島田金谷バイパス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 09:00 UTC 版)
一般国道 | |
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島田金谷バイパス | |
路線延長 | 10.4 km |
開通年 | 1971年 - 1980年 |
起点 | 静岡県島田市野田 |
終点 | 静岡県掛川市佐夜鹿 |
接続する 主な道路 (記法) |
藤枝バイパス 日坂バイパス |
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概要
道路諸元
- 起点:静岡県島田市野田(野田IC)
- 終点:静岡県掛川市佐夜鹿(小夜の中山トンネル西側)
- 延長:10.4 km
- 規格:第3種第1級
- 標準道路幅員:18.25 m
- 車線数:暫定2車線(完成4車線)
- 車線幅員:3.5 m
- 設計速度:80 km/h
概説
通行料金は無料。歩行者と自転車は通行禁止だが、自動車専用道路ではないので、50 cc以下の原付も通行可能[2]。 信号が全くないが、朝夕は新大井川橋の前後の区間で混雑する。
大代IC - 日坂バイパス日坂ICの区間は、連続降雨量が250 mmを超えると通行止めになる(日坂IC手前(上り線)と新大井川橋手前(下り線)に予告看板あり)。
拡幅事業について
島田金谷バイパスは開通当初から全線が無料で、東名高速道路が島田・藤枝両市街地からかなり離れたところを通過する事もあり、特に新大井川橋周辺は、時間帯を問わず慢性的な渋滞が長年の課題となっている。2004年3月に大代ICから新大井川橋手前の区間が4車線化されたものの、上り線・新大井川橋手前の車線減少・合流地点で無理な割り込みによる事故や渋滞の多発が問題となり、2006年7月よりその区間を敢えて1車線減少させた経緯がある[1]。同じ国道1号の掛川バイパス・藤枝バイパスが2005年に無料化されて以降はその影響で交通量が更に増加しており、渋滞の最後尾が掛川バイパス(日坂バイパス)の八坂IC付近にまで達する事も少なからずある。また、金谷地区から島田市街へ向かう救急車の通行が多いが、渋滞発生時には緊急車両の通行も困難となっている[3]。
牧の原第一トンネルから大代ICの区間は、1975年から下り線の登坂車線設置のために4車線の設定になっているが、開通から40年余りもの間、上り線は1車線通行で、空いた1車線分のスペースには矢印の標識が数メートル間隔で並べられている。そのスペースは路面の傷みが激しく、アスファルトの隙間から雑草が顔を覗かせる箇所も存在する[3]。
また、上り線の掛川バイパスから藤枝バイパスの約30 kmにわたる区間は、追越車線や登坂車線が設置されておらず、追い越しのための右側部分はみ出し通行も禁止されているため、60 km/h出せない特殊車両(クレーン車など)が乗り入れる事により長い車列を作ってしまい、渋滞の原因になる事がある[注釈 1]。
以上のような問題解消のため、静岡県知事や島田市長、島田・磐田間バイパス建設促進期成同盟は、拡幅事業および菊川ICのフルインター化の要望を再三にわたり国土交通省へ陳情してきた[4]。それに対し国土交通省の審議会は、損失時間が110万人時間/年という現況を踏まえ[4]、2012年1月には4車線化工事の着工を了承した[5]。ルートについては、全線を現道の暫定2車線区間に沿って拡幅するルート(事業費240億円)と、上り線だけ菊川ICから北側に迂回させ、大代IC付近で再び現道に合流するルート(事業費265億円)の2案が検討され、事業効果の見込みは両案ともほぼ同じだったため、前者の現道拡幅案が採用された[6]。
2012年度より調査・設計業務に[7]、2014年度より用地取得および工事に着手しており[8]、2015年度末時点での進捗率は6 %(うち用地取得率は35 %)となっている[8]。全線4車線での供用時には損失時間が40万人時間/年まで改善するものと期待され[4]、このうち新大井川橋を含む旗指IC - 大代IC間延長4.3 kmが2024年度(令和6年度)に開通予定である[9]。また、大代ICにループ橋を建設して出入口をバイパス北側に集約させる再整備工事[10][11]が、新東名高速道路島田金谷ICに通じる国道473号現道の拡幅工事[12]と併せて進められている。
歴史
- 1966年(昭和41年)度 : 事業化
- 1967年(昭和42年)度 : 用地取得および工事に着手
- 1971年(昭和46年)1月20日:新大井川橋西詰 - 夜泣き石交差点間(6.1 km)(金谷バイパス)が暫定2車線で開通。
- 1971年(昭和46年)12月 : 新大井川橋(0.9 km)が暫定2車線で開通。
- 1975年(昭和50年)3月 : 大代IC - 牧の原第一トンネル間が2車線から4車線へ拡幅(ただし上り線は1車線通行)。
- 1980年(昭和55年)11月 : 野田IC - 新大井川橋東詰間(3.6 km)(島田バイパス)の開通により、全線が暫定2車線で開通。
- 1982年(昭和57年)3月 : 本線に昇格。
- 島田市の大津通り交差点以西の旧道は国道指定を解除(静岡県道381号島田金谷線に指定変更)されたが、同交差点以東の現道は引き続き国道1号として運用されていたため、新たに大津通り交差点から野田ICを結ぶ区間(約1.5 km)を国道1号に指定(2015年3月まで)。
- 2001年(平成13年)3月30日 : 大代IC付近(0.9 km)が4車線化。
- 2004年(平成16年)3月30日 : 新大井川橋西詰 - 大代IC間(1.1 km)が4車線化。
- 2006年(平成18年)7月24日 : 上り線の大代IC - 新大井川橋西詰の区間が1車線減少。
- 2012年(平成24年)1月 : ほぼ全線(野田IC - 菊川IC西側の10.4 km)の4車線化工事着工を国土交通省が了承[5]。
- 2023年(令和5年)
注釈
出典
- ^ a b “事業のあらまし” (PDF). 国土交通省浜松河川国道事務所. 2014年2月16日閲覧。
- ^ 国道1号を自転車などで通行する方へ ~通行禁止区間のお知らせ~ - 浜松河川国道事務所 静岡県警察本部
- ^ a b 「渋滞するのに使われない車線」 Archived 2009年9月5日, at the Wayback Machine.(2008年7月7日OA 静岡放送「テレビ夕刊」)
- ^ a b c “平成24年度新規事業候補箇所”. 国道交通省中部地方整備局公式サイト (国土交通省中部地方整備局)
- ^ a b “一般国道8区間の着工を了承 国交省審議会部会”. 共同通信. (2012年1月24日) 2012年1月28日閲覧。
- ^ “島田金谷BPが新規事業箇所に―240億円を想定”. 建通新聞 (建通新聞社). (2012年1月27日)
- ^ “新規事業化が決定 島田金谷バイパス4車線化など”. 静岡新聞 (静岡新聞社). (2012年4月7日)
- ^ a b 事業評価監視委員会 道路事業説明資料 -一般国道1号島田金谷バイパス-(国土交通省中部地方整備局)2016年8月1日 (PDF, 2.50 MiB)
- ^ “国道1号 島田金谷バイパス 旗指IC〜大代IC 令和6年度開通予定” (PDF). 国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所 (2021年4月27日). 2022年4月16日閲覧。
- ^ “曲線半径の小さく交差条件の多い ICランプ橋の詳細設計” (PDF). セントラルコンサルタント株式会社中部支社. 2023年12月26日閲覧。
- ^ 金谷コミュニティ委員会ニュース ほほえみ No.173 (PDF) - 金谷コミュニティ委員会、2023年12月26日閲覧。
- ^ “平成30年度公共事業再評価調書” (PDF). 静岡県道路整備課. 2023年12月25日閲覧。
- ^ “国道1号島田金谷バイパス 菊川インターチェンジ 令和5年3月27日にフルインター化 浜松方面の乗り降りが可能になります” (PDF). 国土交通省中部地方整備局 浜松河川国道事務所 (2023年3月3日). 2023年3月12日閲覧。
- ^ “静岡の大動脈“国道1号バイパス”4車線化へ! 「大井川の新しい橋」先行開通 対面通行を解消!”. 乗りものニュース (2023年12月12日). 2013年12月23日閲覧。
- ^ 国道473号 金谷相良道路II 道路改良事業(島田市菊川〜菊川市倉沢) (PDF, 2233KB) - 静岡県島田土木事務所、2019年3月13日閲覧。
- 1 島田金谷バイパスとは
- 2 島田金谷バイパスの概要
- 3 接続するバイパスの位置関係
- 4 脚注
固有名詞の分類
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