OSI参照モデル 例

OSI参照モデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/19 06:17 UTC 版)

下記は、OSIモデルの各層ごとのプロトコルやサービスの例である。ただし上述のようにOSIモデルはOSI準拠プロトコルのための参照モデルであり、OSIスイート以外はOSIモデルに沿って設計・開発される訳ではない。このため、下の例はあくまで「仮にOSIで言えばどの層に相当すると思われる」程度の参考である。

実際には、一部のプロトコルやサービスは、OSIモデルのどの層に属するかについて、いくつかの異なる見解が存在する。また複数層に跨っている物もある。図示の例はあくまでも一見解に過ぎない。

これらの例の他にも、いくつかの教科書では、理解を助けるための参考資料などとして、SNAの7階層やTCP/IPモデルに沿っているプロトコルなどを、このOSIのモデルに対応付けした表などが見られる。これについては、IETFなどがインターネット・プロトコル・スイートの開発はOSIに準拠する意図はないとしている。

層別の例

層別・プロトコルスイート別の例

例・その他 IP suite、TCP/IP SS7[7] AppleTalk suite OSI suite IPX/SPX SNA UMTS
# 名称
7 アプリケーション層 HL7, Modbus NNTP, SIP, SSI, DNS, FTP, Gopher, HTTP, NFS, NTP, DHCP, SMPP, SMTP, SNMP, Telnet, RIP, BGP INAP, MAP, TCAP, ISUP, TUP AFP, ZIP, RTMP, NBP FTAM, X.400, X.500, DAP, ROSE, RTSE, ACSE RIP, SAP APPC
6 プレゼンテーション層 TDI, ASCII, EBCDIC, MIDI, MPEG MIME, XDR, SSL, TLS (Not a separate layer) AFP ISO/IEC 8823, X.226, ISO/IEC 9576-1, X.236
5 セッション層 名前付きパイプ, NetBIOS, SAP, Half Duplex, Full Duplex, Simplex, SDP Sockets. Session establishment in TCP. SIP. (Not a separate layer with standardized API.), RTP ASP, ADSP, PAP ISO/IEC 8327, X.225, ISO/IEC 9548-1, X.235 NWLink DLC?
4 トランスポート層 NBF TCP, UDP, SCTP DDP ISO/IEC 8073, TP0, TP1, TP2, TP3, TP4 (X.224), ISO/IEC 8602, X.234 SPX
3 ネットワーク層 NBF, Q.931, IS-IS インターネット層,IP, IPv4,IPv6,IPsec, ICMP, IGMP, OSPF SCCP, MTP ATP (TokenTalk or EtherTalk) ISO/IEC 8208, X.25 (PLP), ISO/IEC 8878, X.223, ISO/IEC 8473-1, CLNP X.233. IPX RRC PDCP and BMC
2 データリンク層 802.3 (Ethernet), 802.11a/b/g/n MAC/LLC, 802.1Q (VLAN), ATM, HDP, FDDI, Fibre Channel, フレームリレー, HDLC, ISL, PPP, Q.921, トークンリング, CDP, ARP (maps layer 3 to layer 2 address), ITU-T G.hn DLL リンク層,PPP,媒体アクセス制御,イーサネット, SLIP, PPTP, L2TP MTP, Q.710 LocalTalk, AppleTalk Remote Access, PPP ISO/IEC 7666, X.25 (LAPB), トークンバス, X.222, ISO/IEC 8802-2 LLC Type 1 and 2 IEEE 802.3 framing, Ethernet II framing SDLC LLC , MAC
1 物理層 RS-232, V.35, V.34, I.430, I.431, T1, E1, 10BASE-T, 100BASE-TX, POTS, SONET, SDH, DSL, 802.11a/b/g/n PHY, ITU-T G.hn PHY MTP, Q.710 RS-232, RS-422, STP, PhoneNet X.25 (X.21bis, EIA/TIA-232, EIA/TIA-449, EIA-530, G.703) Twinax UMTS L1

注釈

  1. ^ OSI参照モデルの第7層における「アプリケーション」とは、あくまでHTTPやFTPなどの通信サービスのことであり、いわゆる「アプリケーションソフト」の意味ではない。また "ユーザーが操作するインターフェース" (UI) のことでもない。これは頻繁に誤解されている[要出典]ことなので注意が必要である。第7層も一般ユーザーには直接には全く見えない形で、メーリングソフトやホームページ作成公開ソフトなどのアプリケーションソフトの背後で動作しているものである。
  2. ^ 現在はITU-Tと呼ばれている。

出典

  1. ^ "OSI参照モデル". 日本大百科全書(ニッポニカ)、ASCII.jpデジタル用語辞典. コトバンクより2021年6月17日閲覧
  2. ^ Metzler, Steve Taylor and Jim (2008年9月23日). “Why it's time to let the OSI model die” (英語). Network World. 2021年8月28日閲覧。
  3. ^ Computers Are Bad”. computer.rip. 2021年8月28日閲覧。
  4. ^ アンドリュー・S・タネンバウム、デイビッド・J・ウエザロール『コンピュータネットワーク』(第5版)日経BP社、2013年9月12日、106,115頁。ISBN 9784822284763 
  5. ^ 日経クロステック(xTECH) (2007年5月17日). “アプリケーションに属する第5~7層(第29回)”. 日経クロステック(xTECH). 2024年2月19日閲覧。 “実際にはOSI第5~7層が別々のプロトコルとして実装されることはまれです〔…〕インターネットで使われているTCP/IPの体系では、OSI第5~7層に相当する階層がアプリケーション層と呼ばれる一つの階層になっているからです。”
  6. ^ ITU X.200-1988” (PDF) (英語). ITU. Reference Model of Open Systems Interconnection for CCITT applications. 国際電気通信連合 (1988年11月). 2024年2月19日閲覧。
  7. ^ ITU-T Recommendation Q.1400 (03/1993), Architecture framework for the development of signalling and OA&M protocols using OSI concepts, pp 4, 7.





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