てらのひがしいせきとは? わかりやすく解説

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寺野東遺跡

名称: 寺野東遺跡
ふりがな てらのひがしいせき
種別 史跡
種別2:
都道府県 栃木県
市区町村 小山市大字
管理団体
指定年月日 1995.11.08(平成7.11.08)
指定基準 史1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 寺野東遺跡は、鬼怒川支流田川右岸南北にのびる宝木台地東端標高四三メートル前後位置する台地東側は、田川鬼怒川によって浸食され沖積地広がっている。南東には筑波山美しい姿を広げ遠く北西方向には白根山をはじめ日光連山赤城山、北には高原山展望できる。小山市街からは東北東へ約七キロメートルにある。
 県営工業団地造成事前調査平成二年から平成六年に財団法人栃木県文化振興事業団埋蔵文化財センター小山市教育委員会によって実施された。その結果旧石器時代後期属す石器が四地点からまとまって発見され縄文時代中期から晩期集落跡古墳時代前期集落跡、同中期末から後期群集墳奈良・平安時代集落跡などが発見された。縄文時代中期前半からは集落営まれはじめ、遺跡中央北から南に流れる谷の下流挟んで東西台地上に、地床炉をもつ五メートルほどの隅丸方形円形竪穴住居跡分布推定される中期後半になると集落大規模になり、谷の東側平坦地上に密集して環状竪穴住居跡土坑分布している。竪穴住居は、石囲い炉をもちほとんど円形から長楕円形で、四から五メートルのものが多い。中期末から後期初頭にかけては、遺跡北部の谷にかかる斜面竪穴住居跡台地平坦面上土坑散在し、その南に埋設土器分布する小規模な集落となるが、集落南外れの谷の東側斜面いわゆる水場形成された。水場は谷に向かって開く幅約一二メートル奥行き一七メートル範囲平坦な字形造成し、奥壁を囲むように斜面上部板塀立てた推定される三〇センチメートル深さ二五センチメートル前後の溝が切られている。平坦部の中央舟底状に掘られ谷底続いているが、その北東部の縁には土留め足場考えられる列、南側には割り材前面立てた土坑確認された。谷には土器・石器・礫とクルミなどの種子類が多量に出土した
 後期前半竪穴住居跡は、北側の谷の西斜面分布するものが多く東側には台地平坦面から谷にかけていわゆる環状盛土遺構形成されはじめる。竪穴住居跡は、地床炉をもつ三から四メートル小形円形のものが一般的である。後期後半竪穴住居跡は、谷西側および環状盛土遺構内部から発見されている。竪穴住居跡円形もしくは五角形で、入口土坑や石囲い炉をもつ。環状盛土遺構は、外径一六メートル、幅約一五から三〇メートル半円形延び東側は川の浸食用水掘削によって失われた考えている。四つ盛土ブロック分けられ接す部分は谷状に低くなっている。内部は、当時表土から二・五メートル以上深い鹿沼軽石層下まで断続的に掘削され、その軽石交える褐色土が盛土遺構外側上層部後期後半から晩期前半累積して厚く盛られている。内側下部には後期前半から後半にかけて盛られ骨・炭多く含む茶褐色黒色土層が重複して堆積している。部分的な発掘調査結果でも、盛土遺構形成過程竪穴住居埋設土器配石、集石が設営されたことや焚火跡確認できる。またこれらの堆積過程には、膨大な量の土器片や骨・炭破片と、灰や焼け土ブロック状に廃棄されている。内部中央北寄りには、長径一八メートル短径一四メートル不整楕円形の台に掘り残した石敷き遺構発見されている。また内部遺構最終的な姿を示し南西部晩期中葉方形掘立て柱建物跡が数棟確認された。なお盛土遺構西側にそって延び谷部にも、時期的に並行する周囲に石や板を敷いた一辺メートル弱の井桁状の木組壁面にそって打ち込まれたほぼ同規模の土坑長さメートル長方形井桁状の木組階段状に連ねた遺構などによる水場営まれていた。
 盛土遺構中から土器片・石器・礫などが多量に出土し、その他土偶耳飾り土版土錘などの土製品多く石錘石剣石棒独鈷石・玉類などの石器石製品少量鹿角製の〓(*1)や装身具など、遺跡全体から多種多様な遺物発見されている。
 本遺跡は、縄文時代中期から晩期に及ぶ拠点的な集落跡であり、その変遷様相を示す。さらに、後期初めから〇〇年ほどの間に断続的に大土木工事が行われたいわゆる環状盛土遺構水場、そして豊富に出土した遺物は、縄文時代集落社会構造精神生活、生活の様子その変遷考察する上で貴重な資料提供した。よって特に環状盛土遺構初期水場などを史跡指定し、その保存図ろうとするものである



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