ヤマガラ ヤマガラの概要

ヤマガラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/22 04:12 UTC 版)

ヤマガラ
ヤマガラ Sittiparus varius
保全状況評価[a 1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : スズメ亜目 Oscines
: シジュウカラ科 Paridae
: ヤマガラ属 Sittiparus
Selys-Longchamps, 1884
: ヤマガラ S. varius
学名
Sittiparus varius
Temminck & Schlegel, 1848
和名
ヤマガラ(山雀)
英名
Varied tit
亜種
(動画)ヤマガラ
アマミヤマガラ
P. v. amamii

分布

  • P. v. castaneoventris タイワンヤマガラ
中華民国台湾[a 2]
  • P. v. namiyei ナミエヤマガラ
日本(神津島新島利島固有亜種[a 2]
  • P. v. olivaceus オリイヤマガラ
日本(西表島)固有亜種[a 2]
  • P. v. owstoni オーストンヤマガラ
日本(八丈島御蔵島三宅島)固有亜種[a 2]
  • P. v. varius ヤマガラ
大韓民国朝鮮民主主義人民共和国、日本(北海道本州四国九州伊豆大島佐渡島五島列島

形態

全長13 - 15センチメートルで、概ねスズメぐらいの大きさである。頭部は黒い羽毛で被われ、から、後頸部にかけて明色斑が入る。下嘴基部(腮)から胸部にかけて黒い帯模様が入る。尾羽の色彩は黒褐色。初列風切や次列風切の色彩は黒褐色で、羽毛の外縁(羽縁)は青みがかった灰色。雨覆や三列風切の色彩は青みがかった灰色

嘴の色彩は黒い[1]。後肢の色彩は青みがかった灰色。卵は白い殻で覆われ、淡褐色や青みがかった灰色の斑点が入る。

  • P. v. namiyei ナミエヤマガラ
背中や下面は橙褐色の羽毛で被われる。頭部の明色斑は淡黄色
  • P. v. olivaceus オリイヤマガラ
頭部の明色斑は赤褐色。背中は灰褐色、下面は赤褐色の羽毛で被われる。
  • P. v. owstoni オーストンヤマガラ
最大亜種。下面は赤褐色の羽毛で被われる。頭部の明色斑は細く、色彩は赤褐色。嘴が太い。
  • P. v. varius ヤマガラ
背中や下面は橙褐色の羽毛で被われる。頭部の明色斑は黄褐色。

分類

ヤクシマヤマガラを除いた現生亜種の分子系統学的解析では、亜種タイワンヤマガラを除いた他亜種がより近縁と推定されている[a 2]

南部に分布する亜種ほど、色味が濃い傾向がある。

  • Parus varius amamii アマミヤマガラ
  • Parus varius castaneoventris タイワンヤマガラ
  • Parus varius namiyei ナミエヤマガラ
  • Parus varius olivaceus Kuroda, 1923 オリイヤマガラ
  • Parus varius owstoni Ijima, 1893 オーストンヤマガラ
  • Parus varius sunsunpi タネヤマガラ
  • Parus varius varius Temminck & Schlegel, 1848 ヤマガラ
  • Parus varius yakushimensis ヤクシマヤマガラ
画像 学名 英名
和名
分布
Sittiparus varius Varied tit
ヤマガラ
大韓民国朝鮮民主主義人民共和国、日本(北海道本州四国九州伊豆大島佐渡島五島列島
Sittiparus owstoni(split from S. varius[2] Owston's tit
オーストンヤマガラ
日本(八丈島御蔵島三宅島)固有亜種[a 2]
Sittiparus olivaceus(split from S. varius[2] Iriomote tit
オリイヤマガラ
日本(西表島)固有亜種[a 2]
Sittiparus castaneoventris(split from S. varius[2] Chestnut-bellied tit
タイワンヤマガラ
台湾
Sittiparus semilarvatus White-fronted tit
シロビタイガラ
フィリピン

絶滅亜種

  • Parus varius orii Kuroda, 1923 ダイトウヤマガラ

  1. ^ a b The IUCN Red List of Threatened Species
    • BirdLife International 2009.0. Parus varius. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
  2. ^ a b c d e f g h i 環境省 自然環境局 生物多様性センター
  3. ^ エゴノキ果皮は有毒なサポニンを多く含んでいるが、鳥類ではほぼヤマガラのみが実を捕食する。ヤマガラはサポニンの影響を受けないのか(体内で分解?)、また貯食は発芽に貢献しているのではないか(果皮を取り去り地中に埋めるから)、などといった研究が行なわれている。
    ヤマガラによる貯蔵散布がエゴノキ種子の発芽に及ぼす影響(山形大学 2006年)
  1. ^ a b c 『山渓ハンディ図鑑7 新版 日本の野鳥』、474-475頁。
  2. ^ a b c McKay, B.D.; Mays Jnr, H.L.; Tao, C.-T.; Wan, D.; Higuchi, H.; Nishium, I. (2014). “Incorporating color into integrative taxonomy: analysis of the Varied Tit(Sittiparus varius) complex in East Asia”. Systems Biology 63 (4): 505–517. doi:10.1093/sysbio/syu016. PMID 24603127. 
  3. ^ a b c d 【鳥類】環境省第4次レッドリスト(2012)<分類群順>” (PDF). 環境省 (2012年8月28日). 2012年9月9日閲覧。
  4. ^ 小山幸子 (1999). "ヤマガラの芸"  ISBN 4-588-30203-5


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