アパルトヘイトとは? わかりやすく解説

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apartheid

別表記:アパルトヘイト

「apartheid」の意味・「apartheid」とは

「apartheid」とは、南アフリカ共和国1948年から1994年まで存在した人種に基づく制度的な差別政策を指す言葉である。この政策は、白人による政府黒人や他の有色人種に対して施行し社会的経済的政治的な不平等生み出した具体的には、住居地域制限教育制限投票権制限など、生活のあらゆる面で差別が行われた。

「apartheid」の発音・読み方

「apartheid」の発音は、IPA表記では/əˈpɑːrtheɪd/となる。IPAカタカナ読みでは「アパーセイド」となり、日本人発音するカタカナ英語では「アパルトヘイト」が近い。この単語発音によって意味や品詞が変わるものではない。

「apartheid」の定義を英語で解説

「apartheid」is a term that refers to the system of institutionalized racial segregation and discrimination that existed in the Republic of South Africa from 1948 to 1994. This policy, implemented by a white-dominated government, created social, economic, and political inequalities against black people and other people of color. Specifically, it included restrictions on residential areas, education, and voting rights, leading to discrimination in all aspects of life.

「apartheid」の類語

「apartheid」の類語としては、「racial segregation」、「discrimination」、「prejudice」などがある。これらの語は、人種に基づく差別偏見を表す言葉である。しかし、「apartheid」は特に南アフリカの歴史的な背景を含むため、それらの語とは異なニュアンスを持つ。

「apartheid」に関連する用語・表現

「apartheid」に関連する用語としては、「Bantustan」、「Pass laws」、「Group Areas Act」などがある。これらはいずれも、アパルトヘイト政策下で施行され具体的な法律制度を指すものである

「apartheid」の例文

1. The apartheid regime in South Africa was abolished in 1994.(1994年南アフリカのアパルトヘイト政権廃止された。)
2. Nelson Mandela fought against apartheid.(ネルソン・マンデラはアパルトヘイトに対して戦った。)
3. Apartheid led to severe social and economic disparities.(アパルトヘイトは深刻な社会的経済的な格差引き起こした。)
4. The legacy of apartheid still affects South Africa today.(アパルトヘイトの遺産今日南アフリカにまだ影響及ぼしている。)
5. The international community imposed sanctions on South Africa due to its apartheid policies.(国際社会南アフリカアパルトヘイト政策に対して制裁科した。)
6. Apartheid was a system of institutionalized racial segregation.(アパルトヘイトは制度化された人種隔離制度であった。)
7. The apartheid government enforced strict control over the media.(アパルトヘイト政府メディアに対して厳格な規制施した。)
8. Many people were imprisoned for opposing apartheid.(多く人々がアパルトヘイトに反対して投獄された。)
9. The apartheid era was a dark period in South Africa's history.(アパルトヘイト時代南アフリカの歴史の暗い時期であった。)
10. The end of apartheid marked a new era for South Africa.(アパルトヘイトの終わり南アフリカにとって新たな時代幕開け示した。)

アパルトヘイト【(アフリカーンス)apartheid】


アパルトヘイト

アパルトヘイトという用語が初め登場したのは、第二次世界大戦後1948年行われた南ア最初総選挙のときでした。この総選挙勝利を収めたのが、アパルトヘイトを掲げた国民党でした。国民党1914年結成されキリスト教民族主義、すなわちナチス同様の国家社会主義掲げるようになります政権握った国民党は、以後、「すべての人種分離発展する固有の権利を持つ」という名目のもと、行政立法労働、生活のあらゆる分野本格的な人種隔離政策導入し、超長期政権として南ア支配することとなります
アパルトヘイトを支えた法律350以上にも及び、そのうち、特に基本となる4つ法律根幹法、それ以外の法律関連法呼びます
大アパルトヘイト
居住空間政治関わる大規模な分離政策
1936年 原住民土地
全土87%にあたる土地白人独占する
1949年 雑婚禁止法 異人種間の結婚禁止
1950年 背徳法 異人種性行為禁止
人口登録法 人種登録の義務づけ
集団地域法 人種別の居住区指定
共産主義弾圧共産党非合法化
1953年 バンツー教育法 人種ごとに異な教育 システム定め

小アパルトヘイト
たとえば列車バス公共施設などにおいて白人用と黒人用を厳然と区別する(もちろんよりハイクラスなのは白人用)といった、日常生活で目につきやす差別18世紀オランダ植民地時代からすで見られたが、国民党支配の下、法制化された。
1953年 分離施設留保諸施設設置利用に関する人種分離

アパルトヘイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 10:09 UTC 版)

アパルトヘイトアフリカーンス語: Apartheid)は、アフリカーンス語で「分離隔離」を意味する言葉で、南アフリカ共和国における白人と非白人[注 1]の諸関係を規定する人種隔離政策のことを指す。


注釈

  1. ^ ネイティヴと呼ばれた黒人を主とし、その他には印僑を主とするアジア系住民や、混血・先住民であるコイコイ人インドネシアマレー半島などから連行されたケープマレーを一括りにした『カラード』を含める。
  2. ^ 人種」は、皮膚の色、爪の甘皮、虹彩の色、染色体、髪の毛のちぢれ方などによって決められた。
  3. ^ ほぼ名目だけのもので、外交や国防などの自主権は無く、政府予算も大半が南アフリカ政府からの補助金でまかなわれていたため、実質的には南アフリカの傀儡国家であった。
  4. ^ 雇用者に、労働者は人種別に一定の割合(Colour bar)を維持するように義務付けた法律。特に鉱山における特定の職業を、白人労働者から低賃金な黒人労働者へ置き換えることを防止するのが目的。
  5. ^ 南アフリカ政府が指定した地域(全国土の8~13%程度)以外での、黒人の土地所有権を否定する法律。居住面での人種隔離を進めるのも目的であったが、南アフリカ政府が黒人の土地所有権を認めた地域は農業に不適な地域が多いため、黒人が自営農民として生活することは事実上困難となった。
  6. ^ ただしその発達は、黒人に対する搾取によるものであった。
  7. ^ 黒人の熟練建築労働者が、就業可能な地域を制限する法律。
  8. ^ 黒人労働者のストライキを禁止する法律。
  9. ^ 異人種間共同の労働組合を新規に結成することを禁止する法律。既存の異人種間共同の労働組合も人種別組合に分割させた上で、労働組合幹部は白人に限定させた。
  10. ^ 面積にして、南アフリカ全土のおよそ10%にも満たない程度。
  11. ^ 日本人などは名誉白人などとよばれ、白人居住区に居住した。
  12. ^ ただし、外交や国防、治安についての実権はない。
  13. ^ 拘留期限の更新が認められていたため、実際には60日を越えての拘留も可能だった。
  14. ^ “参議院会議録情報 第112回国会 決算委員会 第6号”. 議事録 (国立国会図書館). https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=111214103X00619880523。日本政府の対応については外務省の当該答弁を参照。 
  15. ^ 「人道に対する犯罪」とは、文民たる住民に対する攻撃であって、次のいずれかの行為をいう。(a)殺人。(b)絶滅させる行為。(c)奴隷化。(d)住民の追放又は強制移送。(e)国際法の基本的な規則に違反する拘禁その他の身体的な自由の著しいはく奪。(f)拷問。(g)強姦、性的な奴隷、強制売春、強いられた妊娠状態の継続、強制断種その他あらゆる形態の性的暴力。(h)政治的、人種的、国民的、民族的、文化的又は宗教的な理由、性に係る理由その他国際法の下で許容されないことが普遍的に認められている理由に基づく特定の集団又は共同体に対する迫害。(j)人の強制失踪。(j)アパルトヘイト犯罪。その他の同様の性質を有する非人道的な行為であって、身体又は心身の健康に対して故意に重い苦痛を与え、又は重大な傷害を加えるもの[25]

出典

  1. ^ レナード・トンプソン (1995, p. 329)
  2. ^ レナード・トンプソン (1995, p. 342)
  3. ^ レナード・トンプソン (1995, pp. 344–345)
  4. ^ 伊藤正孝 (1992, p. 27)
  5. ^ 伊藤正孝 (1992, pp. 27, 59)
  6. ^ 峯陽一 (1996, pp. 225–226)
  7. ^ 吉田一郎 (2010, p. 247)
  8. ^ South Africa: Honorary Whites, TIME, 19 January 1962
  9. ^ A Matter of Honour: Being Chinese in South Africa, Yoon Jung Park, Lexington Books, 2008 page 159
  10. ^ 峯陽一 (1996, p. 135)
  11. ^ a b 峯陽一 (2010, pp. 40–41)
  12. ^ 峯陽一 (1996, pp. 21–22)
  13. ^ 「南アフリカ共和国・レソト・スワジランド」『週刊朝日百科世界の地理109』、朝日新聞社、1985年11月24日、11-231頁。 
  14. ^ 勝俣誠 (1991, p. 173)
  15. ^ 勝俣誠 (1991, pp. 173–174)
  16. ^ レナード・トンプソン (1995, p. 296)
  17. ^ a b レナード・トンプソン (1995, p. 299)
  18. ^ レナード・トンプソン (1995, p. 331)
  19. ^ レナード・トンプソン (1995, p. 330)
  20. ^ レナード・トンプソン (1995, pp. 360–361)
  21. ^ 『スティグリッツ教授の経済教室』、100頁。 
  22. ^ 平野克己 (2009, pp. 128–129)
  23. ^ レナード・トンプソン (1995, pp. 373–374)
  24. ^ レナード・トンプソン (1995, p. 462)
  25. ^ [第2部 管轄権、受理許容性及び適用される法] 第7条 人道に対する犯罪”. 国際刑事裁判所ローマ規程. はてなダイアリー (2004年6月9日). 2007年8月20日閲覧。
  26. ^ 『スティグリッツ教授の経済教室』、101頁。 
  27. ^ What do the Palestinians want from the international community?”. MEMO Middle East Monitor. 2021年3月23日閲覧。
  28. ^ • Is Israel not an apartheid state?” (英語). 外務省_(イスラエル) (2010年11月10日). 2021年5月17日閲覧。
  29. ^ Raoul Wootliff (2018年7月19日). “Israel passes Jewish state law, enshrining ‘national home of the Jewish people’”. The Times of Israel. https://www.timesofisrael.com/knesset-votes-contentious-jewish-nation-state-bill-into-law/ 2021年5月17日閲覧。 
  30. ^ 渡辺丘 (2018年7月20日). “「ユダヤ人国家」法、イスラエル国会が可決 批判相次ぐ”. 朝日新聞. https://www.asahi.com/articles/ASL7N24HVL7NUHBI004.html 2021年5月17日閲覧。 
  31. ^ A regime of Jewish supremacy from the Jordan River to the Mediterranean Sea: This is apartheid” (英語). B'Tselem (2021年1月12日). 2021年5月17日閲覧。
  32. ^ イスラエル政府の人権侵害政策、アパルトヘイトと迫害の罪に該当”. ヒューマン・ライツ・ウォッチ (2021年4月27日). 2021年5月17日閲覧。



アパルトヘイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/15 14:52 UTC 版)

ピーターマリッツバーグ」の記事における「アパルトヘイト」の解説

アパルトヘイト時代、市は多種地区分離されていた。全体90%にもなるインド人らは郊外のノースデイルへ移動させられズールー族大半近隣黒人居留区イーデンデイルへ移されていた。

※この「アパルトヘイト」の解説は、「ピーターマリッツバーグ」の解説の一部です。
「アパルトヘイト」を含む「ピーターマリッツバーグ」の記事については、「ピーターマリッツバーグ」の概要を参照ください。


アパルトヘイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 09:43 UTC 版)

人道に対する罪」の記事における「アパルトヘイト」の解説

「アパルトヘイト」を参照 南アフリカにおけるアパルトヘイト政策は、ネルソン・マンデラ大統領就任し、完全撤廃された。のち1998年国際刑事裁判所ローマ規程第7条(j)では、アパルトヘイトは、「アパルトヘイト犯罪」として、「人道に対する罪」として規定された。

※この「アパルトヘイト」の解説は、「人道に対する罪」の解説の一部です。
「アパルトヘイト」を含む「人道に対する罪」の記事については、「人道に対する罪」の概要を参照ください。

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