To Heart
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スタッフ
Leaf伊丹(現:大阪)開発室による作品。
主題歌
- PC版オープニングテーマ「Brand-new Heart」
- 作詞 - NEKO / 作曲 - 中上和英 / 歌 - あっこ
- PC版エンディングテーマ「あたらしい予感」
- 作詞 - NEKO / 作曲 - 下川直哉 / 歌 - あっこ
- PS版、PSE、PS2、PSP版オープニングテーマ「Feeling Heart」
- 作詞 - 須谷尚子 / 作曲 - 下川直哉 / 歌 - 中司雅美
- PS版、PSE、PS2、PSP版エンディングテーマ「それぞれの未来へ」
- 作詞 - 須谷尚子 / 作曲 - 中上和英 / 歌 - 中司雅美
反響・批評
本作のPlayStation版がリリースされた後、ビデオゲーム雑誌『ファミ通』において40点中30点を獲得した[7]。『電撃G's magazine』は2007年に「読者が選ぶMY BESTギャルゲーランキング50」と題した人気投票企画を行っており、249のタイトルの中から本作『To Heart』は14票を獲得して19位にランクインした[8]。
洋泉社が発行した『アニソンマガジン』のゲームソングレビュー集のなかでライターの前田久は、「Feeling Heart」について「シンセ主体のシンプルなアレンジで奏でられる美しいメロディーに、中司の落ち着いた歌声が絶妙にマッチしている」と肯定的な評価を与えている[9]。
ライターの森瀬繚はアダルトゲーム雑誌「メガストア」に連載したコラムの中で、本作のヒロインの一人である保科 智子が「委員長」キャラクターのアーキタイプとなったと評している[4]。
アダルトゲーム雑誌BugBugの2022年のアンケート「あなたが美少女ゲームにハマるきっかけになったタイトルは?」において、「To Heartシリーズ」が6位となった。[10]
アニメ作品
- 第1期
- 『ToHeart』のタイトルで1999年4月2日から同年6月25日まで放送された。PS版の発売に合わせたもので、オープニングテーマとムービー、声優陣が共通となっている。
- キッズステーションではエンディングが川澄綾子の「Yell」だったが、第1話の初回放送1回目のみ、SPYの「Access」が使われた(2回目以降は「Yell」へ差し替えられた)。
- 主人公と特定のヒロインの関係を進展させることが困難なギャルゲー原作物(ハーレムアニメ)の制約上、浩之、あかり、志保の三角関係を基本としつつ、他のヒロインを各話ごとに登場させて浩之に絡ませるという、各ヒロインキャラクターのプロモーションのような構成となった。そのため、作品の主軸はあえて激しいストーリー展開を避け、丁寧な日常描写を積み重ねることに置かれていた。それらを経た最終話では、浩之とあかりがようやく互いの恋愛感情を確認するという結末を迎えることとなる。
- 2007年5月25日には、DVD-BOXとして再発売された。
- 第2期
- 『To Heart 〜Remember my Memories〜』のタイトルで2004年10月から同年12月の間、アニメ魂枠で放送された。アニメ第1期の続編ではなく、『ToHeart2』PS2版の発売に合わせてゲーム版『To Heart』からの橋渡しと位置づけられた作品であり、同作のキャラクターも一部登場している。キャラクターの設定も改変されており、レミィの帰国や雅史によるあかりへの告白などオリジナル展開が存在する。
- 物語は、ゲーム版『ToHeart』から1年後の学園が舞台。声優は同じだが、全スタッフが交代し、キャラクターデザインが原作ゲームに近いものとなった。また、他のLeaf作品の登場人物が所々で登場した(後述)。これらの理由のため、本作の回想シーンと第1期の該当シーンでは演出が異なり、矛盾する部分がある。
- 第6話における保科智子の発言により、本作の世界でも阪神・淡路大震災が起きていたらしいことが読み取れる[注 5]。
- ハートフルストーリーであったアニメ第1期と違い浩之、あかり、マルチの関係の推移に焦点を絞った非常にシリアスなストーリー構成になっている。このため作品の主軸が激しい展開となっており、マルチとの再会で浩之とあかりの関係が次第に悪化していく様子が描かれている。最終話では、和解した浩之とあかりの前で眠りについていたマルチがようやく目覚めるという結末で終わっている。
アニメ第2期のみの登場キャラクター
藍原瑞穂と長瀬祐介はLeafの過去作品『雫』にも登場しているが、その役どころは全く異なる。
- フィール
- 声 - 田上由希子
- 第8話で登場。来栖川重工製のメイドロボット試作機。型番はHMX-11。メイドロボットに感情を持たせるための試作機として作られるが、ソフトウェアが重すぎて起動しなかった。このため、製品版のHM-11に感情機能は搭載されていない。容姿は『雫』に登場した太田香奈子に酷似している。
- 藍原 瑞穂(あいはら みずほ)
- 声 - 後藤邑子
- 第8話で登場。来栖大学でHMX-11の感情プログラムを作っていたが、前方不注意の車に轢かれて事故死したため、計画は中断された。
- 長瀬 祐介(ながせ ゆうすけ)
- 声 - 野島裕史
- 第9話で登場。長瀬源五郎の甥で画家。やや無愛想。藍原瑞穂と交際していた。
また、上記の面々以外にも第8話と第13話で『ToHeart2』の姫百合珊瑚(声:石塚さより)と姫百合瑠璃(声:吉田小南美)が登場した。ただし、瑠璃は第8話では全く台詞がなく、第13話では逆に台詞はあるが姿が登場していない。また、エンディングクレジットには声優名のみが表記され、役名は表記されなかった。
DVDの特典映像『Heart Fighters』の第7話では、柚原このみ(声:落合祐里香)が登場した。こちらは、エンディングクレジットに役名も表記されていたが、予告では「X」と表記されていた。
スタッフ(アニメ)
第1期 | 第2期 | |
---|---|---|
原作 | AQUAPLUS | |
企画 | 下川直哉 | |
仁平幸男 | 福井政文、及川武、川村明廣 松江正俊、酒匂暢彦、中村直樹 奥野敏聡 | |
企画協力 | AQUAPLUS、メディアワークス アートプレスト、ティーアイ東京 蝦名雅人 |
- |
監督 | 高橋ナオヒト | 元永慶太郎 |
シナリオ監修 | 高橋龍也 | - |
シリーズ構成 | 山口宏 | - |
脚本 | 山口宏、藤田伸三 | 叶希一 |
キャラクター原案 監修 |
水無月徹 | - |
キャラクターデザイン 総作画監督 |
千羽由利子 | 平山まどか |
小物デザイン 総作画監督補佐 |
- | 堀井久美 |
美術監督 | 小林七郎、高橋久嘉 | 前田実 |
色彩設計 | 渡辺亜紀 | 花尻和子 |
撮影監督 | 沖野雅英 | 田中浩介 |
編集 | 辺見俊夫 | 田熊純 |
音響監督 | 渡辺淳 | 明田川仁 |
音響プロデューサー | 飯塚康一 | - |
音響制作 | ケイエスエス | フロンティアワークス |
音楽 | 和田薫 | 長岡成貢 |
音楽プロデューサー | 横山光則 | 吉川明 |
アカウント エグゼクティブ |
小河信夫、村田昌志 | - |
チーフプロデューサー | 浅賀孝郎、奥野敏聡 | |
プロデューサー | 岩川広司、神田修吉、寺崎孝 | 畑中利雄、中村誠、高山智子 水上高志、望月雄太郎、武智恒雄 土橋哲也、芝原靖史 |
アニメーション プロデューサー |
和崎伸之 | 渡辺欽哉、黄樹弐悠 |
アニメーション制作 | オー・エル・エム(第1期) OLM(第2期) | |
- | AIC A.S.T.A. | |
製作 | ケイエスエス | THR Works[注 6] |
主題歌(アニメ)
- 第1期
- 第2期
-
- オープニングテーマ「大好きだよ(Into Your Heart)」
- 作詞・作曲・編曲 - ジョー・リノイエ / 歌 - 谷咲ナオミ
- 全話に挿入歌としても使われていた。
- エンディングテーマ「それぞれの未来へ」
- 作詞 - 須谷尚子 / 作曲 - 中上和英 / 編曲 - 松岡純也 / 歌 - 池田春菜
- PS版に使われた同曲のアレンジバージョン。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 新しい朝 | 山口宏 | 高橋ナオヒト | 千羽由利子 | 1999年
4月2日 | |
2 | 放課後の出来事 | 横田和 | 大町繁 | 小林勝利 | 4月9日 | |
3 | 陽だまりの中 | 藤田伸三 | 岩崎良明 | 村田和也 | 伊藤岳史 | 4月16日 |
4 | 輝きの瞬間 | 山口宏 | 高本宣弘 | 深沢幸司 | 千羽由利子 | 4月23日 |
5 | 青い空の下で | 村田和也 | 斉藤英子 | 4月30日 | ||
6 | 憧れ | 横田和 | 大町繁 | 小林勝利 | 5月7日 | |
7 | 揺れるまなざし | 藤田伸三 | 深沢幸司 | 木宮しげる | 平石素子 | 5月14日 |
8 | おだやかな時刻 | 深沢幸司 | 沢田正人 | 5月21日 | ||
9 | 心の在り処 | 山口宏 | 岩崎良明 | 村田和也 | 斉藤英子 | 5月28日 |
10 | 夢見る笑顔 | 藤田伸三 | 村田和也 | 斉藤英子 千羽由利子 |
6月4日 | |
11 | ぬくもりの瞳 | 山口宏 | 深沢幸司 | 6月11日 | ||
12 | 想いの季節 | 藤田伸三 | 高橋ナオヒト | 村田和也 | 6月18日 | |
13 | 雪の降る日 | 山口宏 | 高橋ナオヒト 深沢幸司 |
6月25日 |
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|
1 | 新しい予感 | 元永慶太郎 | 平山まどか | |
2 | 昔と、今と | ワタナベシンイチ | 秋田谷典昭 | 田中壽之 |
3 | そして、君は | 中山岳洋 | 久城りおん | 堀井久美 |
4 | 強さと、優しさ | 谷田部勝義 | 桜井木ノ実 ひのたかふみ | |
5 | 越えるべき壁 | 中村主水 椛島洋介 |
椛島洋介 | 青山まさのり |
6 | 思い出の街、思い出の人 | 別所誠人 | 粟井重紀 | 三崎雅也 |
7 | 一人の願い、二人の夢 | 吉田英俊 | 秋田谷典昭 | 田中壽之 |
8 | ロボットの夢 | 川島宏 | 福本潔 | 飯飼一幸 椛島洋介 |
9 | すれ違う心 | 別所誠人 | 元永慶太郎 | 大坪幸麿 |
10 | 長い夜 | ワタナベシンイチ | 長村伸治 | 吉野真一 青山まさのり |
11 | 理解りあうために | 吉田英俊 | 政木伸一 | 田中壽之 |
12 | わたしの、居場所 | 福本潔 | 石倉賢一 | 西尾公伯 |
13 | それぞれの未来へ | 別所誠人 | 秋田谷典昭 | 平山まどか 堀井久美 |
放送局
プロジェクト:放送または配信の番組#放送に基づき、本放送期間内、および特筆性のある放送局および配信サイトのみを記載しています。 |
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域・備考 [11] |
---|---|---|---|
1999年4月3日 - 6月26日 | 金曜 0:35 - 1:05(木曜深夜)[注 7] | サンテレビ | 兵庫県 |
金曜 1:30 - 2:00(木曜深夜) | テレビ北海道 | 北海道 | |
1999年4月4日 - 6月27日 | 日曜 1:40 - 2:10(土曜深夜) | 広島ホームテレビ | 広島県 |
日曜 1:55 - 2:25(土曜深夜) | 新潟放送 | 新潟県 | |
1999年4月5日 - 6月28日 | 月曜 0:00 - 0:30(日曜深夜) | テレビ埼玉 | 埼玉県 |
月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜) | 千葉テレビ | 千葉県 | |
1999年4月6日 - 6月29日 | 火曜 0:00 - 0:30(月曜深夜) | テレビ神奈川 | 神奈川県 |
火曜 1:35 - 2:05(月曜深夜) | TVQ九州放送 | 福岡県 | |
1999年4月7日 - 6月30日 | 水曜 1:30 - 2:00(火曜深夜) | 静岡放送 | 静岡県 |
水曜 23:30 - 翌0:00 | KBS京都 | 京都府 | |
1999年4月13日 - 7月6日 | 火曜 2:00 - 2:30(月曜深夜) | テレビ愛知 | 愛知県 |
火曜 23:00 - 23:30 | キッズステーション | 日本全域 / CS放送 / リピート放送あり |
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域・備考 [11] |
---|---|---|---|
2004年10月2日 - 12月25日 | 土曜 10:00 - 10:30 | AT-X | 日本全域 / CS放送 / リピート放送あり |
2004年10月4日 - 12月27日 | 月曜 1:00 - 1:30(日曜深夜) | 群馬テレビ | 群馬県 |
2004年10月8日 - 12月31日 | 金曜 23:30 - 翌0:00 | tvk | 神奈川県 |
2004年10月9日 - 2005年1月1日 | 土曜 1:25 - 1:55(金曜深夜) | KBS京都 | 京都府 |
2004年10月12日 - 2015年1月3日 | 火曜 2:00 - 2:30(月曜深夜) | BS朝日 | 日本全域 / BS放送 |
2004年10月15日 - 2005年1月7日 | 金曜 1:00 - 1:30(木曜深夜) | 東京MXテレビ(現 TOKYO MX) | 東京都 |
2004年10月16日 - 2005年1月8日 | 土曜 2:00 - 2:30(金曜深夜) | 信越放送 | 長野県 |
2004年10月22日 - 2005年1月14日 | 金曜 0:25 - 0:55(木曜深夜) | 奈良テレビ | 奈良県 |
2004年10月26日 - 2005年1月18日 | 火曜 2:20 - 2:50(月曜深夜) | 熊本放送 | 熊本県 |
アニメ魂 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
To Heart
〜Remember my Memories〜 |
映像特典
第1期DVD収録の映像特典。短編アニメは第2巻より収録。
- 第1巻 - 新春新人シャンソン・ショー?(対談)
- 第2巻 - いつもの朝(アニメ)/どっちがお好き?(対談)
- 第3巻 - Private Room(アニメ)
- 第4巻 - 時には一緒に。(アニメ)
- 第5巻 - MONSTER SHOCK(アニメ)
- 第6巻 - ちょっと…イイ話(アニメ)
- 第7巻 - 今日は僕らのクラスは全員出席だ(アニメ)
Heart Fighters
第2期DVD映像特典。各巻1話収録、全7話。アニメ第2期の登場人物同士が対決するという内容で、『聖闘士星矢』や『仮面ライダー剣』などのパロディや、巨大ロボットまで登場している。最終戦のXのみ『ToHeart2』からの客演。
- 対戦カード
-
- 第1戦「智子vsレミィ」
- 第2戦「志保vs理緒」
- 第3戦「葵vs綾香」
- 第4戦「琴音vs芹香」
- 第5戦「セリオvsマルチ」
- 第6戦「マルチvsあかり」
- 最終戦「あかりvsX」
- ^ 「初音のないしょ!!」収録のスタッフコメントによれば、彼女の口調を再現するにあたってシナリオ担当の高橋龍也(石川県七尾市出身)は神戸出身のスタッフ(音楽担当の石川真也)に実際の口調を細かく教わったとのこと。
- ^ 彼女と出会うイベントに登場する少女は、高橋龍也・水無月徹両人により新城沙織(Leafの過去作品「雫」に登場するヒロイン)をモデルにしていることが示唆されている[5]。
- ^ 本作ではマルチ自身により語られるのみだが、『ToHeart2 XRATED』および『Another Days』では後継機においてこの機能にまつわるイベントが存在する。
- ^ なお、『ToHeart2』の続編である『ToHeart2 AnotherDays』においては、メインキャラクターとサブキャラクターが『ToHeart2』と逆転しており、結果として「メイドロボ」も「緑髪のキャラクター」もヒロインとして登場している。
- ^ 第6話は保科智子の出身地である神戸が舞台となっており、「あの大地震」という表現をしている。
- ^ IMAGICAエンタテインメント、フロンティアワークス、ジェネオンエンタテインメント、双日、AQUAPLUS、クロックワークス、AT-X、OLM
- ^ 6月のみ0:40 - 1:10に放送。
固有名詞の分類
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