山口市 交通

山口市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 12:47 UTC 版)

交通

鉄道

山口市役所・山口県庁などが立地する当市の中心市街地の最寄り駅は山口駅であり、時刻表においても当市の中心駅として表記されている。一方、市内の駅で最も乗降客数の多いのは山陽新幹線および山陽本線が乗り入れる新山口駅(旧小郡駅)であり、当市は新山口駅周辺を産業交流拠点と位置づけ整備を進めている[13]

山陽本線が山口駅ではなく小郡駅を経由することになった経緯について、山口市内で発行される郷土誌では「三田尻から山口を経由して小郡に向かう計画を地元が反対し断念させた」などと主張するものもあるが[14]、同線にあたる路線を建設した山陽鉄道広島 - 赤間関(後の下関)間の経路の候補が示された公文書には、三田尻と山口のいずれかを経由する複数のルートが掲載されているものの、三田尻から山口へ向かうルートは掲載されていない[15]

山陽鉄道では1888年(明治21年)1月に神戸 - 赤間関(現・下関)間の鉄道建設免許を受けたが、1892年(明治25年)7月時点で広島以西の経由地は未決定であった[15]。同社は当初から、工事の難易度や経済効果などから、山口を通過しない徳山(現・周南市) - 三田尻(現・防府市) - 小郡(後の新山口)を経由する現在線に近い海岸線ルートの認可を望んだが、参謀本部が軍事上の理由から、五日市付近より山間部に入り須万(現在の周南市須万)または津和野を経て山口に至り、そこから伊佐(現在の美祢駅付近)・吉田を経由して海岸付近を一切通らず赤間関に至る山間線ルートを主張した[15]。最終的には参謀本部の提案した山間部を通るルートは技術的問題、経済的問題を解決できず、赤間関付近の軍事的にリスクのある箇所などを調整して概ね当初の海岸線ルートに敷設許可をした旨の経緯が閣議決定の資料に記されている[15]

西日本旅客鉄道(JR西日本)

空港

最寄りの空港は山口宇部空港である。新山口駅などから連絡バスが運行されている。

路線バス

市内では以下の路線バス、高速路線バスが運行されている。

一般路線バス

防長交通
新山口駅を拠点に秋芳洞・萩市を結ぶ路線と、防府方面を結ぶ路線を運行しているほか、1999年に廃止された山口市交通局(山口市営バス)から路線・車両を譲り受けており、同局が運行していた旧市内各地や旧小郡町域、旧秋穂町域の路線バスを運行している。
このほか、新山口駅 - 東萩駅の特急バス「スーパーはぎ号」を中国ジェイアールバスと共同運行している。
中国ジェイアールバス
防長線と秋吉線の2路線がある。防長線は元々防府市から山口市中心部を経て萩市を結ぶ路線で、現在は山口市中心部を起終点として防府方面と萩方面で運行系統が分かれている。
秋吉線は山口駅と美祢市の大田中央・秋芳洞・秋吉を結ぶ。
宇部市交通局
旧阿知須町域を経て新山口駅と宇部市を結ぶ路線、新山口駅と山口宇部空港を結ぶ路線を運行する。
山口市コミュニティバス
山口市が運行するコミュニティバス。防長交通に運行を委託している。

高速バス

太字は山口市内の停車地

愛称名 運行会社 運行区間 昼/夜行
萩エクスプレス号 防長交通 東京東京駅霞ヶ関) - 宮野・西京橋・湯田温泉 夜行
TenryoLiner 天領バス 東京(東京駅鍛冶橋駐車場・バスタ新宿) - 新山口駅 夜行
カルスト号 近鉄バス
防長交通
京都大阪梅田USJ)・神戸三宮) - 宮野・西京橋・湯田温泉 夜行
(愛称名なし) 防長交通 広島市広島BC広域公園前駅ほか) - 玖珂IC - 周南市 - 防府市 - 西京橋・湯田温泉・山口大学前 昼行
福岡・山口ライナー 中国JRバス 福岡市博多BT天神) - 新山口駅・湯田温泉通・維新公園前・山口駅 昼行
福岡・防府・周南ライナー 防長交通 福岡市(博多BT) - 仁保津駅前 昼行

山口市内を始発・終着とせず、山口市が途中停車の一部である高速バスも含む。

なお、かつては下関市に本社を置くサンデン交通が山口市を経由する下関発着の夜行高速バスや山口市と下関市を結ぶ高速バスを運行していたが、夜行高速バス「ふくふく東京号」は2006年11月30日限りで、同「ふくふく大阪号」は2013年6月30日限りで、下関 - 山口線は2014年9月30日限りで廃止されたため、現在は山口市内発着の高速バスは運行していない。

タクシー

道路

高速道路自動車専用道路
嘉川IC - 阿知須IC間は、2012年(平成24年)3月28日より無料開放された[16]
一般国道

注釈

  1. ^ 当時、大内氏が周防国の中心地は防府(佐波郡)であったのにもかかわらず、山口(吉敷郡)を選んだ背景として、大内氏が当時南朝の一員として室町幕府と戦っており(後に服従)、瀬戸内海山陽道に面した防府は平時には便利でも戦時の防衛には不向きだったこと、防府周辺にあった周防国の国衙領阿弥陀寺は当時奈良の東大寺の支配下にあり、東大寺の影響力が強い防府に本拠地を置いて同寺と摩擦を起こすことを避けたこと、山口は周囲を山に囲まれた盆地で防府よりも守りやすく、かつ地形が京都に似て四神相応の地とみなされたこと、などが考えられている(藤井崇『鎌倉遺文研究』21号、2008年。改題・改稿「弘世期の分国支配」『室町期大名権力論』同成社、2013年(原論文:「南北朝期長門国における厚東氏権力と弘世期大内氏権力」、2008年)P19)。
  2. ^ 上金古曽町、下金古曽町、八幡馬場町、野田町、上竪小路町、下竪小路町、石観音町、道祖町、円政寺町、堂ノ前町、大市町、諸願小路町、久保小路町、銭湯小路町、新馬場町、後河原町、中河原町、早間田町、新町、米屋町、御局小路町、今小路町、中市町、相物小路町、太刀売町、松ノ木町、北ノ小路町、馬場殿小路町、米殿小路町、道場門前町、今市町、今道町、鰐石町、大附町、新橋町、西門前町、糸米小路町、荒高町、田町、中讃井町
  3. ^ 地方銀行の山口銀行下関市に、第二地方銀行の西京銀行周南市に本店を置く。
  4. ^ 締結当時は小郡町

出典

  1. ^ 平成29年度市町民経済計算の概要 (PDF) - 山口県統計分析課2020年3月31日
  2. ^ 47都道府県の県庁所在地「認知度」ランキング【完全版】”. ダイヤモンドオンライン (2019年4月15日). 2020年2月19日閲覧。
  3. ^ 50の指標でみる市町のすがた(平成22年度版) 5 人口密度(1平方km当たり)[リンク切れ] (XLSファイル、47KB) - 山口県統計分析課
  4. ^ 気象庁 / 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2024年3月22日閲覧。
  5. ^ 徳佐 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月22日閲覧。
  6. ^ 「今年の旅行先」に山口市 52カ所中3番手に紹介―米紙” (2024年1月10日). 2024年2月11日閲覧。
  7. ^ 歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第3巻、歴代知事編纂会、1985年。『朝日新聞』。
  8. ^ 令和2年地価公示(山口県分)の結果について”. 山口県政策企画課 土地・水資源対策班 (2020年3月25日). 2020年10月6日閲覧。
  9. ^ 平成23年刊山口県統計年鑑
  10. ^ 平成23年市町別観光客数
  11. ^ 会社概要 - 山口ケーブルビジョン(2012年1月5日現在)
  12. ^ NNNニュース 校名は「県立山口松風館高校」- 日テレNEWS24”. 2021年2月19日閲覧。
  13. ^ “安全祈願祭 JR新山口駅の自由通路、橋上駅舎工事” (日本語). 山口新聞 (下関市: 山口新聞社). (2011年11月24日). http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2011/1124/10p.html 2012年1月5日閲覧。 
  14. ^ 郷土大歳のあゆみ』大歳自治振興会、2002年12月10日、189頁。000004009651http://ootoshi-comm.info/kyoudo.html 
  15. ^ a b c d 参謀本部 (1893年9月). “広島ヨリ赤間関ニ達スル鉄道線路撰択ノ件(広島馬関線)” (日本語). 2021年9月12日閲覧。
  16. ^ 知事記者会見録(平成23年11月14日実施分)”. 山口県広報広聴課 (2011年11月16日). 2012年1月3日閲覧。
  17. ^ 岩空山威徳寺公式






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「山口市」の関連用語

1
96% |||||

2
96% |||||

3
96% |||||

4
96% |||||

5
96% |||||

6
96% |||||

7
96% |||||

8
96% |||||

9
96% |||||

10
96% |||||

山口市のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



山口市のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの山口市 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS