ロシア人
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人口
居住各国の統計から算出すると1億3,000万人を超えており、世界でも人口の多い民族の一つである。およそ1億1600万人がロシア連邦内に、1600万人がロシアの近隣諸国に住んでいる。その他、約460万人が世界各国に居住し、その多くはアメリカ合衆国と西ヨーロッパ諸国である。
文化

東欧の森林地帯で独自の宗教・信仰と生活様式を持っていた東スラヴ人の文化に起源をもつ。 はじめ、ロシア人の先祖は、スラブ人のすぐ近くの領土に住んでいた近隣のフィン・ウゴル人の強い文化的影響下にあった。
ロシア北西部に居住していたスラヴ人はバルト海の東側に移住してきたスウェーデン系ノルマン人入植者や先住していたフィン人、バルト人と同化していった。またスカンディナヴィアから来てキエフ・ルーシという国の建国に関わったとされるヴァイキング、ヴァリャーグ達も、ロシア人の文化的アイデンティティの形成に重要な役割を果たした。このキエフ・ルーシは988年に東ローマ帝国からキリスト教を受容したが、このことによりロシア文化はスラヴ文化と東ローマ帝国文化の融合した文化としてその後1000年発展を続けることとなった[32]。
1453年コンスタンティノープルの陥落後、ロシアは世界最大の正教国家となり、東ローマ帝国に次いで「第3のローマ」を自称した。一方でヨーロッパ文化の影響を強く受け、特にピョートル大帝の大改革の以後ロシア文化は西欧文化を背景として大きく発展した。20世紀は共産主義イデオロギーがソビエト連邦とその最大・主導的構成国であったロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の文化を形作った。
ロシアの文化は極めて多様である。また豊かな歴史をもち芸術の様々な面[33]で卓越性と長い伝統を誇っている。特に文学[34]、哲学、音楽[35][36]、バレエ[37]、建築、絵画、映画、アニメーション[38]といった分野で世界各国の文化に一定の影響を及ぼした。 ロシア文化の基礎と成った異文化は、ポーランドなど西スラブも大きいが、何よりチェコ共和国とプロイセン・ドイツの影響が極めて大きく、特に軍事分野ではプロイセン軍の影響がかなり大きい。
ロシア文学における著名な作家としては、アレクサンドル・プーシキン、レフ・トルストイ、フョードル・ドストエフスキー、アントン・チェーホフ、イワン・ツルゲーネフ、ウラジーミル・マヤコフスキー、ボリス・パステルナーク、アンナ・アフマートヴァ、ヨシフ・ブロツキー、マクシム・ゴーリキー、ウラジーミル・ナボコフ、ミハイル・ショーロホフ、ミハイル・ブルガーコフ、アンドレイ・プラトーノフ、アレクサンドル・ソルジェニーツィン、ヴァルラーム・シャラーモフなどが挙げられる。
クラシック音楽の分野においてもピョートル・チャイコフスキーや、同年代のロシア5人組、特にモデスト・ムソルグスキー、ニコライ・リムスキー=コルサコフなど世界的に有名な作曲家を輩出した。また20世紀になってからも、ドミートリイ・ショスタコーヴィチ、セルゲイ・プロコフィエフ、セルゲイ・ラフマニノフ、イーゴリ・ストラヴィンスキー、ゲオルギー・スヴィリードフ、アルフレート・シュニトケといった作曲家が活躍した。
言語
ロシア語(русский язык)はユーラシア大陸でもっとも広い地域で話され、スラヴ語の中で話者数がもっとも多い言語である。ロシア語はインド・ヨーロッパ語族に属し、ベラルーシ語、ウクライナ語と共に東スラヴ語群を形成する。
10世紀以降確認された古東スラヴ語の資料から、ロシア語には東スラヴ語の文法の特徴とスラヴ祖語の語彙の多くが残されているが、政治、科学、テクノロジー分野では他国の言語に由来する語も多い。冷戦期ソ連が超大国として位置付けられたことから、ロシアは20世紀の政治において多大な影響力をもった国家であり、ロシア語は国連の公用語ともなった。
ロシア語では、口蓋化した子音が二次的調音を含む、いわゆる軟音と硬音がある。ほぼ全ての子音で口蓋化音と非口蓋化音があり、ロシア語の大きな特徴となっている。また、母音弱化とアクセントの無い母音の発音も英語など他言語と違う重要な特徴である。ロシア語では語のどの音節にもアクセントをおけるため、学習者にとってもっとも難しい点のひとつとなっている。
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