三省堂 大辞林 |
せめて 3 【攻(め)手】
せめて 1
[一]それで満足というわけではないが、最小限これだけでもという話し手の気持ちを表す。少なくとも。
「―姿だけでも見たいものだ」「―入賞くらいはしたい」
[二]
(1)しいて。痛切に。
「いと―恋しき時は/古今(恋二)」
(2)しきりに。また、熱心に。
「人やあるともおぼしたらで、―弾き給ふを/大鏡(昔物語)」
(3)なおも続けて。
「世の中いとわづらはしく、はしたなき事のみまされば、―知らず顔にあり経ても/源氏(須磨)」
(4)非常に。たいへん。
「このことの―あはれに悲しう侍りしかば/大鏡(時平)」
(5)せいぜい。たかだか。
「鹿を狩り、鷹を使ふことは、―世俗のわざなれば、言ふに足らず/太平記 20」
〔動詞「責める」の連用形に助詞「て」の付いた語。本来相手に心理的に詰め寄るさま、対象が自分の心に迫るさまを表し[二](1)(2)が原義。のち程度を表す用法[二](4)でも用いられ、希望の表現を伴って一の用法が生じた〕
» (成句)せめての事
日本語活用形辞書 |
せめてと同じ種類の言葉
品詞の分類
「せめて」の用例一覧
楫枕 (Wikisource)
て行衛の遠くとも、 遂 《 つひ 》 に寄る辺は岸の 上 《 うへ 》 、松の 根 《 ね 》 堅 《 かた 》 き契りをば、せめて頼まん頼むは君に、心許して君が手に、結びとめてや、千代よろづ代も。 底本: 今井...
ja.wikisource.org/wiki/楫枕
狭衣 (Wikisource)
《 かた 》 り。せめて頼みの夢さへも、麻の狭衣うち冴えて、いとど寝られぬ秋の夜の。 更 《 ふけ 》 て 砧 《 きぬた 》 の音かときけばな。月ぞ。知らする我が涙。 片敷 《 かたし 》 く袖の、 千千...
ja.wikisource.org/wiki/狭衣
太宰治 小志 (青空文庫)
どもはその品の高尚典雅に嘆息をもらしたと聖書に録されてあったけれども、 妻よ、 イエスならぬ 市井 ( しせい ) のただの弱虫が、毎日こうして苦しんで、そうして、もしも死なねばならぬ時が来たならば、縫い目なしの下着は望まぬ、せめて...
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