御神楽少女探偵団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/31 14:34 UTC 版)
概要
1作目『御神楽少女探偵団』と2作目『続・御神楽少女探偵団』はPlayStation用のゲームソフトとして発売されたが、3作目の『新・御神楽少女探偵団』では、キャラクターデザインや声優陣が一新され、性的要素が含まれるアダルトゲームとなっている。また、1作目と2作目はゲームアーカイブスにて配信が行われている(PS3・PSP対応。担当は株式会社ハムスター)。
なお、本項では1作目の『御神楽少女探偵団』を『御神楽』、2作目の『続・御神楽少女探偵団 〜完結編〜』を『続・御神楽』、3作目の『新・御神楽少女探偵団』を『新・御神楽』と略記して扱う。
ヒューマンの破産以降は著作権の所在に混乱が生じていたが、2009年8月には(河野の)ヌードメーカーとハムスターが共同保有することで合意した[1]。
作品解説
大正後期から昭和初期の東京を舞台に「帝都一の名探偵」と言われた御神楽時人と、彼の助手である鹿瀬巴・久御山滋乃・桧垣千鶴の「御神楽少女探偵団」と呼ばれている3人の少女、及び時人の世話係である蘭丸の周りで次々と起こる難事件を解決していくゲーム。
本編シナリオは、「事件編」、「捜査編」、「解決編」の3編によって構成されている。
「事件編」は、御神楽探偵事務所に事件解決の依頼が持ち込まれてから、実際に捜査を行うところまでを描く導入部分。プレイヤーが操作して介入する部分はなく、したがってゲームオーバーも存在しない。
「捜査編」は、実際の捜査を行い、推理の材料を全て集めるところまでを描くゲームのメイン部分。1つのシナリオは複数のセクションから構成されている。証言中の文字の色がほかと違う語句や現場周辺の捜査中に矢印の形が変わったところには重要なヒントが隠れている。
登場人物との会話や現場の調査中に、「プレイヤーが事件解決のヒントとなる情報があると推測した箇所」で“推理トリガー”と呼ばれるコマンドを入力する(回数制限あり)ことで、指摘箇所を言及、追求し新たな情報を得ることができる。この推理トリガーの入力が成功すると「推理ポイント」の値が増え、それが一定値に達することで該当セクションクリアとなる。推理トリガーの入力回数制限は各セクションごとに設定されており、残り回数が0になるとゲームオーバーとなる。
「解決編」は、捜査編で集めた情報を基に、御神楽時人の推理によって事件の真相が解き明かされるシナリオの完結編部分。『御神楽』では事件編と同様にほぼオートデモであったが、『続・御神楽』ではプレイヤーも推理に参加することになり、途中でいくつか捜査編での情報を総合して考察をする必要がある選択肢が出現する。選択を誤ってもゲームオーバーにはならないが、シナリオ終了後の探偵度評価で減点を課されるペナルティがある。
初期2作品にはストーリーの途中アニメシーンやミニゲームがある。
初期2作はPlayStation用ソフトとしては珍しい、512ドット×480ライン解像度出力を用いたソフトでもあり、その高解像度によってテキストを独自のフォントで表記しているほか、ルビが表示されている。
シリーズ作品
御神楽少女探偵団
『御神楽少女探偵団』は、1998年9月17日にヒューマンより発売されたPlayStation(PS)用のアドベンチャーゲーム。2009年10月14日からはゲームアーカイブスでの配信も行われている。ゲームアーカイブス版はCERO:C(15才以上対象)。
キャラクターデザインは小林明美が担当。作品のコンセプトは「怪しさ」であり、江戸川乱歩風の荒唐無稽さに駄作を付け加えたもの[2]。主人公が3人組なのはボケとツッコミ、合いの手というお笑い芸人のようなテンポいい会話を狙ったためで、少女なのはプログラマーがギャルゲーを作りたかったから[2]。 オープニングのテーマは「ドロくささ」でイメージとしてはGメン75やキイハンターなどの昔の刑事ドラマ[3]。時代背景が大正・昭和初期なのは現代劇では犯罪を立証する説明に対してさらに説明がいるなど専門知識が膨大になってしまうため、科学捜査が発達していない時代にした[3]。
最終話の「猟奇同盟」は前後編構成ながら前編しか収録されておらず、クリフハンガーなシチュエーションで続編に続くという締め方となっていたが、本作発売の時点ではシリーズ作品という告知は全くなく、また続編の発売は1年以上後の事となった。
本作はCD-ROM4枚組で発売されたが、その内の2枚はインターミッションシナリオやミニゲーム、設定資料集などが含まれたファンディスク的な内容(本編のクリア状況により見られる範囲が変化する)で、実際の本編は前半の2枚のみとなっている。
- 収録されているストーリー
-
- 「五銭銅貨」(練習シナリオ)
- 「幽鬼郎」
- 「太白星」
- 「夢男」
- 「蘇る夢男」
- 「猟奇同盟」
続・御神楽少女探偵団 〜完結編〜
『続・御神楽少女探偵団 〜完結編〜』(ぞく みかぐらしょうじょたんていだん かんけつへん)は、1999年10月7日にヒューマンより発売されたPS用のアドベンチャーゲーム。2009年11月25日からはゲームアーカイブスでの配信も行われている。ゲームアーカイブス版はCERO:C(15才以上対象)。
キャラクターデザインは前作に引き続き、小林明美が担当。
発売直後(同年11月)にヒューマンが和議を申請してゲーム事業から撤退することになったため、出回った本数は少なく、発売直後から入手は困難を極めた。なお、2000年9月21日にヴィアール・ワンより全く同じ内容で再発売が行われた(廉価版ではない)。
本作では、解決編中に捜査編で集めた情報についてプレイヤーに問う選択肢が登場。御神楽時人の推理・解明を見るだけであった前作とは違い、プレイヤーも推理に参加する形となっている(選択肢を間違えてもゲームオーバーにはならないが、シナリオ終了後にペナルティがある)。また、前作では前説とムービーのみに声が当てられていたが、本作では事件編・解決編においてもフルボイスでの演出が実現している(当初は全編フルボイスの予定であったが、容量などの都合で捜査編はボイスなしとなった)。
本作も前作同様CD-ROM4枚組だが、4枚すべてが本編ディスクとなっている。
- 収録されているストーリー
新・御神楽少女探偵団
『新・御神楽少女探偵団』(しん みかぐらしょうじょたんていだん)は、NUDE MAKERの開発の下、2003年12月26日にエルフより発売されたWindows 98/Me/2000/XP用の18禁アドベンチャーゲーム。
舞台は大正中期の満州、日本租借統治下の大連市で、キャラクターデザインは前作までの小林明美に代わり、さめだ小判が担当した。
PS用ゲームだった前二作と違い、途中のアニメシーンやミニゲームは無くなった。 対して18禁ゲームで定番とも言えるフルボイス化を始め、エロ・グロシーンの盛り込み、各種ハッピー・バッドエンド、シーン再現機能などが追加されている。
また、ヒューマンの倒産によって入手が困難になりつつあった前2作『御神楽』『続・御神楽』の移植版も同時収録されている。 ただし移植版ではBGMが大幅に削除された他、「八角邸事件」が未収録となっている。
- 収録されているストーリー
-
- 「殺サレルベキ男」
- 「呪香」
- 「百舌」
- ^ 『ゲームソフトウェア「御神楽少女探偵団」著作権の共同保有に関する御報せ』(PDF)(プレスリリース)ヌードメーカー、ハムスター、2009年10月14日 。2009年11月26日閲覧。
- ^ a b 「開発スタッフインタビュー」『御神楽少女探偵団 最終帝都総説』アクセラ、1998年12月3日、141頁。ISBN 978-4-873000-07-7。
- ^ a b 「開発スタッフインタビュー」『御神楽少女探偵団 最終帝都総説』アクセラ、1998年12月3日、142頁。ISBN 978-4-873000-07-7。
固有名詞の分類
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