硫化水素産生菌と潰瘍性大腸炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 07:55 UTC 版)
「腸内細菌」の記事における「硫化水素産生菌と潰瘍性大腸炎」の解説
硫化水素産生菌が産生する硫化水素が潰瘍性大腸炎の原因ではないかとの指摘がある。大腸の粘膜に硫化水素を代謝する酵素が存在するが、その処理量以上の硫化水素に大腸がさらされることが潰瘍性大腸炎の原因となるのではないかとの指摘がされている。硫化水素はミトコンドリアに所在するシトクロムcオキシダーゼを阻害することにより毒性を発現する。高濃度の硫化水素に曝露されることでアポトーシス関連蛋白質であるカスパーゼ3の活性化、ミトコンドリアからのシトクロムcの遊離が見られ、ミトコンドリアを介したアポトーシスが誘導される可能性がある[信頼性要検証]。大腸粘膜を傷害するおそれのある有害な物質の発生を制御するためシソ科を中心としたいくつかの植物の抽出物を動物にあたえることで硫化水素やメタンチオールの発生を抑制することが明らかになった。イギリスで行われた調査では約3分の1のヒトがメタン菌を保有するメタン生産者である。メタンガスを作らないヒトでは、水素を利用するメタン菌の代わりに硫酸還元菌が水素や乳酸を利用して硫酸イオンを還元し、硫化水素をつくる。
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