霊魂は、地・水・火・風動物・植物六種存在し、“元素”にまで霊魂存在認める。霊魂は“上昇性”を持つが、それに対して物質は“下降性”を有する。その下降性の故に霊魂身体の内にとどめ、上昇性を発揮することができないようにしていると考えられている。この世では人間迷い支配され行動している。人間活動身・口・意)をするとその行為のために微細な物質(ボッガラ)が霊魂取り巻いて付着する。これを「流入」(アースラヴァ)と称する霊魂付着した物質そのままでは業ではないが、さらにそれが霊魂浸透した時、その物質が「業」となる。そのため「業物質」とも呼ばれる霊魂が業(カルマン)の作用によって曇り迷いさらされることを「束縛」(バンダ)という。そして「業の身体」(カンマ・サリーラガ)という特別の身体形成して霊魂本性くらまし束縛しているとする。霊魂このように物質結び付き、そして業に縛られ輪廻する伝えられている。 霊魂に業が浸透し付着して人間苦しみ悩まされる根源外界対象執着してならないとの教えで、あらゆるところから業の流れソータ)は侵入してくるので、五つ感覚器官感官)を制御して全ての感覚快くとも悪しくとも愛着執着を起こさなければ、業はせき止められる。それを、「防ぎ守ること・制御」(サンヴァラ)と呼び新規に流入する業物質の防止とする。それに対し、既に霊魂中に蓄積され業物質を、苦行などによって霊魂から払い落とすことを「止滅」(ニルジャラー)と呼ぶ。 霊魂は業に縛られて、過去から未来へ生存変えながら流転する存在の輪すなわち輪廻サンサーラ)の中にいる。輪廻は、迷い迷って生存繰り返すことだと云われる。ジャイナ教は、その原因となる業物質を、制御サンヴァラ)と止滅(ニルジャラー)によって消滅させるために、人は“修行すべきである説く。そのために出家して、「五つの大誓戒」(マハーヴラタ、mahaavrata)である、不殺生、不妄語、不盗、不淫無所有守りながら、苦行実践する身体の壊滅によって完全な解脱完成すると「業の身体」を捨てて自身固有の浮力によって一サマヤ(短い時間)の間に上昇しまっすぐにイーシーパッバーラーという天界の上存在する完成者(シッダ)たちの住処達し霊魂過去完成者たちの仲間に入るとしている。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 16:59 UTC 版)

「劫」の記事における「ジャイナ教」の解説

ジャイナ宇宙論」も参照 ジャイナ教でも劫を認めるが、ヒンドゥー教異なり、劫の終わり世界破壊されるとは考えない。ひとつの劫には世界の幸福が増す上昇相(ウトサルピニー)と、不幸と無秩序が増す下降相(アヴァサルピニー)に二分され、それぞれ6期分かれる下降第3期終わり最初ティールタンカラであるリシャバ生まれ第4期残り23人のティールタンカラ生まれる。最後ティールタンカラであるマハーヴィーラ解脱達してから3年8か月後に下降相の第5期入り、現在に続いている。第5期21,000続きその後にもっと悪い第6期21,000年続く。上昇相の第3期第4期にも同様に24人のティールタンカラ生まれる。

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デタッチメント」の記事における「ジャイナ教」の解説

ジャイナ教においては、デタッチメントアヒンサーと共に最高の理想一つとされる無所有デタッチメントは、ジャイナ教倫理mahāvrata)の一つであり、ジャイナ教僧侶5つ誓い一つである。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 23:47 UTC 版)

インドの宗教」の記事における「ジャイナ教」の解説

「ジャイナ教」も参照 ジャイナ教はインド中でも最も古い宗教である。暴力を嫌い、全ての生命には霊魂宿っていると考える。肉食だけでなく、根菜類拒否する。又、ジャイナ教は創造論否定する

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