富士川 富士川の概要

富士川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 16:21 UTC 版)

富士川
水系 一級水系 富士川
種別 一級河川
延長 128 km
平均流量 63.2 m³/s
(清水端観測所 2000年)
流域面積 3,990 km²
水源 鋸岳(山梨県)
水源の標高 2,685 m
河口・合流先 駿河湾(静岡県)
流域 日本
長野県山梨県静岡県

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甲斐駿河を結ぶ水運としての要路であり、古くから人々の暮らしに密着してきた。

地理

富士川河口付近の空中写真(1988年撮影)国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

釜無川本谷として、南アルプス北部、山梨県と長野県の県境に位置する鋸岳(のこぎりだけ)に源を発し、長野県富士見町にて八ヶ岳などを源流とする立場川と合流しながら、山梨県北杜市まで長野・山梨両県の県境を成す。北杜市にて山梨県域に入ってから尾白川塩川御勅使川などと合流しながら甲府盆地を南流し、西八代郡市川三郷町南巨摩郡富士川町の町境で笛吹川と合流する。ここまでを釜無川と呼ぶ。

釜無川の名前の由来には諸説あり、上流の「釜無山」にちなむというもの、のような深いがないことにちなむもの、釜のふちのような堤防がないことにちなむもの、川の水が温かいので釜が必要ないからというもの、巨摩郡を貫流する大河のゆえに「巨摩の兄(こまのせ)川」というもの、「水量が豊富で流れが速いため、釜を洗おうとするとすぐに流されて無くなってしまうから」という伝承に近いものなどが挙げられる。その中でも有力視されているのが、絶え間なく流れる様子を表した「クマナシ(隈無し)」に由来しているというものである[1][2]

一般的に釜無川笛吹川の合流点より下流を富士川と呼び、そのまま富士山の西側を南流する。途中、早川や常葉川、波木井川など、更に下って静岡県に入り稲子川芝川などの支流を合わせ、富士市雁堤南で東海道と交差し、富士市と静岡市清水区との境で駿河湾に注ぐ。

富士川の語源については、富士山から流れ出た水が集まって川となる説や藤川の変化だという説がある[3]

呼び方

正式には「ふじわ」と濁らない発音であり、東海道新幹線富士川橋など橋付近に掲げられている看板には英語表記で「FUJIKAWA」と記載されている。また流域の静岡県、山梨県では「ふじわ」と呼ばれ、これは静岡における4音の川で、2音目が濁るもの(安倍川、地名の旧芝川町〈現・富士宮市〉など)で共通のルールである。

国語辞書・百科事典での仮名見出し・読み仮名はまちまちで、『大辞林』(三省堂)・『日本大百科全書』(小学館)では「ふじわ」としている一方、『日本国語大辞典』や『大辞泉』(いずれも小学館)・『集英社国語辞典』(集英社)・『世界大百科事典』(平凡社)では、「ふじわ」としている。『広辞苑』(岩波書店)は2008年の第六版まで仮名見出しを「ふじわ」としていたが、2018年の第七版で「ふじわ」に改めた。なお「ふじわ」を仮名見出しとする『大辞林』『日本大百科全書』『広辞苑』第七版は、項目中で「ふじわ」の読みに触れている。

国土交通省サイトで日本全国の一級河川を紹介する「日本の川」では読み仮名を「ふじかわ」としており、URLには「fujikawa」の文字が含まれる[4]

『NHK日本語発音アクセント新辞典』では富士川の発音を「フジカワ ̄」と示している。

流域の山梨県南巨摩郡富士川町および2008年平成20年)10月31日まで存在した静岡県庵原郡富士川町(現・富士市)は、正式に「ふじわちょう」と発音する。


注釈

  1. ^ 現在の静岡県富士宮市内房橋上

出典

  1. ^ 釜無川の由来を知ろう!”. 海と日本PROJECT in やまなし. 2019年9月6日閲覧。
  2. ^ 国立国会図書館. “釜無川の歴史や名前の由来について書いてある本はあるか。”. レファレンス協同データベース. 2019年9月6日閲覧。
  3. ^ 富士川の由来を知ろう!”. 海と日本PROJECT in やまなし. 2019年9月6日閲覧。
  4. ^ 日本の川 - 関東 - 富士川 - 国土交通省水管理・国土保全局
  5. ^ 『戦国遺文』今川氏編 1087
  6. ^ 『戦国遺文』今川氏編 2086
  7. ^ 『山梨県史』資料編 4(中世1)187-188頁、1999
  8. ^ 山梨県立博物館『「武田二十四将―信玄を支えた家臣たちの姿―」展示図録』21・48頁、2018
  9. ^ 『戦国遺文』武田氏編 2740
  10. ^ 【広報ふじ昭和46年】ヘドロ処理はじまる”. 富士市 (1971年). 2021年12月9日閲覧。
  11. ^ し尿処理 ほおかぶり 問題の河川敷に『朝日新聞』1970年(昭和45年)11月10日朝刊 12版 23面
  12. ^ 日銀、あきれた抜け穴 降ってわいた札束ミステリー 廃棄紙幣流出事件『朝日新聞』昭和45年(1970年)5月16日夕刊 3版 11面
  13. ^ 電源周波数地域(50Hz地域/60Hz地域)について サポート・お問い合わせ(シャープ株式会社)
  14. ^ 旧富士川町と富士市の合併以降は、東部と中部の境は富士川より西に移動した。
  15. ^ レンリソウ 富士市


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