山口市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 12:47 UTC 版)
産業
山口市は県庁所在地ではあるものの、その他の主たる産業は公共施設や公共事業などを除くと、後述する観光業と流通業程度で日本では数少ない行政都市に特化した印象が強い。
小郡地区(旧小郡町)は、道路網や鉄道網が新山口駅を中心として四方へ広がっており、県央地域の交通拠点となっている。このため、同地区では小郡町時代から全国企業の山口県統括担当となる支店や営業所などが多く設置されており、商業、特に流通業に特徴がある。商業地の標準地公示地価も市内の他の標準地に比べて小郡高砂町(旧小郡町、JR新山口駅南側)が突出して高い[8]。また、宇部市を中心とした宇部都市圏を主な商圏とする阿知須地区(旧阿知須町)が市内にあることもあり、山口市の年間商品販売額は山口県内第1位である(2006年度)[9]。アパレル大手のファーストリテイリングは登記上本社を市南部の佐山地区に置いている。
瀬戸内海に面した地域に秋穂漁港、相原漁港、阿知須漁港、山口漁港の4つの漁港が存在し、椹野川では内水面漁業による鮎の養殖などが行われている。
山口駅周辺に山口市中心商店街が広がり、歓楽街である湯田温泉には宿泊施設が複数立地している。山口駅周辺の商店街内には百貨店の山口井筒屋(旧ちまきや)が存在することもあり、一定の集客力を持つが、商店街でもう一つの核となっていたダイエー山口店が閉店(現在は跡地に生活協同組合コープやまぐちが出店)したほか、市内の郊外や同一商圏内の近隣都市に広い駐車場を備えた大型ショッピングセンター(大内地区のゆめタウン山口やザ・ビッグ大内店、平川地区のフジグラン山口やハイパーモールメルクス山口、小郡地区のイオンタウン小郡、防府市のイオン防府店など)が林立したこともあり、最盛期に比べ衰退傾向にある。
一方、市内の阿知須地区にも旧阿知須町時代に地元商業者が中心となって開業させた大型ショッピングセンター「サンパークあじす」があるが、先述の通り同地区は隣接する宇部市を中心とした宇部都市圏および小郡地区が主な商圏であるため、中心部の商業への影響は少ない。
観光業は山口市の主要産業のひとつであり、2011年度に市内を訪れた観光客数は下関市に次ぐ4,284,090人である[10]。市内の主な観光地については、後述の「観光」節を参照。
金融機関
山口市は都道府県庁所在地で唯一銀行の本店が存在せず[注 3]、都市銀行の支店もみずほ銀行山口支店が存在するのみであり、日本銀行の支店も下関市に置かれている。かつての第百十国立銀行(山口銀行の前身の一つ)は山口市にて設立されたものの、普通銀行転換前に下関市に移転している。信用金庫は萩山口信用金庫が本店を置くほか、西中国信用金庫(本店・下関市)は前身の吉南信用金庫が旧小郡町に本店を置いていた関係で店舗が複数存在する。
山口市内に本支店などを設置している主な金融機関は以下の通り。
- みずほ銀行 - 山口支店
- 山口銀行 - 小郡支店、大正町出張所、秋穂支店、阿知須支店、嘉川支店、山口支店、県庁内支店、米屋町出張所、西門前出張所、湯田支店、徳佐支店、堀支店、吉敷支店、大内支店
- 西京銀行 - 山口支店、小郡支店、県庁支店、湯田支店、ゆめタウン山口出張所、阿知須出張所
- 萩山口信用金庫 - 本店、竪小路支店、湯田支店、中市支店、大歳支店、大内支店、平川支店、宮野支店、吉敷支店、御堀支店、小郡支店
- 西中国信用金庫 - 小郡支店、阿知須支店、嘉川支店、秋穂支店、上郷支店、山口支店、山口大学前支店、ひめ山支店、徳佐支店
- 信用組合広島商銀 - 山口支店
- 中国労働金庫 - 山口支店
- 山口県信用農業協同組合連合会 - 本所、県庁内支所
- 山口県農業協同組合 - 本所(合併時に新設)、出雲支所、島地支所、八坂支所(以上旧防府とくぢ農業協同組合)、
小鯖支所、大内支所、宮野支所、山口支所、吉敷支所、大歳支所、平川支所、陶支所、鋳銭司支所
名田島支所、二島支所、嘉川支所、佐山支所、秋穂支所、秋穂大海支所、仁保支所、阿東支所、阿東生雲支所、阿東嘉年支所、阿東篠生支所、阿東地福支所、小郡支所、小郡上郷支所、山口統括本部支所(以上旧山口中央農業協同組合)、阿知須支店(旧山口宇部農業協同組合)
郵便局
- 山口中央郵便局
- 山口湯田郵便局
- 山口中讃井郵便局
- 山口中市郵便局
- 山口吉敷郵便局
- 山口宮野郵便局
- 山口平川郵便局
- 山口後河原郵便局
- 山口桜畠郵便局
- 山口県庁内郵便局
- 山口神田郵便局
- 山口金古曽郵便局
- 仁保郵便局
- 小鯖郵便局
- 名田島郵便局
- 嘉川郵便局
- 大内郵便局
- 佐山郵便局
- 御堀郵便局
- 深溝郵便局
- 小郡郵便局
- 小郡新町郵便局
- 小郡大正町郵便局
- 小郡黄金町郵便局
- 八坂郵便局
- 堀郵便局
- 島地郵便局
- 大原郵便局
- 串郵便局
- 大歳郵便局
- 二島郵便局
- 秋穂郵便局
- 大海郵便局
- 鋳銭司郵便局
- 阿知須郵便局
- 徳佐郵便局
- 嘉年郵便局
- 地福郵便局
- 篠生郵便局
- 生雲郵便局
- 山口大学内簡易郵便局
- 山口流通センター簡易郵便局
- 山口陶簡易郵便局
- 河内神簡易郵便局
- 引谷簡易郵便局
- 船路簡易郵便局
- 三谷簡易郵便局
注釈
- ^ 当時、大内氏が周防国の中心地は防府(佐波郡)であったのにもかかわらず、山口(吉敷郡)を選んだ背景として、大内氏が当時南朝の一員として室町幕府と戦っており(後に服従)、瀬戸内海と山陽道に面した防府は平時には便利でも戦時の防衛には不向きだったこと、防府周辺にあった周防国の国衙領と阿弥陀寺は当時奈良の東大寺の支配下にあり、東大寺の影響力が強い防府に本拠地を置いて同寺と摩擦を起こすことを避けたこと、山口は周囲を山に囲まれた盆地で防府よりも守りやすく、かつ地形が京都に似て四神相応の地とみなされたこと、などが考えられている(藤井崇『鎌倉遺文研究』21号、2008年。改題・改稿「弘世期の分国支配」『室町期大名権力論』同成社、2013年(原論文:「南北朝期長門国における厚東氏権力と弘世期大内氏権力」、2008年)P19)。
- ^ 上金古曽町、下金古曽町、八幡馬場町、野田町、上竪小路町、下竪小路町、石観音町、道祖町、円政寺町、堂ノ前町、大市町、諸願小路町、久保小路町、銭湯小路町、新馬場町、後河原町、中河原町、早間田町、新町、米屋町、御局小路町、今小路町、中市町、相物小路町、太刀売町、松ノ木町、北ノ小路町、馬場殿小路町、米殿小路町、道場門前町、今市町、今道町、鰐石町、大附町、新橋町、西門前町、糸米小路町、荒高町、田町、中讃井町
- ^ 地方銀行の山口銀行は下関市に、第二地方銀行の西京銀行は周南市に本店を置く。
- ^ 締結当時は小郡町
出典
- ^ 平成29年度市町民経済計算の概要 (PDF) - 山口県統計分析課2020年3月31日
- ^ “47都道府県の県庁所在地「認知度」ランキング【完全版】”. ダイヤモンドオンライン (2019年4月15日). 2020年2月19日閲覧。
- ^ 50の指標でみる市町のすがた(平成22年度版) 5 人口密度(1平方km当たり)[リンク切れ] (XLSファイル、47KB) - 山口県統計分析課
- ^ “気象庁 / 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2024年3月22日閲覧。
- ^ “徳佐 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月22日閲覧。
- ^ “「今年の旅行先」に山口市 52カ所中3番手に紹介―米紙” (2024年1月10日). 2024年2月11日閲覧。
- ^ 歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第3巻、歴代知事編纂会、1985年。『朝日新聞』。
- ^ “令和2年地価公示(山口県分)の結果について”. 山口県政策企画課 土地・水資源対策班 (2020年3月25日). 2020年10月6日閲覧。
- ^ 平成23年刊山口県統計年鑑
- ^ 平成23年市町別観光客数
- ^ 会社概要 - 山口ケーブルビジョン(2012年1月5日現在)
- ^ “NNNニュース 校名は「県立山口松風館高校」- 日テレNEWS24”. 2021年2月19日閲覧。
- ^ “安全祈願祭 JR新山口駅の自由通路、橋上駅舎工事” (日本語). 山口新聞 (下関市: 山口新聞社). (2011年11月24日) 2012年1月5日閲覧。
- ^ 『郷土大歳のあゆみ』大歳自治振興会、2002年12月10日、189頁。000004009651 。
- ^ a b c d 参謀本部 (1893年9月). “広島ヨリ赤間関ニ達スル鉄道線路撰択ノ件(広島馬関線)” (日本語). 2021年9月12日閲覧。
- ^ “知事記者会見録(平成23年11月14日実施分)”. 山口県広報広聴課 (2011年11月16日). 2012年1月3日閲覧。
- ^ 岩空山威徳寺公式
固有名詞の分類
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