硫化物 硫化物の概要

硫化物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 05:39 UTC 版)

硫化物イオンとその塩

硫化物イオン S2-はNa2S,CaSなどの金属硫化物の結晶中に見られる。水溶液中ではほぼ全てが加水分解して硫化水素イオン HS-として存在する。

S2− + H2O → HS + OH-

このために溶液は強い塩基性を示す。S2-は水溶液中では全く存在しないとも言われる[1]。硫化水素イオンは硫化水素水酸化アルカリなどの塩基性水溶液に溶解することでも発生する。これらは酸化されやすく、還元剤となる。

遷移金属塩の水溶液は硫化物 (H2S, NaSH, Na2S 等) と反応して固体の塩を沈澱する。このような硫化物塩は水溶解度が非常に低く、また半導体の性質をもつものも多い。有名な例は硫化カドミウム (CdS) で、鮮やかな黄色の顔料としてカドミウムイエローとも呼ばれるが、半導体としても光センサー(により電気抵抗が変化する)などに用いられる。また硫化亜鉛 (ZnS) なども半導体として用いられる。これらの化合物は塩と呼ばれるものの、その結合は共有結合性が強く、半導体の性質もこれによる。

硫化鉄黄鉄鉱磁硫鉄鉱など)や二硫化モリブデン輝水鉛鉱)など、鉱物として天然に存在するもの(硫化鉱物)も多い。

その他の硫化物

その他の硫化物としては、例えば非金属元素である炭素との化合物である二硫化炭素 (CS2, S=C=S) などがある。これらは完全な共有結合化合物である。また広義には、複数の硫黄原子が直接結合した構造を持つ二硫化物多硫化物も含める。

さらに有機化合物でも C-S-C または H-S-C という構造をもつ個々の化合物は「硫化〜」という名で呼ばれることもある。例としては硫化メチル(硫化ジメチル、ジメチルスルフィド)、硫化アリル(ジアリルスルフィド)などがある。これらの総称は英語では硫化物と同じく sulfide (sulphide) と呼ばれるが、日本語では硫化物ではなくスルフィドと呼ぶ。

硫化鉱物

鉱物学において、金属元素硫黄と結合している鉱物硫化鉱物(りゅうかこうぶつ、: sulfide mineral[2])という。黄鉄鉱 (FeS2)、輝水鉛鉱 (MoS2)、黄銅鉱 (CuFeS2)、方鉛鉱 (PbS)、辰砂 (HgS) などがある。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク




「硫化物」の続きの解説一覧




硫化物と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「硫化物」の関連用語

硫化物のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



硫化物のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの硫化物 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS