すばるのライバル、指導者
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「昴 (漫画)」の記事における「すばるのライバル、指導者」の解説
呉羽 真奈(くれは まな) すばる、和馬の同級生で幼馴染。幼少時より母親が経営するバレエ教室で指導を受け、すばると共にローザンヌ国際バレエコンクールで決勝に進出した実力の持ち主。 和馬の見舞いに訪れた際、すばるが病室で踊る姿を目撃してダンサーとしての天賦の才能を知覚する。以後、すばるをライバルとして強く意識し、自分との差が拡がることに苛立ちながらも、底知れぬ才能に魅了される複雑な感情を抱く。すばるの奔放な言動に振り回されつつ、システロンの「ボレロ」公演のチケット販売に協力するなど、陰ながらサクセスストーリーの随行者となった。すばるの心の闇を含めて、彼女のことを最も理解できる「ソウルメイト」であると自負しており、すばるのダンスパートナーになったニコ・アスマーに対しても嫉妬心を露わにした。 春原多香子(すのはら たかこ) ニューヨーク帰りのジュニアクラス・バレリーナ。5歳の頃からクラシック・バレエを始め、アメリカバレエ界の名門アメリカン・バレエ・シアター(A.B.T.)の著名な指導者フレディ・ヒューストンに見初められ、A.B.T.入団の誘いを受けるほどの逸材。 すばるの初舞台となった「白鳥の湖」の群舞に興味を持ち、プロへの第一歩としてローザンヌ国際バレエコンクールへの応募を助言する。そのローザンヌでは自分も決勝に進出。すばるを相手にしても決してひるまず、自らの表現に沿って踊りきる冷静さを持つ。そのバレエはすばると対極的で、観衆を太陽の如く暖かな陽射しで包み込むかのような感覚を与える。その後A.B.T.スクールに進学し、ニューヨークですばると再会した際、ABT II(A.B.T.の若手部門)でのプロデビュー公演に招待する。 プリシラ・ロバーツ バレエ界の女王として君臨する世界屈指のバレリーナの一人。米バレエ界の名門、ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)において15年にわたりプリンシパルを務めている。17歳の時にバレエを本格的に学ぶため、オハイオからニューヨークへ移住。長い下積みを経て、NYCBの創始者である伝説的振付師ジョージ・バランシンに見出された最後のミューズとなる。 創作に対する姿勢はストイックで、毎日基礎的な訓練を欠かさず、表現に納得できるまで徹底的に自分を追い込む。舞台に立つ怖さも知っており、本番前には常に代役のダンサーを準備させていた。10年間究極の目標として、「将来宇宙人を相手にバレエで意思疎通を図ること」を本気で目指している。 世界的な名声を有するセレブリティであるが気取ったところはなく、気の向くまま、好奇心の赴くままに行動して、辣腕マネージャーのマリアを振り回している。心情を表現する言葉を上手く見つけられず、抽象的な物言いをする時があり、周囲から変人と思われている部分もある。 新聞記事で目にしたシステロンの刑務所慰問公演の様子からすばるに興味を抱き、バイクに乗って次の慰問公演先を訪問。すばるが近い将来に自分の座を脅かす“似て非なる異質な才能の持ち主”であることを強く感じ取る。直後に自らの目指すヴィジョンが明確になった事を契機に、バレエ人生における最大の課題であった「ボレロ」に挑戦することを決意。偶然にもすばると同日程同演目で、ニューヨークを舞台に直接対決することになる。公演では最後の5分間だけ無演奏にさせ、ダンスの中に“耳から入る情報まで”練り込んでしまうという奇跡のような光景を現出させた。しかし、観衆が帰宅後も幻聴に悩まされるだろうことを予想して「観客につけを回してしまった。自分もまだまだ青い」と、この大いなる実験を自嘲する。 ヴァルナ国際コンクールですばるとシュー・ミンミンの次世代対決を見届けた後、すばるの母親が事故で入院中という話を聞いて来日。枕元で母親に語り掛け、昏睡状態から呼び覚ますという不思議な力を発揮する。振付師のミカエル・エリクソンを日本へ呼び寄せて「不思議の国のアリス」公演を実現し、共演者のすばるに頂点に立つ者のオーラを見せつけた。 カティア・フォン・ロール バレリーナとしての超一流のセンスを秘め持つ伯爵家の子女。名ダンサー、イワン・ゴーリキが現役生活最後のパートナーとして育てようとするが、バレエに向き合う真剣さが足りず、怠惰な生活を送っている。ローザンヌ国際バレエコンクールでは、自分の「当て馬」として用意されたすばるにイワンのパートナー候補の座を奪われ、見限られてしまう。 その後はすばるに憧れて改心し、すばるを追って英国ロイヤル・バレエ団からベルリン・ワルデハイム・バレエへ移籍する。盲目のニコとパ・ド・ドゥを踊る予定だったが、相手の動きを先読みして合わせてしまう器用さゆえに、本物のペアとして成立しなかった。 許 敏敏(シュー・ミンミン) アメリカン・バレエ・シアター (ABT) 所属の中国人バレリーナ。雲南省大理に暮らす白族の出身。7歳の頃北京雑技学校にスカウトされ、厳しい訓練に耐えてトップ候補生となるが、プリシラの「白鳥の湖」を観てバレエの魅力を知り、周囲の反対を押し切って渡米する。その後、バレエを始めて3年たらずで新鋭ダンサーとして頭角を現すが、苦労をかけた母親を中国から呼び寄せるため、アメリカで早く成功したいと焦っている。 ピーター・マーフィーとのペアでヴァルナ国際コンクールに出場し、すばるを最大のライバルとして意識する。しかし、決選でのすばるの踊りを見て感動し、すばるの方がプリシラに近いことを認める。母親へのわだかまりを抱えるすばるを諭すため、あえて失格覚悟で「ジゼル」を踊る。 呉羽 真子(くれは まこ) 真奈の母親でプロのバレエダンサー。自宅に「呉羽バレエ・スタジオ」を開き、真奈やすばるを指導している。週2回しかレッスンに現れないすばるが高度な技術を披露することを怪しみ、伝説のバレリーナ、日比野五十鈴の手ほどきを受けていたことを知ると、嫉妬心からすばるに破門を言い渡す。 イワン・ゴーリキー ボリショイ・バレエ団で「英雄」と呼ばれた、世界的に著名なプリンシパル・ダンサー。愛称はワーニャ。 先行き短い現役生活において、自分に相応しいベスト・パートナーと踊る事を望み、カティアの才能に惚れ込んで育て上げようとする。ローザンヌの前に日比野からすばるの指導を依頼され、カティアを触発するための「当て馬」という条件でフリー(コンテンポラリー)・バリエーションの振り付けとコーチを引き受ける。だが、想像を超えるすばるの成長ぶりと、ローザンヌでみせた「重力から解き放たれたような踊り」に圧倒され、「私の星(エトワール)」と認める。しかし、すばるの「踊ることへの執念」を煽るため日比野の死までも利用した冷徹さを嫌われ、コンクール直後に決別される。 その後、英国ロイヤル・バレエ団の客員としてマクミラン版「ロミオとジュリエット」のプリンシパル、タマラ・コルスのパートナーを務めるが、すばるに感じた麻薬のような極限状態を味わうバレエを忘れられず、苛立つ日々を送っている。
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