柔術 「柔術」が意味するところの変遷

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柔術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/09 07:34 UTC 版)

「柔術」が意味するところの変遷

本来、「柔術」は日本における徒手武術全般の総称であるが、その流れを汲む現代柔道、合気道、ブラジルで発展したブラジリアン柔術ヨーロッパで発展したJJIF柔術・IJJF柔術等も「柔術」に含まれる場合がある。柔道(特に現代柔道)、合気道が世に出、全国に普及して以降、これらと区別するため、日本古来の柔術を「古流柔術」という表現を用いて区別するようになった。一部では正式名称であるかのごとく、そこまではいかないが多くの人の間でも数十年以上にわたり定着している。柔術の実践者、関係者の間でも使われる。

組み技、組み討ち技という意の「柔術」

武術界において、「柔術」を組み技・組み討ち技の意として使うことがある。例えば新体道である。柔術が組み技、組み討ち技が主な武術・格闘技と考えている人も多い。なぜ、このような傾向になったか原因を挙げてみる。

  • 柔術の流れを汲む柔道の試合に当身技がなく、幕末あたりから各地で行われた他流試合や乱捕稽古も当身技を禁じていた場合が多いこと(現代柔道では多くの形が演武用、セレモニー用となっている傾向がある)。
  • 江戸時代は捕縛術としてそのような技術が中心に据えているような印象を与える流派も多く、かつそれは古流柔術全体の特徴でもある。
  • ブラジリアン柔術の影響は選手が総合格闘技の試合で当身技も使うこととブラジリアン柔術競技に当身技が禁じられていること両面があり、抑止要因になったか原因になったか、どちらかは確認されていない。

しかし、柔術には嘉納治五郎が柔術を「徒手もしくは小型の武器を持つ武術」と定義したように、その程度しか共通理念はない。したがって、当身技を排除する要素はない。大半の流派で小脇差鉄扇十手等を使った当身技や、その他隠し武器術を伝えており、また死活(殺活、当身)の段が存在する流派も数多くあり素手での当身技法も深く修練する体系になっている。

主な流派

まだ挙げられていない流派も多く存在する。


  1. ^ Ju-Jitsu International Federation (JJIF)(英語)
  2. ^ 『現代柔道論: 国際化時代の柔道を考える』 佐々木武人 大修館書店 1993年,P251
  3. ^ 乱捕活法柔術教科書』一頁(コマ番号9)
  4. ^ 日本古武道協会
  5. ^ フランスにおける柔術と柔道の起源 (2) 細川伸二、天理大学学報206号、2004年
  6. ^ ju-jitsu - 2018年アジア競技大会公式ページ
  7. ^ a b 松原隆一郎『武道を生きる』(NTT出版
  8. ^ a b c 増田俊也木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
  9. ^ 井上俊『武道の誕生』(吉川弘文館
  10. ^ 月刊武道』2006年7月号に経緯が掲載される。
  11. ^ 伝習するカタとワザ 松道流


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